2022年までにEVの生産コストはエンジン車を下回るというフォルクスワーゲンの主張

https://carview.yahoo.co.jp/news/market/20190701-10424185-carview/

欧州におけるEVブームをリードしているのはフォルクスワーゲン(VW)。2050年までにVWグループ全体をCO2ニュートラルにすると発表しています。
VWでは2022年までに欧州と中国、北米においてEVの生産を予定していますし、2025年には70車種ものEVを発売することを宣言しています。

大量の二次電池を必要とするEVは生産時に排出するCO2が多いだけでなく、コスト面でもエンジン車とは比べ物にならないほど高いというのが、これまでの定説でした。
仮にエンジン車とEVの製造コストが逆転するとしてもまだまだ先の話であり、しばらくはハイブリッドを含むエンジン車が主役であろうということは複数のメーカーが主張していますし、多くの有識者も同様の意見を持っているようです。

しかし、VWの主張は異なります。2020年代の前半にはEVの生産コストがエンジン車を下回るであろうと予測しているのです。
その理由のひとつはEV自体のコスト減です。バッテリーなどの代替材料の開発、生産規模の拡大に伴うスケールメリットなどで、加速度的にコストダウンするといいます。
それでも現代のエンジン車よりコストを抑えることは難しいようですが、一方でエンジン車のコストも上がると考えられるのです。

その主張を理解するためのキーワードは「EURO 7」といういっそう厳しくなる排ガス&燃費規制。2021年に『EURO 7』が実施されると、その対応にエンジン車のコストが上昇すると考えられています。
平均燃費で95g/kmという、この新基準においては内燃機関だけでの対応は不可能に近く、ハイブリッドシステムの搭載は不可避とも言われています。
しかしながらハイブリッドカーというのはエンジンとモーターとバッテリーを搭載しています。
もしバッテリーのコストがどんどん下がっていくとすると、エンジンの分だけハイブリッドカーは製造コストの面で不利になってきます。

ハイブリッドカーを含むエンジン車のコストがEVのそれを上回ってしまう、だからこそEVに注力すべきというのが、VWの考えるシナリオです。
コストが逆転するのは2021年に始まり、2025年には明確な差が開いているであろうと、同社は予想しているのです。