>>875

 この前の休日だ。砂浜で竿おっ立てて、浜ズリを堪能した後の帰り道のこと。
峠道に差し掛かったところで、S2000にブチ抜かれた。今じゃめっきり大人しくなったが、昔は車でも鳴らしたほうだ。
ナマイキな運転をする車に舌打ち一つしてフルアクセル。俺のレガシィB4はS2000のケツに張り付いた。

 結構いいとこまで行ったが、最後の最後で僅かに引き離されちまった。
峠の終わりにあるパーキングまで入って、そいつとその取り巻きらしい連中と立ち話になった。
話によると、そいつは「ゴッドハンド」の異名を持つ男でその筋ではかなり有名らしい。
んで、いい勝負をしたお礼にドラテクを見せてくれるという。
面白そうだったのでその話を受け、外される事なくちゃんと付いていた助手席に乗り込んだ。

 発車後に気になったのが、そいつは右手のみで運転していたことだ。ステアリングとシフトチェンジは右手。
器用なやつだなぁと思いながら、なんとなく左手の行く先をみて度肝を抜かれた。
左手がいきり立った竿を握り締め激しく刺激を与えていたのだ。
曰く、右手でステアリングとシフトチェンジをすることにより、左手を竿から離すことなく運転が出来るのだそうだ。

 きわどいコーナーを右手のみで切り抜け、左手で性感を高める。まさにゴッドハンドだ。
幾度かの絶頂を経て、車を止めてそいつは言った。「コレが俺のドライヴィングだぜ」。俺は素直にそいつを認めることにした。
また「帰りはシテやろうか?」とも言った。俺はまたその話を受けた。

 左手で俺の竿と握りこんだそいつは車を発進させた。コーナーが迫るたびにケツがすぼまり、竿に快感が走る。
コイツはすげぇ。何度も絶頂を繰り返し、俺たちはパーキングに戻ってきた。取り巻き連中が騒いでいる。
俺は世界の広さを感じながらそいつと握手をした。

 後日、取り巻き連中の一人「しげの禿一」という男が、俺たちの峠での勝負をマンガにしたいと言って来た。
豆頁文字Dとかいうマンガに載せたいらしい。試しにと言って差し出してきた禿一の本に目を通した。
峠バトルがどうとかいう内容だったが、あまりのバカらしさに禿一をぶん殴った。