『ぼおるぺん古事記』って最後まで読むと、巻頭の原文が
いつの間にかだいたい読めるようになるね。
むしろ冒頭の原文が本文、マンガ部分が解説みたいになる。
たぶん作者はそういう読まれ方を意図してこの装丁にしたんだろう。

そして原文を読むといろんなことがわかってくる。

例えば、マンガにときどきカラーのコマが交じるけれど、
これは登場人物が歌を詠む部分だけがそうなっている。
(まあそれはマンガだけ見てもわかるんだけど)

そして古事記の原文を見ると、通常は漢文っぽいのに、
歌の部分は必ず万葉仮名で書かれているんだよね。
例)やくもたつ → 夜久毛多都
そしてマンガのカラー部分を見直すと、その箇所のセリフは
全部ひらがなだけで書かれている。

つまり、作者は原文の記法の違いを、マンガの色の違いと
セリフの文字種の違いで表現したということがわかる。