直進安定性が決して高くはない。
結構修正舵が求められるとともに、足回りは硬い割には安定せずフラットライドな印象はない。
段差などでもハーシュネスは確実に体に伝わってくるので、リラックスして運転を楽しめないのだ。
思っている速度よりも2割ほど低い速度で走っていることでもそれは証明されていると思う。
ESというクルマそのものを見たときには、果たして700万円もする(もっとも安い300hでも580万円)
価値があるのかと問われると、疑問を挟まざるを得ない。
たしかに、カムリと比べるとはるかに上質で静粛性も高い。走行フィールもなめらかで、すべてにおいて洗練されている。
では、カムリはダメかというと決してそんなことはない。
現在テスト中のカムリWSは360万円なので、およそ200万~340万円を上乗せする価値がESにあるのか、
また、この価格帯であればメルセデス「C200」や「C220d」あたりは十分射程範囲だ。
そこであえてESを選ぶという魅力は、前述した静粛性や室内の広さ、
スイッチ類の操作“感”(操作“性”ではない)などであり、ドライバーズカーとしての魅力は大きくはない。