ところが、『HARBOR BUSINESS online』によると、そんな安定感抜群の量産型作家である国友やすゆき・御年64歳が、
現在『週刊ポスト』に連載中の『愛にチェックイン』を最後に筆を置く、すなわち引退してしまうのだという。

国友氏の作風を、誤解を恐れず一言で行ってしまえば、
「一見は普通なのに、なぜか次から次へとセックスができてしまうサラリーマンの物語」
……といった感じだろう。ちなみに、このジャンルで一世を風靡した他の漫画家としては、弘兼憲史氏(島耕作シリーズ)や
柳沢きみお氏(特命係長・只野仁シリーズ)が挙げられる。
もちろん、国友氏・弘兼氏・柳沢氏が描く「一見普通のサラリーマン」は、設定も性格もスキルも三者三様まったく異
なっているのだが、「なぜか次から次へとセックスできてしまう」のだけは、どの主人公にも共通している。そして、
イケメン俳優でもなくジャニーズアイドルでもなくイケイケの青年実業家でもなくホストでもなくAV男優でもない
「普通のサラリーマン」が「ヤリまくり」という、本来ではなかなかあり得ない日常は、成人日本男児の大半を占め
るサラリーマンにとっての憧れ、夢だったのではなかろうか。

国友氏が筆を置き、弘兼氏は会長になった島耕作や『黄昏流星群』に登場するシルバー世代を動かす作風へと移行し、
柳沢氏が仙人化してしまった今、あきらかに“一つの時代”が終った……。


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