恋「かのんさん、領収書は貰いましたか?」
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かのん「恋ちゃん、この前お願いされて生徒会用に買った筆記用具のお金、私が立て替えたんだよね」
かのん「貰って良い?」
恋「はい。いくらでしたか?」
かのん「990円」
恋「かのんさん、領収書は貰いましたか?」
かのん「え?」
恋「レシートでも良いですよ」
かのん「捨てちゃった」アハハ
恋「はい!?」 恋「それではお金は出せませんよ。ちゃんと領収書かレシートを残さないと生徒会の予算は出せません」
かのん「ええー!でも私お金はらっちゃったし……」
恋「ですが……決まりなので」
かのん「そっか。そうだよね。私が馬鹿だったよ。ごめん」
かのん「私が自腹で出せば済む話だもんね。ごめんね」
恋「……」 恋「今回だけですよ。990円でしたね」
かのん「え、いいの?」
恋「事前に言わなかったわたくしも悪いですし、次回からはくれぐれも領収書を貰うようにお願いしますね」
ゴソゴソ
恋「はい、どうぞ」
かのん「ありがとう恋ちゃん!」 後日
かのん「あ、恋ちゃーん」
恋「おはようございます。かのんさん」
かのん「昨日さ、卓球部の子が卓球台が壊れて困ってるって言ってたの」
かのん「卓球台買うお金を私が立て替えたから、ちょうだい!」
かのん「24,800円ね!」
恋「」 恋「それはナナミさんは知ってますか?」
かのん「ううん!昨日、みんなと別れた後の話だから!」
恋「か、かのんさん。1万円以上の備品購入は生徒会長のわたくしと会計のナナミさんが事前に承認しないとダメなんですよ」
恋「生徒会規約に書いてあるはずですが……」
かのん「あれー、そうだっけ?」
かのん「でも卓球部の子たち、大会も近くて困ってたし。すぐにでも用意してあげたかったんだよね」 恋「確かに部活動のサポートをするのは生徒会の大事な役目ですが、規則は規則ですから、守って頂かないと」
かのん「そっか……ごめんね」シュン
恋「ま、まあ卓球部の卓球台は絶対に必要な備品ですし……」
恋「今回は特別に事後承認で予算を出しましょう」
かのん「ありがとう恋ちゃん!」パァ
恋「では領収書をください」
かのん「貰ってないよ」
恋「」 恋「かのんさん!」クワッ
恋「言いましたよね!?領収書は絶対に貰ってくださいと!」
かのん「でも、急いでたし……」
恋「なら今から卓球台の方たちにどこのお店で買ったのか聞いて、領収書を貰ってきてください」
かのん「ええー!」
かのん「そんな、後から領収書くださいなんて、お店に迷惑かけちゃうよ」
恋「迷惑をおかけするとしても必要なのです」
かのん「卓球台をすぐに用意してくれて、値引きまでしてくれたお店なのに……卓球部の子たちの顔を泥を塗ることになっちゃうね」
恋「ですが……」
かのん「今回は私が自腹で出すよ。それでいいでしょ?」 こういうのアニメなりでやって欲しかったな
恋ちゃんの具体的な有能エピソードと天才ならではの事務ガバガバかのんとのやり取り 恋「自腹って……そんなこと出来ませんよ!」
かのん「いいんだよ。私が恋ちゃんに言われたことを守らなかったのが悪いんだから」
かのん「恋ちゃんは気にしないで?」ニコッ
恋「……わ、わかりました」
恋「24,800円でしたね。どうぞ……」
ゴソゴソ
かのん「恋ちゃん!ありがとう!大好きっ!」ギュッ
恋「こ、今回だけですよ!?もう次はありませんからね?」 一回ミスるのはともかく反省も申し訳なさそうにもせんとかありえんだろ
>>1がかのんアンチならそれは別にそれでええけど一生筆持つな 後日
きな子「お疲れ様っす~」
恋「お疲れ様です」
きな子「かのん先輩は、千砂都先輩と今度の新曲のパート分けの相談するから生徒会は休むそうっす」
恋「そうですか」ホッ
恋(あれ、今わたくし)
恋(かのんさんが来ないことにホッとしてしまいました!?) 同時刻
千砂都「それで、落ちサビの所はかのんちゃんソロでこのステップを入れようと思うんだけど」
かのん「難しそうだな~」
千砂都「かのんちゃんなら出来るって」
可可「千砂都~~!」トテトテ
かのん「可可ちゃん!」
可可「あ、かのんもいたのデスね」
千砂都「パート分けの相談してたの。衣装作りは順調?」
可可「そのことで千砂都に相談がありマシテ」 可可「新しい衣装のデザインを見るデス」
かのん「おお、可愛いー!」
可可「ありがとうデス! それで、スカートの部分に新しい高機能繊維素材を使いたいのデス」
可可「これがその高機能繊維の資料デス。千砂都はどう思いマスか?」
千砂都「へー、いいね! 軽くて丈夫だし、みんなダンスもしやすくなりそう!私としては大歓迎だよ」
可可「良かったデス!千砂都がそう言ってくれるなら間違いないデス!」
可可「あとは予算が出るかどうかデスね。レンレンに相談しに行きマス」
かのん「それなら私が聞こうか?」 可可「かのん良いのデスか?」
かのん「ふふ、これでも私は副会長だよ?」
かのん「恋ちゃんも忙しいし、私に出来ることはなるべくしたいんだ」
可可「では、この素材の値段についてなのデスが」
可可「アメリカで開発された最新の物なので、メンバー全員揃えるとお金が5,000くらいかかるのデス」
かのん「5,000円なら大丈夫だと思うよ」
可可「いえ、5,000ドルです」
かのん「ドル!?」
千砂都「それは高級だねー」 かのん「5,000ドルの予算はさすがに私じゃ判断出来ないかな……」
可可「そうデスよね。やはりレンレンに聞いてみます」
かのん「あ……」
かのん(恋ちゃん、こんな値段言われたらきっと悩むよね)
かのん(最近、私が迷惑かけたばっかりだし、悩みを増やしたくないな)
かのん(それに、断って可可ちゃんの悲しむ顔も見たくない)
かのん「待って可可ちゃん!」
かのん「私がなんとかしてみるよ!」 可可「かのん!」
千砂都「かのんちゃん、無理はしないでね」
かのん「うん。まずは生徒会規約……ちゃんと読まないと」
かのん「えっと……10万円以上の備品を購入する場合は生徒会長の承認を貰って稟議書を理事長に提出、理事長の許可を得なきゃいけない、か」
かのん「私は副会長だから生徒会長の代理で承認しちゃっていいよね?あとは理事長かあ」
かのん「私達はこの学校で1番活躍してるし、理事長に説明すればきっと許可してもらえるはず!」 流石契約書も読まずにサインしただけあってガバガバ
すみれ、早く来てくれー! かのん(よし、この前のミスを取り返して、恋ちゃんを喜ばせるんだ!)
かのん(恋ちゃん、びっくりするかな。たくさん褒めてくれるかな)
かのん「私、理事長のところに行ってくるね!」
千砂都「あ、理事長なら出張で来週まで不在だよ」
かのん「えっー!?」
可可「この素材は大人気なので今日中に注文しないと売り切れてしまいマス」
可可「残念ですが、今回は諦めマショウ……」
かのん「待って、なんとかするから!」 かのん「可可ちゃん、注文しちゃって良いよ!」
可可「だ、大丈夫なのデスか!?」
かのん「うん。領収書は絶対に貰ってね!」
かのん(よし、今回は領収書のこと忘れなかった)
かのん(理事長は衣装の新素材のことなんて詳しくないだろうし)
かのん(来週許可もらって、それから注文したってことにしておけば大丈夫だよね!) 千砂都さん!あなたがいてどうしてこんなことになってるんですか! 可可「5, 000ドルの注文デスよ!?本当に大丈夫なのデスか!?」
千砂都「かのんちゃん、一回冷静になって考えようよ」
かのん「大丈夫だよ!可可ちゃん、注文して!」
可可「いえ……やはりやめときマス」
千砂都「そうだね。かのんちゃんを信じないわけじゃないけど、金額が大きすぎるし」
かのん「えっ」
可可「安い代替の素材を考えマショウ。千砂都、一緒に見てくれマスか?」
千砂都「うん。喜んで。かのんちゃん、生徒会と作詞で忙しいところごめんね。また何かあったら相談するから」
スタスタ
かのん(ふたりとも行っちゃった……) かのん(私って、頼りないのかな……)
かのん(可可ちゃんもちぃちゃんも私に気を遣ってるのがわかって……なんか悲しいよ)
かのん(みんなの役に立ちたい。生徒会副会長として、Liella!のメンバーとして)
ガサッ
かのん(あ、可可ちゃんの新衣装の資料だ。忘れて置いて行っちゃったのかな)
かのん(通販サイトのアドレスが書いてある。ここから注文できるんだね)
かのん「……」
かのん(よし!) クズじゃなかった安心感とクソバカだった絶望感が同居している クゥちぃがまともすぎて違和感あったけどよく考えたらかのんがおかしいだけだった 黒歴史を刺されてる様で死にたくなってくる
すいません先輩 職場でタクシー代2万、領収書貰ってなくて自腹のヤツいたわ。
時間なくて慌ててタクシー乗ったせいで可哀想だった、ちょっと遅れてでも電車でくれば良かったのに。
かのん「……通販サイト、スマホでもアクセスできた」ポチポチ
かのん「あ、日本に代理店があって支払いは円で良いんだね。5,000ドルは、今日のレートだと703,275円」
かのん「70万なんて大金見たこと無いよ……」ビクビク
かのん「でも学校の予算で出るし、とりあえず売り切れる前に注文しよう!」ポチッ
かのん「そうだ、領収書を忘れずに貰わないとね。さすがにもう忘れないよ!」
かのん「えっと、領収書は……商品と一緒に送られてくるんだね」
かのん「えっ!明日までに入金しないと商品は発送されなくて、注文が取り消されちゃうの!?」 かのん(どうしよう、とりあえず商品を確保して、理事長が返ってくる来週に許可を取ろうと思ってたのに)
かのん(すぐに売り切れるって可可ちゃん言ってたし、せっかく注文したのに……)
かのん(前みたいに私のお金で立て替えようにも、70万なんて用意できるわけ無い)
かのん「あーあ」
すみれ「何があーあなのよ」
かのん「すみれちゃん!?」 詳しくて注意してくれるけどしぶかのに丸め込まれやすい子来たな かのん「どうしてここに?」
すみれ「今日はかのんと千砂都はパート分けの打ち合わせ、可可は衣装作りで恋は生徒会でしょ」
すみれ「後輩たちの面倒を私一人で見てんのよ。で、今はちょっと休憩させてるから千砂都に相談しに来たのよ」
かのん「あ、ちぃちゃんなら可可ちゃんの新衣装の相談を受けてるけど」
すみれ「可可も千砂都に相談だったの?ったく、先を越されたわ」
かのん「ねえ、私で良かったら聞くよ。すみれちゃんの力になりたい」
すみれ「あの子たち、思ってたより覚えが早かったから練習メニュー追加して良いか確認したかったのよ」
かのん「良いと思うよ!きっとちぃちゃんも喜ぶよ!」
すみれ「まあ、あんたがそう言うなら参考にするわ。で、さっきはなんで溜息ついてたの?」
かのん「え、別に私は平気だよ」アセアセ
すみれ「良いから、話してみなさいったらみなさい」
すみれ「千砂都の代わりにはならないけど、今深刻な顔をしてることくらいはわかるわ」
かのん「すみれちゃん……」ジーン
かのん「実は……」
すみれ「はぁ!?」 かのん「えへへ、ダメだね私って。70万も用意できなくて」
すみれ「いや何そんなの注文しちゃってるのよ!?」
すみれ「私達スクールアイドルよ!?高校生の衣装、しかもスカートだけで70万っておかしいったらおかしいでしょうが!」
かのん「でも……可可ちゃんも欲しがってたし」
すみれ「あの子はああ見えて上海のお金持ちのお嬢様だし金銭感覚が庶民とはちょっと違うの!」
すみれ「それに、諦めて別の素材にするって言ってたんでしょ?」
かのん「でも……」
すみれ「だいたい、理事長が許可すると思う?タダでさえお金のない新設校なのに」 かのん「うーん。言われてみれば、確かにそんな気がしてきた」ムムム
すみれ「ったく。思い立ったら突っ走るんだから」
かのん「で、でももう注文しちゃったよ!?」アワワ
すみれ「明日までに入金しなければ自動的にキャンセルになるんでしょ? じゃあ放っときなさいよ」
かのん「そ、そうだね」
かのん「ありがとうすみれちゃん!」
すみれ「何かあったらちゃんと言うのよ。私でも他のメンバーでも良いから」
かのん「それ、すみれちゃんが言う?」クスクス
すみれ「う、うるさいわねっ//」 すみれ「そんなことより歌詞は出来たの?」
かのん「あっ、そうだった! 家に帰って歌詞考えるね!」
かのん「また明日!」
すみれ「ええ」
タタッ
かのん(すみれちゃんに話して良かった!)
かのん(大変なことをするところだったよ!) カランカラン
かのん「ただいまー」
澁谷母「おかえりなさい」カタカタカタ
カチッカチ
かのん「お母さん、深刻な顔でパソコンいじってどうしたの?」
澁谷母「銀行のサイトから業者さんにお金を振り込んでるのよ」
澁谷母「今月はたくさんコーヒー豆や茶葉を買ったから大変だわ、まったく」
かのん「ふーん……」
澁谷母「金額を間違えないように、ちゃんと見ながらやらないといけないのよ」カタカタ かのん「ねえお母さん、ウチが使ってる銀行ってネットでいくらまで振り込めるの?」
澁谷母「えーといくらだったかしら。たぶん法人口座だから上限は無かったと思うけど」
かのん「そうなんだ……」
澁谷母「いきなりどうしたの?」
かのん「お母さん。ちょっと、振込のやり方を一緒に見てて良い?」
かのん「覚えておけば、お母さんが忙しい時とか手伝えるかもしれないし」 澁谷母「ここからログインして、パスワードは……」
かのん「ふむふむ」
澁谷母「それで、相手の口座番号を確認して金額を入力……」
かのん「ふむふむ」
澁谷母「こんな感じね」
かのん「意外と簡単だね」
澁谷母「操作は簡単でもお金を扱うんだから責任重大なのよ」
澁谷母「まあ、一応教えたけど。かのんにやらせることはないから安心して」
かのん「うん。ありがとう!」
澁谷母「さて、お客さんが居ないうちにちょっと買い出しに行ってくるわね。店番お願いして良い?」
かのん「任せて。いってらっしゃい!」 これまで仲間思いの独断で上手く行ってたのが裏目に出る展開 こんなに読んでてイライラするSSなかなかないよ
でも結末が気になる 俺は学生時代失敗を繰り返しまくった結果社会人になったら自分から動かなくなったな かのん「……」
かのん(明日までに入金って言っても、銀行は3時までだし学校があるから、振り込むなら今日しか無いんだよね)
かのん(この機会を逃せば、新素材の衣装は使えない……!)
かのん「……」カタカタ カチッカチッ
かのん(パスワードを入力して……)
かのん(相手の口座番号と金額も間違いない。あとはここをクリックすれば入金される!)
かのん(お母さんは毎日残高をチェックしてるわけじゃないから、来週、予算を出してもらってお金を口座に戻せば気づかれないはず)
かのん(……でも、すみれちゃんが言ってたみたいに理事長が許可してくれなかったら?) かのん(お店のお金を勝手に使って、怒られるだけじゃ済まないよね……)
かのん(ううん、やっぱりやめとこう)
かのん(こんな危ないことは、おしまいにしよう)
かのん「!」ハッ
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可可『好きな事を頑張る事に、おしまいなんてあるんデスか!?』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
かのん(そうだ、可可ちゃんが言ってた。あの言葉に私は救われたんだ)
かのん(好きなことを頑張る可可ちゃんの為にも……!)
かのん(そうだ、可可ちゃんの作った新衣装ならきっと理事長も納得するはず!)
かのん(仲間を信じないでどうするの!私!みんなの喜ぶ顔が見たくないの!?)
かのん(やっぱり私、みんなが好きだ!!)
カチッ!
かのん(振込完了!) リアルでこういうことするやつって、思いやりとかより自分が目的を達成して気持ち良くなりたいっていう目先のことしか考えてないんだよな
本当に思いやりがあるなら相談する あの名台詞をこんな形で使われるとは…
オチが気になりすぎる こんな奴を副会長にしたちぃの責任だろ!
かのんは悪くない! 振り込み完了から読めていない
俺にはこれを読めないしかのんちゃんを笑う資格もない 毎日残高をチェックしているわけではないと言う自分に都合の良い思い込みを基にした来週までバレないという甘い算段 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています