パックマンが登場する以前、ゲームセンターやアミューズメントセンターにきているのは、
若い男の子ばかりであった。その印象もまた、暗い、不健康、というレッテルが張られていた。
1977年に中村製作所(ナムコ)に入社した岩谷徹は、そんなアーケードゲームに女の子を惹き付けようと考えた。

当時のゲームはエイリアンをミサイルで打って殺す、というような殺伐としたシューティングゲームが多かった。
男の子が好むゲームである。

 それを見て、岩谷はその逆を行くことを考えた。男の子と違う、女の子の好みを表したキーワードとはなんだろうか。
岩谷が出した結論は「食べる」というキーワードであった。女の子が大好きなことといえば食べることだと考えた岩谷は、
カラフルで可愛くて、クッキーを食べ続けるというユニークなキャラクターを提案した。これがあの「パックマン」である。