紙の漫画雑誌にはない、Webコミックならではのメリット

工藤:ちょっとお聞きするのは心苦しいところではあるんですが、お互いに「ここは負けない」と思っているところはありますか?
村田:負けないところですか?
森川:負けないぞ。負けないぞ。いいよ、言っちゃって。

村田:描き直しの量ですかね(笑)。
森川:そういうところくるか(笑)。
村田:修正の量は負けません(笑)。
森川:なるほどね。
村田:何度でも描き直します。

工藤:村田先生は上がった後に、変えられたりされますよね。
村田:そうなんですよ。『アイシールド』の時は修正できないのが悔しくて。
工藤:(笑)。だから『ワンパンマン』ではもう……。
村田:もう心ゆくまでというか。
工藤:心ゆくまで(笑)。
村田:最初に想定してた通りの画が出るまで何度でも描き直すんですけど、描き直しの部分は原稿料が出ないんですよね(笑)。

工藤:なるほどなるほど。「そりゃそう」と言っては、あれなのかもしれないですけど。
村田:僕の場合、けっこう状況が特殊で、ONE先生にお願いして描かせていただいている流れもあるので、「パワーアップしていないと描く意味がないよな」という。
工藤:いやいや。
村田:原作のWeb版の『ワンパンマン』も、誰でも読める状態でアップされているので。お金を取って単行本を買っていただくだけのバリューがちゃんと付いてないと申し訳がないと。
工藤:いや、めちゃめちゃ付いています。すごい密度だと思います。
村田:そこらへんはなるべく妥協しないでやらせていただくので。締め切りをたまに……。一応隔週で木曜更新ですけど、「隔週木曜で更新できた回数のほうが少ないな」という状況になっているのは、編集部のみなさんに申し訳ないんですけど。

工藤:(笑)。その分はクオリティを追求されているという。
村田:そうですね。わがままを言わせていただいて、そこは何度でも直すと決めています。
工藤:なるほど。そこは個人として突き詰めているというかたちで。
村田:そこはWebの強みでもあるので、より迫力のあるシーンが描けそうだったらページを足したりしています。

どう考えても村田の病気です。