【小百合くん】
@話
>>172の続き
中学校の桜の木からは、花は完全に散ってしまい青い葉が目立ち始めている。春休みが終わり、もう一学期が始まっていた。
そこには中学二年生になったばかりの小百合がいた。小百合は和気あいあいと充実した学校生活を過ごしており、友達も多く勉強に部活と楽しい青春の日々を送っていた。
しかしそんな小百合の楽しい青春もある日を境に壊れてしまう。それは同じ学年の尚也からされた告白がきっかけだった。
放課後に尚也から呼び出され、突然の告白。最初はびっくりしたものの、尚也は学年でも人気のある男子だし内心喜ぶ小百合。
そして小百合と尚也は初々しくも付き合い始めることになった。初めての彼氏ということもあり小百合はすぐに尚也を好きになっていったし、二人はラブラブなカップルだった。
またその噂はすぐに学年中に広まっていく。同じ学年の男女が付き合うというのは、当時の中学二年生にとってはまだ珍しかったし、それが学年でも人気のあるイケメンの尚也だったからすぐに二年生の中でニュースとなっていった。
しかし幸せの小百合とは逆に他の女子の気持ちは芳しくなかった。他の女子は人気のある尚也と付き合い始めた小百合に嫉妬していたのである。
その嫉妬から小百合は仲の良かった女子にシカトをされるようになり、次第にそれはいじめへと発展していく。だんだんとエスカレートしていくいじめ。
追い打ちをかけるように立場の悪くなった彼氏の尚也からも別れを告げられてしまう小百合。
尚也と別れたからといって一度始まったいじめはおさまる様子もない。楽しかった学校生活は一瞬で消えてしまい、まるで地獄のような日々に変わってしまった。
いつまで続くかわからないいじめに、小百合は怯えきっていた。
【続く】