「壹逝つてよし(昭和八年五月八日 朝日新聞)」

容疑者壹、「貳ちやんぬる(東亰都)」なるヰンタネツト掲示板(假想會合場)に古今未曾有のくそスレツド(話し場)建てり。
壹は定職にもつかず毎日(まひにち)/\上掲示板にくだらぬ書き込みをつゞけ、周圍の人間の嘲笑(ちよふしよふ)を買ふもあきたらず、 つひに自分で建てり。
しかし壹では役不足、結局(けつきよく)嘲笑の書き込みすらされず「ダツト逝き」さるるが、その直前に情けなくも自分で自分を勵ませり。
またこの時わざと人の目にさらさるるやうに「あげ」と呼ばる邪法を用ゐる。

壹には不敬罪、治安維持法違反の容疑(やうぎ)も掛けられ宮内府、特高警察からの追及もさるる見込み。
壹の母親は「息子の不始末を悲しく思ふも壹は潔く死ぬべし」と話せり。

社説:
今囘(こんかひ)の壹のやうなばかやらふを人は「ドリチン」と云つてばかにせり。
このやうなことに陷ればもはや生きていく價値はなし。もはや滿州人・朝鮮人との比較にもならず。
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