>>485
若島津自伝より抜粋。

◎月×日
岬とかいう転校生がやって来た。そいつはかなりサッカーが上手かった。性格も良さそうだし、
これからは楽しくやれる……そんな事を思っていたらヤツはとんでもない事をしやがった。
なんと日向を『小次郎』呼ばわりしやがったのだ。よりによって名前で呼び捨てにするとは……
俺は数秒後の惨状を想像しておもわず顔をそむけた。しかし意外な事が起こった。
日向が別段気にせず、いやむしろ楽しげに岬と話しているのだ。そうか、日向って呼ぶのはダメで、
小次郎って呼べばいいのか、そう思った俺は次の日からあいつの事を『小次郎』と呼ぶことに決めた。
翌日『よう、小次郎』とフランクに話し掛けたら日向はまた人殺しの目で睨みつけてきた。かなりビビった。
その後岬が来て『おはよう、小次郎』と挨拶した。すると日向は優しく微笑んで『おう、岬』と挨拶しやがった。
チクショウ、なんなんだこの差は。この日から俺は岬に嫉妬を覚えるようになった。