“あおり運転僧侶”と間違われた住職を直撃。ネット上の罵詈雑言は残り続ける…
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190904-01601623-sspa-soci

 しかしここで、ほとんど表に出ていない「二次被害」が起きていた。
送検された男が住職をつとめる寺と同じ松原市内の、わずか約1.5kmの場所に、なんと同じ名前の寺があったのだ。
そしてこの無関係な寺が謂れのない誹謗中傷を受けていた。

 筆者が被害にあったこの寺に直接電話をし、「近隣のお寺のことで」という旨を伝えただけで「あぁ」と合点がいったような返答があった。
住職によると、現在は(取材日9月1日)イタズラ電話もかなり落ち着いてきたというが、報道された当初は無言電話などが相次いだという。

 謂れのない被害を受けることにどう感じるか尋ねると「縁なので仕方のないこと。
何か聞かれればうちは無関係ですよと答えるだけです。ご心配いただきありがとうございます」と返ってきた。
仏教は「縁」を大切にしているが、「悪縁」ともいえるこの関係さえも穏やかに受け止める住職には感服する。

 住職によれば、無言電話や「あの事件はお宅か?」という問い合わせはあったものの、暴言を吐かれることはなかったという。
その言葉には若干安心したが、ネットを見てみると、それが思い過ごしであることに気づかされた。

 ある大手口コミサイトでは、この寺の欄に「暴言暴力坊主」、「バカにつける薬はない」、
「ヤクザやチンピラと変わらない」などと、まったくの勘違いによる誹謗中傷の言葉が並んでいたのだ。

 こうした汚い言葉の流れ弾を、住職が目にしたらと思うと心が痛くなる。そればかりではない。
現代の人々は、お寺が必要になったときにはインターネットで探すことが多いだろう。
その際、誤って放たれた罵詈雑言が、無関係なこの寺を邪魔することになることを考えると、気の毒でならない。