>>791
原典でも朝顔の君とは経験済み説も有力だから

例えば、少なくとも何かがなければ「木綿欅を見ると、あの秋のことが懐かしい。昔に戻ることは出来ないけど、もう一度始めることは出来るよね」とは言わないだろうし
(原文「かけまくはかしこけれどもそのかみの秋思ほゆる木綿欅かな」。昔を今に、と思ひたまふるもかひなく、とり返されむもののやうに」)

何事もなかったのなら、朝顔の君も「な、な、な、何のことだか、わけわかんないんだけど! 最近は会ってもないし!」とは返事しないだろうし
(原文「そのかみやいかがはありし木綿欅心にかけてしのぶらむゆゑ」。近き世に。
地の文で「えしももて離れきこえたまふまじかめり。すこしあいなきことなりかし」……どうしても突き放すことはできそうにないようです。少し背徳的なことですよね……と露骨にツンデレ扱いされているので、そんな感じに訳しました)

で、それを見た光源氏の感想が「字がかわいらしく、特に平仮名が綺麗になったなあ。これなら寝起きの顔もさぞかし美しくなっただろう」だし。『美人になった』とかならともかく、『朝顔』……寝起きの顔……と局限している、つまりはそれを見たことがあるわけで
(原文「御手、こまやかにはあらねど、らうらうじう、草などをかしうなりにけり。まして、朝顔もねびまさりたまへらむかし」)

長文失礼しました