緊急事態宣言の再発令に揺れるアイドル界では、夢の実現のために奮闘を続けている。

 瀬戸内7県を拠点に活動するアイドルグループ「STU48」は8日、東京・日本武道館で15日に行う「新春STU48コンサート2021〜瀬戸内からGO TO 武道館〜」の開演時間繰り上げを発表した。

 7日に首都圏1都3県を対象とした緊急事態宣言が発令されたが、政府の指針である「人数制限5000人及び収容率50%以内」のイベント開催要件を満たしていることから開催を決定。イベントの開催時間を午後8時までとする時短要請に従い、開演時間を午後7時から午後6時に1時間繰り上げた。

 また、来場者にはマスク着用、会場内での飲食禁止、新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」のインストールなど、感染防止対策の徹底が呼びかけられた。

 グループにとって初となる日本武道館単独公演に、メンバーは「夢の舞台」と語ってきた。

 ファンは中止や延期を心配していたが、開催できることに安堵の声も。コロナ禍でどこまで活動できるのか模索しているアイドル界にとっても注目の公演となる。

「多くのアイドルグループは公演やイベントなどができず資金繰りが苦しくなり、解散を余儀なくされるケースも出ている。公的な支援があるわけではなく、STU?が政府の要件を満たして開催を決断したことを注視している。今後のアイドル界のために、成功することを願っている」(アイドル誌編集者)

 開催することにネット上では賛否両論が出ているが、何かあった際は批判を受けるのはメンバーだと、ファンも重々理解している。

「業界でSTUファンのマナーの良さは知られている。すでに開催に向けて、ファン同士で感染防止を呼びかける動きもある」(同)

 スポーツ界も無観客か有観客かの選択に苦心しているが、STUの公演はアイドル界のモデルケースになりそうだ。