―熱効率の今後のターゲットは。
「実験室レベルでは現在でも約45%は出ており、25年頃には実験室で50%にしたい。
だが、これまで約100年かかって40%超まできたので、ここからの10%向上は難しい。
実用化にはもっと研究を積み重ね、生産性や搭載性、排ガスの処理などを乗り越えないといけない」

―研究すべき対象が多岐にわたります。
「燃料を改良・改質する共同研究も一部の石油会社と進めている。成分レベルまで研究し、例えば
ノッキング(異常燃焼)を支配している成分を見極める。
ノッキングを抑える成分はあるほうが良いが、誘発する成分は抑制するという観点。燃料を変えるため、
ハードルが多くコストもかかる。まず基礎研究からはじめて、実用技術に持ち込むことも考えていく」

トヨタのすごみは、エコカーの時代を築いたHVとの組み合わせを想定しながらエンジン単体の性能で
トップレベルに到達していることだ。
世界各地で強化される環境規制は複雑で「連立方程式を解くよう」(岸常務役員)という。
エンジンの競争力強化は規制クリアのためのシステム構成上、大きなメリットとなる。
https://newswitch.jp/p/12690 日刊工業新聞