善子「ん」

ルビィ「えっ?」

善子「調べてきたわよ」

ルビィ「何の話?」

善子「あんたさんざんあれなんでこれなんでって言ってたでしょ。全部理由を調べてきたの」

ルビィ「あー……」

善子「まずシャーペンの芯が最後まで使うことが出来ない理由についてね。これはそもそも現在主流になっているシャープペンシルの構造自体に原因があるわ」

善子「シャーペンを分解するとわかると思うけど、そもそもシャーペンは芯を二本のバーが挟んで支えることで芯が真っ直ぐに固定されて、文字が書ける仕組みになっているの。だから、文字を書くためには『バーが芯を支える部分』以上の長さを持つシャーペンの芯が必要になるってわけ」

善子「で、このシャーペンの芯のうち『バーが芯を支える部分』に対応する芯の長さが絶対に書くために必要になる以上、どんなに頑張っても芯のうち使うことが出来ない部分が発生してしまうの。だから絶対にシャーペンの芯は最後まで使い切ることが出来ないのよ」

善子「ちなみにこの問題を解決するためには、『バーが芯を支える部分』の長さを出来るだけ0に近づける方法か、もしくはそもそもの芯を書くためにペンに対し固定化する方法を根本から変えるって選択肢が考えられると思うけど」

善子「どちらの方法を取るにしても、『開発コストが無駄になるシャー芯のコストに比べて高い』って問題が根底にあるらしく、だから環境負荷を低減するようなシャー芯はあまり世の中に浸透をしていないみたいらしいわよ」

善子「ま、時代のトレンドが変わればルビィが言うような方向での発展もあり得るのかもね」

ルビィ「へー……」