恋「モテ期とピンチが同時に来ました」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
みなさんは、モテ期という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
人生に何回かやってくるモテモテになる時期らしいけど、わたくし葉月恋は今までそんなもの信じていませんでした。
そう、モテ期とピンチが同時に来たあの日までは……
その日の朝、わたくしは久しぶりに寝坊してしまいました。
ですが朝食を食べる時間を省けばギリギリ遅刻はしない時間だったので、わたくしは朝食を食べずに家を出ました。
わたくしは、毎朝朝食後にトイレに行くのが日課だったのですが。その時間もなかったので、少しだけ便意がこみ上げてきました。
千砂都「れーんちゃんっ!」
通学路を歩いてると友人の千砂都さんに声をかけられました。
恋「千砂都さん。おはようございます」
千砂都「ういっすー! ねーねー恋ちゃん」
恋「何ですか?」
千砂都「恋ちゃんって好きな人いる?」
千砂都さんがこんなことを聞いてくるなんて意外でした。
恋「えっと・・・いきなりどうしたのですか?」
とりあえず会話を続けました。
便意はありましたが、この時のわたくしは学校に着いたらトイレに行けば良いでしょう程度にしか考えていませんでした。
今思うと、これが忘れられない一日の始まりだったのです。
千砂都「えへへ、なんとなくだよ~。それで、どうなの?」
恋「好きな人ですか? 今は別にいませんが……」
千砂都「そっかあ」
恋「あなたはどうなの?」
千砂都「え!?//」
恋「え? わたくしに聞いてきたってことは、そういう話をしたかったのでは?」
千砂都「べ、別に違うよ。ごめんね、気にしないで! えへへ///」
何か様子がおかしいと思いましたが、千砂都さんはもともとちょっと不思議な子です。
わたくしは特に気にしませんでした。
トイレに行きたかったからか、自然と早歩きで歩いていました。
さて、学校に到着したもののトイレに行く時間はありませんでした。
千砂都さんと別れて自分の教室へ。
席についた直後に1時限目の先生がやってきました。
1時限目の間は、たまにこみ上げて来る便意のおかげでなかなか集中することができませんでした。
でも何とか乗り切り、授業終了のチャイムが鳴りました。
「きりーつ。れい。ありがとうございましたー」
挨拶を終え、わたくしはさっさとトイレに行こうと席を立ちましたが。
すみれ「恋!」
教室に入ってきたすみれさんに話しかけられました。
恋「おはようございます。音楽科に何か用ですか?」
すみれ「おはよう。今朝は来るの遅かったわよね。どうしたの?」
恋「すこし寝坊してしまいまして」
すみれ「ふふ、恋が寝坊なんて珍しい。新しいゲームにでもハマった?」
恋「はい……恥ずかしながらやりこみすぎてしまいました」
すみれ「恋のそういう所、結構可愛いと思うわ」
恋「そんな、可愛いなんて……それにしてもすみれさん、何故わたくしが今朝遅かったことを知っているのですか?」
すみれ「恋と話したくて音楽科の教室の前で待ってたんだけど、なかなか来なかったから自分の教室に戻ったのよ」
恋「それは申し訳ないことをしてしまいましたね。それで話とは」
キーンコーンカーンコーン。
恋「!」
すみれ「あ、もうこんな時間。じゃあ教室に戻るわね///」
恋「え、ええ」
すみれさんと話しているうちにトイレに行きそびれてしまいました。
だって、すみれさんが話してる時すごく楽しそうだったから途中でトイレに行きづらかったのです。
先生「水と酸素を化合させると・・・」
2時限目の授業の内容はあまり頭に入りませんでした。
便意がこみ上げる頻度が上がってきたので、ノートを取るのがやっとです。
それでもなんとか授業終了時間になりました。
恋「すみれさんがまた来てくれるかもしれませんが、さすがに行かなくては……」
授業が終わると同時に立ち上がり、廊下に出ました。
そしてトイレに到着……だけど満室でした。
普段なら待つところですが、いつ開くともわからない扉を待っていられる心境ではなかったので、1階下のトイレに向かいました。1年の教室がある階です。
きな子「あ! 恋先輩! おはようございますっす!」
トイレの手前で、後輩であるきな子さんと出会いました。
恋「おはようございます」
きな子「これから音楽の授業だから音楽科の校舎に来たんすよ~」
恋「そうだったのですね」
きな子「恋先輩に会えて嬉しいっす!」
恋「ありがとうございます。ではわたくしはトイ」
きな子「音楽科の校舎って綺麗っすよねー! きな子は古い校舎のほうが落ち着くっす! あ、でもでも授業でこうやってこっちの校舎に来れるのも楽しいっす!」
恋「そうですね。なるべく普通科と音楽科の垣根がなくなっていけば良いと思っています」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています