【小百合くん】
B話
>>175の続き
担任が朝のホームルームで言った言葉が衝撃的だった。
昨日の夕方、同じ学年の田川純也くんが電車に飛び込み自殺をしたというのだ。
偶然かもしれないが同じ日の同じ時間帯に同じ学年の人が自殺をしていたなんて、小百合にはすごいショックだった。
しかしこの田川純也くんの自殺がきっかけで小百合は変わることになる。
小百合と同様、同級生から激しいいじめを受けていた田川純也くん。学校は騒然としてしており。その日は田川純也君の自殺の話でもちきりだった。
それはそうだろう。同じ学校の生徒が自殺をしたんだから。誰だって不安になるし、心が痛むに違いない。いじめていた生徒も、いじめを知っていた、知らなかった生徒でも。
これを機に学校中がいじめについて真剣に考えてくれるだろうと小百合は思いこれからの学校生活に期待したが、たまたま廊下で聞いた話に耳を疑った。
「田川純也とかあんなキモいオタク死んでくれて良かったね。」「いじめられる奴に原因があるんだよ」「あんな奴死んでも誰も悲しくないし」
小百合は愕然とした。もし私も昨日自殺していたら同じこと言われてたのかな。涙が出そうになったが、それは次第に怒りに変わっていった。
何で私がこんな思いをいなくちゃいけないのか。自殺をしたこともバカにされるのか。自殺を考えていた自分が愚かに感じたし、行きたくもない学校に行く事自体がバカバカしく思えた。
辛い思いをするくらいなら行きたくない学校なんて最初から行かなければいいんだ。
それから小百合の生活は変わっていく。小百合は夜の街へと歩き出した。
【続く】