兄妹神でこれ思い出した

先島(宮古・八重山)地方には「兄妹始祖洪水神話」が数多く残されているのが特徴です。
これは、何らかの原因でその土地に辿り着いた、兄妹の関係にある一組の男女がその土地の始祖となるという神話です。
沖縄本島地方にはあまり残されていません(「アマミキヨ・シネリキヨ」はひとつの類型ではありますが)が、
インドネシアを中心に華南から東南アジアにかけて、数多くのバリエーションが広く分布している創世神話です。

波照間島の創世神話
ある日突然島に油の雨が降り注ぎ、すべての生き物が死滅した。
そんな中で二人の兄妹がミシク(ニシハマの海岸線の丘の上)にある洞窟に逃げ隠れ助かった。
二人はのちに夫婦になり最初の子供が生まれたが、それは魚のような子(「ボーズ」)であった。
そのため二人は住処を洞窟の上に変えたが、今度はハブのような子供が生まれた。
更に住処を変えヤグ(冨嘉集落の辺り)に掘立て小屋を建てて暮らし、その後現在のF家の場所に移ってようやく人間の子が生まれた。
この子は「アラマリヌパー」と呼ばれ、その後の波照間の人々の始祖である。