>>190
「ここ、ここ。髪の長い女とかじゃないんだよ。金髪の筋肉ダルマ」
「なんだよソレ、新しすぎ」
「すげーイカついマッチョが上半身だけで出てくんだと」
「ヤクザと揉めて殺された後、ずっと何か数えてるらしいんだ」
「『一個謎、二個謎』って……」「三個謎」
喋っていた男、きょとんとして見回す。
「? 誰か何か言ったか? 俺は二個謎までしか「四個謎」

青くなって震える男。その間にもカウントは進む。
「お、俺は言って『五個謎』ない!」
「夏奈、お前『六個謎』か? 録音しかけてビビらせてるんだろ?」
「まだ恨んでるのか?『七個謎』そう、菜々子のこと仕返ししたくて」
「知らない、あたし知らないよ。ここ来たの初めてだし『八個謎』」
「じゃ、じゃあまさか、本当に……『九個謎』」

男の目の前で、夏奈もほかの連れも顔を恐怖に歪めて逃げ出す。
一人取り残され、ゆっくりと振り返る男。

「何回数えても一個謎足りな〜い」

腕組みしながら近寄ってくる上半身だけの男。
背後には五体バラバラの何人もの男たち。悲鳴。地面に落ちるスマホ。

その後、男を襲ってる?食ってる?何をしているのかはわからない。
亡者たちが地面に向かって何かやっている。
「……ものは落とすなって何度も教育したろうが……」
「何回数えても一個足りない不条理の謎。
生まれてきた意味に一個謎。死んだあと人はどこに行くのか一個謎」
「ひゅーひゅー魍魎〜魍魎〜」

◆死してなお続く苦しみ……半グレたちの地獄は終わらない……!