葛西に渡す。
 余裕そうに着替える葛西とは逆に千穂は心配そうに見つめる。 
「嫌じゃ…ないの?」 
「嫌に決まってるでしょ?でも、この程度なら痛くないし痒くもないから許容範囲内よ」
 「この…程度?」 
その疑問に葛西はタオルを頭に被せて千穂にいう。 
「小田切には…もっと酷いことをしたわ」
 「…」 「いやになった?やめたくなった?」 タオルで顔は見えない。千穂は頭をフルフル。
 「ううん。やめない……けど、もう試すようなことはしないで」 
「うん」 
着替えが終わり、もう行こうと二人でトイレを去る。
 しのがその様子を見ていて、歯軋りをしていた。 次回、何故あなたばかりが。