『ボスはつと立ち上がると、すわっているわたしの前に回り、ややかがむようにして、わたしを見た。
「小柄だ…やはり、日本人だな。……顔はちがうが、雰囲気は同じだ。…やはり、ロリエルだな。」
と、言った。
そうして、苦しそうな表情を浮かべ、そのままうしろへ下がると、そこにあったもう1つのひじかけいすに、どしんと腰を下ろした。
わたしと向かい合うかっこうになり、それから突如、黒いピストルを[懐から]取り出すと、銃口をわたしに向けた。歪んだ笑いをうかべている。