ピュアの行動原理は有象無象の他人を正しく導くことであったが、
ゴールに到達して自分=世界=正義の自分以外の誰もいない世界になった時点で、
導き手としての存在意義は本質的には失われた。
世界に唯一残った自分に抗おうとする他者(おっさんら)と
それが守ろうとしている未来(子供)を叩き潰すことで勝利は確定するが、
それは導くべき他者どころか抵抗者もいない完全に自分=世界の
完結した世界に生きることである。それは望んだ世界ではない。
最大の抵抗者であった稀男のグループが頭を垂れて導きを請い、
それと手を取り合って生きていくという理想的な物語が砕かれた時点で
ピュアの勝利はありえなかった。