蜃(しん)とは、蜃気楼を作り出すといわれる伝説の生物。古代の中国と日本で伝承されており、竜の類とする説とその傍らに巨大なハマグリとする説がある。蜃気楼の名は「蜃(みずち)」が「気」を吐いて「楼」閣を出現させると考えられたことに由来する[1]。霊獣の類とされることもある[2]。漢字の「蜃」は「おおはまぐり」とも「みずち」とも読み、源字「辰」には両方の用途がある。そもそも「辰」は「2枚貝が殻から足を出している様子」を表し、おおはまぐり等を指したが、龍の意味にも転用されたことから、「蜃」に改めたものの両方の意味はそのまま残った。