ハーモニーという視点は本質をついていると思う。
ハーモニーはある時期、とくに1970年代にはロックファンから軟弱とされていた。
しかし時代を越えて普遍的に聴かれる曲は美しいハーモニーがある曲が
きわめて多い。
ビートルズのデビューアルバム「プリーズプリーズミー」はイギリスの
メロディ・メーカー誌で第1位を30週連続記録。「プリーズ・プリーズ・ミー」
を第1位から引きずり下ろしたのはセカンド・アルバム「ウィズ・ザ・ビートルズ」
だった。
ビートルズは最初から若者すべてに支持されたスーパースターだったが同じ国民的
なバンドになったクイーンの1stはリリース時にはチャートインすらしなかった。
ただクイーンは70年代よりもむしろ80年代にイギリスでの人気が過熱し、フレディ
の死後はさらに伝説的なバンドになって、現役時にはいまひとつだったアメリカ
でも今やベスト盤が売れ続けている。
その魅力の再大のものはやはりハーモニーだろう。
AKBにしろ嵐にしろももクロにしろ、日本の流行音楽はユニゾンばかりで
和声がない。世界で通用しない根本的な原因はそこにあるような気がする。