璃奈「できた。時間が止まるスイッチ」侑「ひゃっほーーーい!」ポチーッ
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
璃奈「……」
侑「ほんとに時間が止まってるみたい!よーし!さっそく步夢のところに~」クルッ
步夢「……」
侑「なーんだ、こんなところにいたんだね步夢~」
侑「さっそくおっぱいを~」モミッ
侑「あれ?なにか胸ポケットに……」カサカサッ
侑「えっ……」
侑「これ…遺書だ」
みたいなね 遺書を持って真後ろに立ってるって何するつもりだったんだ >>14
なんて酷い!璃奈ちゃんの気持ちを考えなよ侑ちゃん!!
全く、酷い酷い(保存) 侑「なにこれ……なんで……?」ガサガサ
ごめんなさい。でも、もうそれしか書くことができません。
明日が来るのが怖いと思ってしまったんです。もっと自分がしっかりしていたら。
私がもっと「普通の子」だったら。「普通の子」だったら。明日が来るのが怖いなんて、思わなかったんです。
お母さん、ごめんなさい。お父さん、ごめんなさい。今まで育ててくれて、ありがとうございました。
私と仲良くしてくれたみんな、ごめんなさい。
ごめんなさい。本当に、ごめんなさい。
上原歩夢
侑「は……? な、に……これ……?」パサッ
侑「もう一枚……落ちた……?」
侑ちゃんへ
侑「──ッ」バッ 侑(指が震えて、折ってある便箋を開くことができない。歯がガチガチする。寒い。寒気がする)
侑ちゃんへ
最後に、会いたいなって、おもいました。
侑ちゃん、ごめんね。よわくて、ひきょうで、ずるいわたしで。
いつも一緒にいてくれて、こんな私に優しくしてくれて。
いつもいつも、一緒にいれるだけで幸せだったのに。侑ちゃんと一緒にいられれば、だいじょうぶって思ってたのに。
でも、やっぱりだめでした。
侑ちゃんにすら見捨てられてしまうんじゃないかって、思ってしまって。
もう、そうなってしまったら、おしまいでした。
明日が来るのが怖くて。侑ちゃんに嫌われてしまう日が、いつか必ず来るんだって。
本当の私を、侑ちゃんに知られてしまったら。きっと。侑ちゃんも。
侑ちゃん。最後に会えた私は、最後まで貴女の中の私でいましたか?
また、会いたいです。
歩夢
侑「は……?」 璃奈ちゃん、過去に戻れるスイッチを作ってくれるかな…… 侑(全速力でフルマラソンしたって、こうも心臓は狂わない。こうも呼吸が早くならない)
侑(死ぬ? 歩夢が? 自殺? 死ぬ? なんで? なにが? なんで? どういうこと?)
侑「あ、ゆむ……?」
歩夢「……」
侑「歩夢!! 歩夢!!!」ガシッ
侑(そうだ、時間、時間──っ)
侑(……時間を動かして、どうする? 遺書持って問いただす? なんで死ぬの。どうして?)
侑(──そんなの聞いてどうする? 歩夢を救える? 私が泣き叫べば、歩夢は死なない? 嘘だ。一番苦しくてつらいのは、歩夢だ)
侑(……「歩夢が自殺しようとしていることを私が知っている」と歩夢が知ったら。歩夢は、どう思う……?)
侑「……」
侑(……時間は動かす。でも、歩夢を死なせはしない。絶対に死なせなんてしない)
侑(遺書を、元通りに戻す。折りたたんで、歩夢の胸ポケットに戻す)
侑(いつものバカな私はもうどこかに行っていた) こういうのは大体好かれてる側に原因がある不安にさせて思わせぶりなことして他の人にふらふらしてでも優しくしたりしてさ これは名作の予感
ひょっとしたら今年No.1になるぞ… >>39
>>40
おっぱい揉もうとしなければ遺書に気付かなかったんだぞ 侑「……冷静に……まずは、時間を止める前と同じ感じに──」
侑(時間を止める前と同じ状態になろうと、歩夢に背を向けようとして……できなかった)
侑(怖い。時間は絶対に止まっているのに。歩夢から目を離してしまったら、次の瞬間に居なくなってしまっているんじゃないか)
侑(頭の中がぐちゃぐちゃになる。歩夢と死。十六年生きてきて、連想することのなかった人と事象が、最悪の形で結びついて──)
侑「っぐ、ぉ、え」
侑(ぐるぐる世界回っていて、ぐちゃぐちゃの頭が現実を受け止めきれなくて。胃の中のものが押しあがってくる)
侑「うぐ……っ」
侑(その場にうずくまる。でも吐いてる場合じゃない。立って、やることやらなきゃ)
侑「──っふ!!」バチンッ
侑(思い切り頬をひっぱたいて、ぐちゃぐちゃになってる頭をどうにか冷静にしようとする)
侑「……とにかく……まずは、今日は、ずっと一緒に、居よう」
侑「一緒に、居て。絶対に──歩夢を離しちゃいけない。まずは、今日を乗り越えよう」
侑(深呼吸して。私はボタンをもう一度押した) >>39,40
してたんじゃなくてしたんだよな・・ 大丈夫?無理しすぎて逆に歩夢の自己否定を刺激したりしない? >>1はイナ川でお人形遊びしてる暇があるなら何か書いてみろや
あ? これ君が続けないと歩夢ちゃんが自殺する世界が存在しちゃうから早く終わらせてあげて よくこんな面白そうな展開に出来るな
歩夢が時間停止スイッチで時間が二度と動かないことを知ってて、侑ちゃんへ遺書としてお別れ書いてたって1レスのネタssかと思った
スレ閉じなくてよかった続きが気になって仕方ない 遺書ってのは自分が死んだ後に部屋から見つかればいいんだから本当は持ち歩いたり飛び降りる時に靴に添えたりしねえんだよ このスレ全員時間停止モノのエロ展開期待して見に来た連中って思ったらなんか草生える 有能たこやきがいなかったらこれも立て逃げで終わってた事実 璃奈「──でも侑さん、くれぐれも悪用しちゃだめだよ」
歩夢「──侑ちゃん、璃奈ちゃんと一緒にいたんだね」
侑(璃奈ちゃんの注意に重なって聞こえた、幼い頃から聞き続けた、優しい声に振り向かされる)
侑「ッ」バッ
侑(歩夢が目の前で動いている。きっと物凄い速さで振り向いた私に目をぱちりと瞬きさせて)
侑(でもうっすらと笑みが浮かんでいて。どこにも、おかしなところなんて見当たらなくて)
侑(見当たらなくて。ぜんぜん、いままでずっと、苦しんでいたなんて、気づけなくて。明日も明後日も、ずっと続いていけるような気がして)
侑(──今まで、一番長く歩夢の隣で過ごしてきて、私は何をしてきたんだ? 歩夢の何を、見ていたんだ?)
侑「あ、ゆむ……」
歩夢「侑ちゃん? どうしたの?」
侑(不安げな歩夢の顔が、私をのぞき込む。その胸に、痛悔と絶望を宿らせているのに。歩夢は、私を、思いやる)
侑「……大丈夫だよ。ちょっと驚いちゃって」
璃奈「侑さん、顔色が悪い。何か副作用でも出た?」
歩夢「副作用……? 副作用ってなに?」 璃奈「えっと、侑さんに頼まれて作った──」
侑「歩夢!!」
歩夢「へっ!?」
璃奈「!?」
侑(叫んだ。時間停止のボタンの事なんて、言えるわけがない。いつもの私の言動を考えたら、歩夢は間違いなく気づく)
侑(常日頃冗談みたいにセクハラしまくってる私だ。歩夢なら私がバカみたいに胸を揉んで、遺書に気付く──そう思われても仕方ない)
侑「……ちょっとさっきから体調悪くてさ。璃奈ちゃんが作った特製ジュースを飲んだんだけど、ちょっとやっぱり、調子が出なくて」
璃奈「……?」
侑(璃奈ちゃんに目で訴えかけた。話を合わせて)
璃奈「……」コクン
歩夢「え……侑ちゃん、大丈夫なの?」
侑(心配そうな歩夢の顔。やめてよ、そんな顔しないでよ。今歩夢は何を考えているの。どうして他人を思いやれるの)
侑「今日はちょっと部活も休もうと思うんだけど……歩夢、一緒に帰ってくれないかな?」
歩夢「そんなに酷いの……? じゃあ荷物を……」
璃奈「みんなには私から連絡しておく。2人の荷物も後で持って行くから。歩夢さん、侑さんをお願い」
歩夢「ありがとう璃奈ちゃん……ごめんね?」
侑「──っ」
侑(私に宛てた遺書の内容が蘇る。謝罪の言葉たち。ごめんね。侑ちゃん。よわくて、ひきょうで、ずるいわたしで。死のうとした歩夢が、謝っていて)
侑「──ぉ、え”っ」
歩夢「侑ちゃん!?」
璃奈「侑さん!!」 侑(また胃の中のものがこみ上げそうになって、うずくまった私に二人の声が降り注ぐ)
璃奈「歩夢さん、どうしよう」
歩夢「侑ちゃん!? 侑ちゃん!! 侑ちゃん、大丈夫!?」
侑「だ、いじょうぶ……ちょっと気持ち悪くなっただけ……」
歩夢「侑ちゃん、ほら、立てる?」
侑(歩夢が伸ばしてくれた手を取って立ち上がる。璃奈ちゃんの不安げな表情が目に入ってきた)
侑「璃奈ちゃん、大丈夫。ジュースは関係ないから」
侑(ジュースは暗喩。たぶん璃奈ちゃんは気付いてくれるはず)
歩夢「璃奈ちゃんごめんね? みんなにお願い。すぐ帰らなきゃ」
璃奈「うん……。侑さん歩夢さん、気をつけて……」
侑(璃奈ちゃんの不安げな声を背中で受け止めながら、私は歩夢の肩を借りながら歩き出した) こういうの書かれてるの久々な気がするからもっと見せて ──────
────
──夕方 侑の部屋
侑(二人で私の部屋に戻った後、ソファベッドに横になった私の様子を歩夢はずっと見ていてくれた)
歩夢「侑ちゃん、帰ってきたときより顔色もだいぶよくなったかな。体調はどう? 吐き気は?」
侑「ありがと歩夢。今はもうずっとマシだよ。さっきが一番きつかった」
歩夢「そっか……よかった。でも今日は一日安静にしないとだね」
侑「さすがに今日は大人しくしてるよ。歩夢も見張ってくれてるんでしょ?」
歩夢「ということは、私が見張ってないと大人しくしないってこと?」
侑「そうかも」クスクス
侑(冗談めかしながらも、私の頭はこれ以上ないってくらい必死だった。歩夢と一緒にいる方法。怪しまれないように、自然と一緒にいる方法)
歩夢「もー、侑ちゃんってば」クスクス
侑「せっかくだし、今日一日私の見張りをしてくれないかな? お母さんもお父さんも家にいるのに、なんかちょっと、心細くって」
歩夢「え、っと」
侑(一瞬、一瞬だけ、歩夢が戸惑ったのを、私は見逃さなかった)
侑「あ、もしかして何か用事とかあった? だとしたらごめん、迷惑かけちゃったよね」 侑(畳み掛ける。吐いた嘘に罪悪感なんてない。顔で笑っていても頭の中は罪悪感を感じる余裕すらない)
歩夢「う、ううん! 大丈夫だよ! ちょっとびっくりしただけだから。じゃあ、いったんおうちに戻るね」
侑「あー待ってよ、私もついていっていい?」
歩夢「へ……?」
侑(歩夢をまっすぐ見据える。……歩夢の部屋に行けば、なにかわかることがあるかもしれない)
歩夢「ふふ、今日は侑ちゃんちょっと甘えんぼさん?」
侑「あはは! ……かもね。なんだか歩夢と離れたくないって気がするんだ」
歩夢「──……ヘンな侑ちゃん」クスクス
侑(……歩夢の。歩夢の……私にあてた遺書について、思い出す)
侑(歩夢は私と一緒にいることで幸せだって感じてくれていた。一緒にいられれば大丈夫だって思ってくれていた)
侑(でも、『本当の歩夢』を私が知ったら。私が歩夢を見捨ててしまったら。歩夢はそれを恐れて、その日がきっと来ると恐れて、この選択をしたんだ)
歩夢「じゃあ行こっか、侑ちゃん」
侑「うん。行こう、歩夢」
侑(ベッドから降りて、私は歩夢の後を追った。本当の歩夢って? 私が知らない歩夢って? そして、歩夢を嫌いに──見捨ててしまうような、本当の歩夢って……?) ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています