最終的には努力家のリカさんが天才響に勝つ話が読みたいな

持ち前の才能とセンスに頼り切って小説を描いてきた天然流の響が突然スランプに陥って
なにをどう書けば面白い小説になるのかわからなくなってもう生きてる価値はないと思って死のうとするところを
涼太郎に強引に止められて家政大学に進学して涼太郎の望みどおりのどこにでもいる主婦になって
世間からも神童も20歳過ぎればただの人扱いされて芥川賞直木賞をW受賞した天才響は次第に人々の記憶から忘れ去られていく

一方リカさんは地道に理詰めで文章力や構成力を高める努力をし続けて
あの祖父江の娘という肩書なしで評価されるベストセラー作家の一角に食い込むようになり芥川賞も受賞
堪能な語学力を活用して英語で発表した小説は海外でもベストセラーとなって世界のRika Sofueとして活躍
祖父江リカは完全に父を超えたという評価が一般的となり数十年後には大江健三郎以来のノーベル文学賞を受賞するという快挙を成し遂げる

後年リカは述懐する
「私には結局のところお伽の庭を超える傑作を書きあげることはできなかったわ。
でも私は何十冊というベストセラー小説を書き上げ、世界中の人に読んでもらい、あらゆる文学賞を受賞することができた。
小説家として勝ち残ったのは私よ、響ちゃん」

おばあちゃんとなった響の本棚の右側には祖父江リカの小説がずらっと並べられていたが1冊だけ左だけの本棚に収められていた
四季降る塔だった。

END……的な