『そして、ちょっと笑みをうかべて、
「…さようなら。」
と言った。するとボスも、ちょっと笑みをうかべてやさしく見下ろし、
「サヨウナラ…。この日本語を、わたしは知っているのだよ。」
と言った。
それからわたしは思い切って、前を向いたまま すうっとうしろの窓へ頭からななめにとび上がり、抜け出て空高く、上がった。
[幽体離脱による外出時には、いつも付き添って下さる]イエスさまが待ちうけておられ、抱き止めて下さった。
「ごくろうだったな。」
「……。」
わたしは疲れ切っており、又、ほっとしていた。わたしたちは、空をとんで帰った。