愛「りなりーはさ、もしも世界がまた平和になったら何したい?」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
ゾンビものです。
全員いなくなります。
特に謎が解明とかはしないです。 〜〜港の倉庫〜〜
愛「ただいま。やっぱり食べ物は何も残っていなかったよ」
璃奈「・・・・・・・・。」体育座り俯き
愛「いや〜ここまで逃げてきたは良いけど、もう周辺ゾンビだらけだし」
愛「こりゃ袋のネズミ、万事休す(ちゅうす)ってね、ネズミだけに」チューチュー
璃奈「・・・・・・・・。」
愛「・・・・・・・・。隣、座るね。」ヨッコイショ 愛「指の調子はどう?まだ痛い?」
璃奈「・・・・・・・・・。」
愛「・・・・はい、これ持ってた乾パン。」
璃奈「・・・・・・・・。」
愛「・・・・・。りなりーの分、横に置いておくね。」
愛「あーあ、最後に食べるのが乾パンか〜」
愛「もんじゃ焼き食べたかったなぁ。」
愛「もんじゃもお好み焼きも1年以上食べてないっけ。」
愛「世界がこんなことになったのが高校2年生のとき…」
愛「そう、スクールアイドルフェスティバルが終わってすぐだったから」
愛「だいたい1年ちょっとくらいたってるのか〜。いろいろあったな〜」
璃奈「・・・・・・・・。」 愛「最初は…、正直何が起きているかよくわからなかったよね」
愛「放課後だったかな。急に”超法規的緊急事態宣言”とか言って」
愛「先生たちが校舎から出ないようにって」
愛「残っている在校生を体育館に集めたんだよね」
愛「最初はみんなで非日常感をちょっと楽しんでいたけど」
愛「SNSで流れてきた動画みて、本当にやばいんだって実感したよね」 愛「街中で倒れこんでる人が起き上がって急に襲い掛かってくる動画や」
愛「集団で一人の人間を取り囲んで噛み殺している動画とか」
愛「映画の世界みたいで、作り物だとか、政府の陰謀だとか、色々なコメントがついてたな〜」
愛「・・・・・あの時点で、すぐに気が付くべきだった。」
愛「もう遅かったのかもしれないけど…」
愛「…結局、あの日が、10人全員が揃っていた、スクールアイドル同好会の最後だったんだよね」
愛「……。もう少しで、またみんなに、会えるのかなぁ」
璃奈「・・・・・・・・。」 愛「最初は…、そうだ、かすかすのファンの…えーっと誰だっけ」
愛「名前は忘れちゃったけど、そう、コペ子って呼ばれていた子」
愛「あの子が街中で襲われて学校に逃げてきたんだよね」
愛「・・・・・・・・コペ子ちゃん、怪我していたから、かすかすが肩を貸して保健室まで連れて行くって…。」
愛「・・・・・あーあ、ほんとにかすかすさー、お人よしだから・・・・」
愛「だから…あんなことに…。」 ------回想------
愛「んー、体育館でじっとしてるのも退屈〜」
侑「そうだねー。はやく帰ってピアノの練習したいな」
歩夢「ふふ、そしたら私は自分の部屋からゆうちゃんのピアノを聞こうかな」
侑「えー、まだ練習中だから恥ずかしいよ〜」 かすみ「むー、かすみんだって先輩のピアノ聞きたいですー!」
しずく「かすみさんは帰ったらまずは明日の小テストの勉強しなきゃ」
璃奈「うん。また赤点だったら補修で練習に出られなくなっちゃう」
かすみ「べ、べつに小テストくらいなんとかなるもん!」
彼方「本当かな〜?今なら彼方ちゃんが勉強見てあげてもいいんだよ〜」
かすみ「え、ほんとですか?」
彼方「スヤピzzz」
かすみ「ちょっと彼方先輩!!!」
せつ菜「かすみさん、静かに!」
璃奈「りなちゃんボード【理不尽】」 果林「それにしてもいつまで待ってればいいのかしら」
エマ「うーん…、もうかれこれ1時間はたってるよね」
しずく「帰りの電車、大丈夫かな…。」
侑「あれ、なんか今調べたら電車も止まってるらしいよ」
侑「というか電車だけじゃなくて色々な公共交通機関が止まったり」
侑「一部世帯で停電とかも起きてるんだって」
せつ菜「別に地震とかがあったわけじゃないですよね?」
璃奈「ネットで調べてみると、一部の市民が暴徒化して暴れているらしい」
果林「ぼうとか?」 彼方「遥ちゃん…大丈夫かな…」
愛「おばあちゃんも…。」
侑「大丈夫だよ、せいぜい数十人だろうし警察がなんとかしてくれるよ」
せつ菜「そうですよね。そのための超法規的緊急事態宣言ですもんね」
エマ「政府の許可なく無断で出歩いたら刑罰だっけ…なんだか怖いな…。」
歩夢「うん…怖いけど、とりあえず校内にいれば安全なんだよね…。」
かすみ「むー、仕方ありませんがここは待つしかありませんね…。 扉バターーーン
生徒「?!」
先生「なんだ?!」
ザワザワ
侑「扉のところ、誰かいる!」
??「ハァ・・・ハァ・・・」
かすみ「?あれ、コペ子じゃん、おーい!」スタスタ
コペ子「・・・・、か、かすみん・・・かすみん…だよね?」
かすみ「ちょっとコペ子ー、こんなにかわいいかすみんの顔忘れたのー?」 コペ子「…よかった・・・・・、いつものかすみんだ」スワリコミ
かすみ「ちょ、どうしたのコペ子?ってコペ子!腕から血が!」
先生「…これは傷が深そうね…。近江さん、保健委員だったわよね?ちょっと保健室まで連れて行ってあげて」
彼方「彼方ちゃんに任せて〜」
先生「・・・・。エマさん、あなたも一緒にお願いします」
エマ「わかりました」
かすみ「かすみんも一緒に行きます。はい。ほら、コペ子いくよ」カタヲカス 数十分後
〜〜体育館〜〜
歩夢「大丈夫かなぁコペ子ちゃん…。」
せつ菜「遠くから見た感じ、結構な出血量でしたよね。」
侑「……。やっぱり、コペ子ちゃんが心配だよ。」
侑「ちょっと保健室行って様子見てくるね。」
歩夢「そしたら私も行くよ」
しずく「あ、じゃあ私も」
せつ菜「あんまり大人数で行くと迷惑じゃないでしょうか」
愛「うーん、かといって体育館にいてもすることないし」
璃奈「行くだけ行って、邪魔になりそうだったら戻ろう」 〜〜保健室〜〜
侑「失礼しまーす」
かすみ「あ、せんぱーい、かすみんに会いに来てくれたんですかー?」
歩夢「ううん、コペ子ちゃんが心配で…。」
かすみ「ぐぬぬ、、、そんな否定しなくても!」
果林「それで、調子はどうなの?」
かすみ「あー、それが…その、コペ子ちょっと様子が変で…。」
侑「変?ケガがひどいの?」
かすみ「いやそれがですね…。」 目線の先のベットには、毛布の山ができていた
侑「え、このベットの上に積まれた毛布は…?」
かすみ「実はコペ子が寒い寒いっていうから、保健室の布団や毛布をかき集めたんですけど…。」
コペ子「ウゥ…サムイ…サムイヨ…。」
彼方「もうお布団ないよ〜」
エマ「何か暖かい飲み物でも用意する?」
コペ子「……。ア"」 コペ子「ア"ア"・・・・・。」
かすみ「?コペ子どうしたの?」
コペ子「ウ"ウウウ"ウ"」
エマ「?、お腹痛いの?」
コペ子「ウガァ"""”ッッ」トビカカリ
かすみ「痛い痛い!コペ子やめて!!!!」
愛「な?!」
侑「コペ子ちゃん?!」 コペ子「ウアアア""!!」ガブーッ
かすみ「痛ッッ!!!」
しずく「コペ子さん、かすみさんから離れてください」グイッ
璃奈「ッ、ダメ、、、力つよくて…」
果林「…二人とも離れて!」
エマ「……ごめんねコペ子ちゃんっ!!」
ドゴッ
コペ子「ア"ア"ッ」ガシャン
愛(果林とエマの二人がかりでのハイキック!なんとか引き離せたけど…) 彼方「よーし、今のうちに…、せつ菜ちゃん、私と一緒にコペ子ちゃん取り押さえるの手伝って、」
彼方「歩夢ちゃんはそこの防災備品からロープ出して」
せつ菜「え?は、はい!」トリオサエー
歩夢「はい!」
彼方「しずくちゃんは先生呼んできて」
しずく「わ、わかりました!」
彼方「コペ子ちゃん、ごめんね、ちょーっとだけおとなしくしててね〜」テキパキ
かすみ「いたたッ…、もう、急にどうしたのコペ子ぉ〜」ナミダメ
コペ子「ウ"ウ"ウ"ア"ァァ"!!」ジタバタ
歩夢「ひっ」ビクッ
せつ菜「とりあえず拘束はできましたが…」 愛(錯乱している?いや、それだけじゃない)
愛(目が酷く充血している…それによく見ると爪や犬歯が伸びている…)
愛(いや、伸びたんじゃない、皮膚や歯茎が極端に乾燥して収縮しているから)
愛(相対的に爪や歯が伸びたように見えているだけだ)
璃奈「愛さん、もう少し離れたほうが良い…理由はわからないけど、今のコペ子ちゃん、正常じゃない」
エマ「先生が来たら、かすみちゃんの怪我、早く手当してあげないと…。」
愛(右肩に噛み痕が二つ、結構深い…これは痕が…)
果林「・・・・、これくらいの怪我なら、すぐ治るわ。そんなに目立つような痕にも、ならない」
かすみ「かすみんよりも、コペ子が…あんなに動くと傷口が」
コペ子「ンンウウ"""アアア」ジタバタ ------現在------
愛「いや〜あの時は本当びっくりしたなぁ」
愛「しずくが先生連れてきてくれて、とりあえずコペ子ちゃんは先生に引き渡したんだよね」
愛「それで、保健室はコペ子ちゃんもいるし、体育館も人がいっぱいだったから」
愛「愛さんたちは救急箱貰って用務室でかすみんの応急手当するって流れになったんだっけ」
璃奈「・・・・・・・・。」 ------回想------
〜〜用務室〜〜
しずく「はーいかすみさん、消毒しますね」
かすみ「イタタタタタ!ちょっとしず子!もう少し優しくやって!」
璃奈「かすみちゃん、どうどう」
エマ「痛いの痛いの〜スイスまで飛んでけ〜!」
かすみ「エマ先輩的にそれでいいんですか?!」
彼方「ほら〜、頑張ったかすみちゃんには、彼方ちゃんに膝枕する権利をあげよう〜」
かすみ「いらないですよ!むしろ怪我人のかすみんに膝枕してください!」
ワイワイ アハハハ 〜〜用務室外〜〜
愛(・・・・・)
果林「・・・・・、愛、どう思う?」
愛「…え?どうって、何が?」
果林「さっきの…コペ子ちゃんだっけ?、あの子の豹変ぷりよ」
愛「・・・・・。」
果林「いくら錯乱状態だからって、ああいう風になると思う?」 愛「…わからない。錯乱状態になった人なんて初めて見たから…。」
愛「……でも、いくら錯乱状態でも目元が充血したり、あの短時間で急激に体が乾燥したり」
愛「何か別の要因がありそうな…」
果林「そうよね…、まるで、外で起きている、暴動?と同じような」
愛「そういわれてみれば、SNSに上がっていた動画で暴れている人たちも」
愛「同じように目元が充血していたような…。」
愛「…いや、…荒い動画が多かったからなんとも言い切れないかな」 〜〜用務室〜〜
しずく「ガーゼもこんなものかな。応急処置だからあとでお医者さんにも診てもらおうね」
かすみ「ありがとうしず子〜。・・・・やっぱり痕になっちゃうかな・・・」
侑「ガーゼを貼ってるかすみんも〜可愛いYO!」
かすみ「えへへ〜そうですか〜?かすみん何でも似合っちゃいますからね〜///」
歩夢「…ガーゼの余りある?」
璃奈「ない」 かすみ「それにしてもなんだかこの部屋の冷房、ききすぎじゃないですか?」
侑「?そう?適温じゃない?」
かすみ「うーん、さっきから悪寒が…」
エマ「きっとガーゼ貼るために肩を出してたから、体が冷えちゃったのかも」
せつ菜「ちょっと温度上げますね。」ピッ
かすみ「うぅ…なんか本当、風邪ひいたかもしれないです…凄く・・・・寒い」 〜〜用務室外〜〜
果林「私はてっきり暴動って言うくらいだから」
果林「何か特定の思想を持った団体が暴れているのかと思っていたけど」
愛「うん、愛さんも最初はそう思ってた。けれどもSNSに上がっているような動画とか見てみると」
愛「何か特定の思想を掲げているわけじゃなくて」
愛「それこそさっきのコペ子ちゃんみたいに急に暴れだして問題になっているみたい」
果林「それに、”超法規的緊急事態宣言”による私たち一般人の外出不許可…」
用務室内「ナ、ナンデスカコレッ?!」
果林「? どうかしたのかしら?」
愛「部屋の中からだね、」
愛「どうしたの?」ガラガラ 〜〜用務室内〜〜
愛「どうしたの?」ガラガラ
璃奈「あ、愛さん。あれ…。」
愛(りなりーが指で示した先は、用務室のテレビ…)
TV「非常にショッキングな映像となっておりますが」
TV「国民の皆様に周知するべく、今回このような形でノーカット無編集で放送しております。」
TV「繰り返しますが、こちらの映像は全て本物です」
愛(アナウンサーが同じような文面を繰り返しながら、VTRが始まる) 愛(内容は、リポーターが街中で見かけた錯乱者へインタビューを試みた際に)
愛(錯乱者にリポーターが噛みつかれてしまうといった映像)
愛(その後、ケガしたリポーターが再び映し出される)
愛(しばらくカメラマンと会話していたかと思うと)
愛(突然、リポーターがカメラマンを襲う。そこで映像が途切れる)
愛(この一連のVTRを何度も繰り返す) TV「このリポーターとカメラマンとは連絡がついておりません。」
TV「カメラだけ現場のスタッフが回収しました。」
TV「まるでパニック映画の世界ですが、これらは全て事実です。」
TV「この精神錯乱者は都内を中心に爆発的に広がっています。」
TV「我々はこの精神錯乱者、いわゆる”ゾンビ”が、感染するのではないかと考えております」
TV「政府に見解を求めましたが回答がありません。しかしこの事実を国民の皆様に伝えるのが」
TV「我々ジャーナリストの使命であると考えており…」 かすみ「・・・・あ、あはは、よくできた作り物ですね〜」
しずく「そ、そうだよね!そんな…ゾンビなんて、あるわけ…」
TV「なお、感染者が精神錯乱、つまりゾンビになる直前の特徴として」
TV「異常に体温が低下する、皮膚がひどく乾燥するといった情報がよせられています」
侑「なっ…」
かすみ「ち、ちがいます!かすみんは、ちょっと体調が悪いだけで、、、!」
かすみ「え、ちょっと、みんな、なんでかすみんから離れるんですか・・・・」
かすみ「ま、まって、…しず子?りな子・・・?」
璃奈「かすみちゃん…」チカヅキー 愛「りなりー!!!」
璃奈「え?」ビクッ
かすみ「ッッ」ビクッ
愛「かすみん、りなりーから・・・・・離れて…。」キッ
せつ菜「あ、愛さん、そんな言い方…」
愛「ごめん。でも、みんなもさっきのコペ子ちゃん、見ていたでしょ」
愛「こんな状況だから…」 かすみ「な…なんで・・・・かすみんが…。」
かすみ「い、嫌だっ!いやっ!こんなの、うそっぱちです!!!!」
かすみ「ゾンビなんてそんな映画みたいなはなし、あるわけないじゃないですか!!!!」
かすみ「ほ、ほら、そろそろドッキリのプラカードの出番じゃないですか?」
かすみ「いくらドッキリだからって噛みつくのはだめですよー!」
かすみ「かすみんのかわいいお肌が傷ついちゃったじゃないですか!」
かすみ「企画者は誰ですか?今だったら許してあげますから…。」
かすみ「だから…はやく、ドッキリだって…」
一同「・・・・・。」 かすみ「ほ、ほら〜歩夢せんぱーい、さすがにもう十分ですよ、ね、もう終わりに」
歩夢「か、かすみちゃん…」アトズサリ
かすみ「ッッ・・・・・なんで」
かすみ「なんで↑ですか!こんなのおかしいです!」
かすみ「そんなっ、ゾンビとかっっ、感染とか!!!!」ツメヨリ
歩夢「いやっ、やめて!」ドンッ
かすみ「いたっ」シリモチー
かすみ「・・・・、イヤダイヤダイヤダ」
かすみ「寒い、寒い、いやだよ…、かすみん、まだアア」
かすみ「ア"ア"、マダア」 しずく「かすみさん?!、嘘?!」
果林「?!、歩夢!離れなさい!!!!」
歩夢「え、え?!」
かすみ「ウ"ウ"・・・・、ガス"ミ"ン"ハアア""""」
愛(?!目が赤い!それに皮膚が…ッ)
かすみ「アア""アツイィィ!ア"ツ"イ"ヨ"オ"オオオオ」
璃奈「歩夢さん!」
愛「まってりなりー!」ガシッ
歩夢「イヤッ!イヤアアアア」
かすみ「アアアアアアアアアアアア"""」
ゴシュッッ 可哀想だけどかすみんって似合うんだよなこういう役回り…… IDころころ変わってすみません…
今日はもう寝ます
また明日続きを投稿します 虹の子達は平均スペックは高いが本当に状況をなんとかできてしまうチートというのか勢いのある子は多くない印象
続き楽しみ Aqoursは特にただのゾンビじゃ危機感足りないわな
タイラントとかいないと 愛(なんだ?何が起きた?)
かすみ「・・・・・・・・・・・ウア"」ピクピク
歩夢「ハァッ・・・ハァッ…」
侑「ウッ・・・・ウウゥ・・・・」
愛(かすみんの、首が・・・・)
かすみ「ア"ア"・・・・」ピクピク
侑「ウッ…オ"エ""ッッ」ビシャッ
歩夢「ゆ、ゆうちゃん…」
愛(ゆうゆの手には、用務室に置いてあったスコップが…)
愛(そうか、ゆうゆが、歩夢を助けようとしてかすみんを…) エマ「そんなっ……」
しずく「嘘…嘘…こんな…」
果林「・・・・・ッッ!歩夢!無事ね?!全員用務室から出るわよ!!!」
侑「ゴメンナサイッッ…カスミチャン…ゴメンナサイ・・・」
せつ菜「…ゆうさん」
侑「・・・ウプッ・・・ウオェッ」ビシャ
侑「…ハァッ・・・・・ハァッ」
愛(まずいな、みんなショックで動ける状態じゃない…)
愛「果林、ゆうゆはアタシが見るから、先導頼める?」
果林「えぇ…。わかったわ」 果林「ほら、みんな立って、まず用務室から出て先生を呼ぶわよ」
歩夢「ご、ごめんなさい、腰がぬけちゃって…」
果林「肩貸すわ。他のみんなは立てる?」
彼方「う、うん…、かなたちゃん、先生、呼んでくるね…」
せつ菜「わ、私も行きます!」
愛「助かるよ。しずく、りなりーは大丈夫?」
しずく「・・・・、大丈夫なわけ、ないです…。」
愛「うん…そうだよね…。でもまたかすみんが動き出すかもしれないから」
しずく「やめてください!!」
しずく「そんな、まるでかすみさんが…動かないほうが…生きていない方が良いみたいな…。」
愛「・・・・ごめん」
エマ「…果林ちゃん、歩夢ちゃんと璃奈ちゃん連れて先に出てて、しずくちゃんは私が…。」
果林「えぇ、お願い」
かすみ「・・・・ア"ア"」ピクッピクッ 愛「ゆうゆ、行くよ。」
侑「・・・・・・・・・・・」
愛「・・・・。ゆうゆ…。」
侑「放っておいて…。」ダッダッダッ
愛「あ、ゆうゆ!」
エマ「…。今は、そっとしておいた方が良いかも…。」
しずく「・・・・・かすみさん…うぅ・・・」ナミダ ------現在------
愛「あの時はすごい泣いたなぁ。」
愛「アタシだけじゃない、みんな泣いていた」
愛「手にかけたゆうゆが一番泣いていたなぁ」
愛「あの1件から、みんなとの関係が少しずつ、確実に歪んでいった気がするよ。」
璃奈「・・・・・・・・。」
愛「そのあとは…そうだ、コペ子ちゃんを取り押さえていた先生方から感染が広がって…」
愛「校内を逃げている最中に…果林が…」 こういう状況だと最初の方に犠牲になる方がある意味楽かもしれない ------回想------
侑「果林さん!!!!」
果林「ッ…、二人とも、大丈夫?」
愛「アタシたちのことはいい!果林!!腕が!!!」
愛(ゾンビに掴まれた果林の右腕から血が滴っている…ッ)
愛(爪だ。ゾンビの爪が食い込んで、出血している)
果林「残念ながら、私はここまでみたいね…」
侑「私の、私のせいだ…、追いかけてくるゾンビに気が付いていなかったから…」
果林「いいえ、誰のせいでもないわ、強いて言うなら、運が悪かったのよ」 せつ菜「っ!まだ、わかりません!傷は深くないから、もしかしたら・・!」
エマ「そんな…なんで…、なんで…。」
彼方「うそ…じゃないんだよね…」
しずく「…ッ…もう無理です…私たちも、みんな…」
果林「そんなことないわ、あきらめちゃだめよ」
果林「…まず、情報を集めなさい。私がゾンビに変化するまでの時間、ゾンビになったあとの行動パターン」
果林「そういう情報をもとに、ゾンビに対する対策をみんなで考えるの」
果林「そうすれば、私の犠牲も…役に立つわ」
愛「犠牲とかやめてよ…」 果林「・・・・・ごめんなさい、…でも、もう時間がないわ」
果林「かすみちゃんが…あんなことになってしまったときから、いつかは自分の番が来ると覚悟はしていたわ」
果林「…まさか、最初になるとは思っていなかったけど」
一同「・・・・。」
果林「自分のミスは、自分で始末をつけるわ。」スタスタ
歩夢「か、果林さん?どこいくんですか…?」
果林「屋上よ。」 彼方「ま、まって、まだわからないよ、かすみちゃんの時とは違うかも…。」
しずく「そうですよ!傷も深くないですし、も、もしかしたら大丈夫かも」
果林「そんな不確定な理由で、あなたたちを危険な目に合わせたくないの」
果林「私は、私のせいでみんなをゾンビにしてしまうことが、何より…怖いわ。」
果林「それに、私がゾンビになってしまったときに他の人に、負担をかけたくないから」
愛(ゆうゆのことだ)
愛(果林が、このままゾンビになってしまったら、きっと誰かが果林を止めなくちゃいけない…)
愛(そんな役目を、またゆうゆに押し付けないためにも、果林は自ら…)
果林「そういうことだから、私が私であるうちに、終わらせるわ」スタスタ ------現在------
愛「そんで、みんなで屋上に行ったんだっけ」
愛「カリンはさ、みんなの前でかっこつけすぎなんだよね」
愛「アタシら当時はただの女子高生だったわけで」
愛「そんないきなり、死ぬ覚悟なんて、できるわけないって…」
璃奈「・・・・・・・・。」
愛「屋上の扉越しに、カリンと会話してたけど、だんだんカリンの様子がおかしくなって」
愛「わかってはいたけど、やっぱり身近な人のああいう変化は、キツイよね」
璃奈「・・・・・・・・。」 ------回想------
〜〜屋上〜〜
愛(屋上は生徒が勝手に出入りしないように、扉にカギが付いている)
愛(果林は扉を出て、屋上を歩く。アタシたちは、扉越しに果林を見る)
愛(果林は屋上を歩きながら、こちらに振り返る)
果林「はい、それじゃあ、扉を閉めてそっちから鍵をかけて」
璃奈「まって、果林さん、あの…」
果林「もういいの、これ以上は…私の、決心が揺らいじゃうから」
果林「だから、もう、…はやく閉めてちょうだい」
エマ「……なんで、なんで最後まで意地張るの…」テイオンヴォイス
果林「意地なんて張っていないわ、合理的な判断をしているだけよ」
エマ「ッ!!それが!」 愛「・・・・。」ガチャ カギシメ
エマ「愛ちゃん?!なんで」
果林「・・・・・ありがと、愛。」
果林「…体に異変がきたら、飛び降りるわ」
果林「もし、飛び降りが間に合わなかったら、屋上の扉は絶対に開けないで」
果林「あんな醜い姿で徘徊しているところ、あなたたちに見られたくないから…」
愛「果林が、望むなら…。」
エマ「果林ちゃん…。」
果林「エマ、そんな顔しないで」
エマ「なんで…、私にまで、かっこつけなくっても」ポロポロ
果林「・・・・・ごめんなさいね、あなたの故郷に、一緒に行く約束、守れなかった」
エマ「ウッ・・・」ポロポロ せつ菜「なんで…果林さんが…」ポロポロ
歩夢「ウウゥ…」ポロポロ
果林「・・・・もう、みんなしてかわいい顔が台無しよ」
侑「…ごめんなさい…ごめん、なさい…」ウツムキ
果林「・・・・・・・・。」
果林(……ダメよ、耐えなさい、朝香果林…、ここで、泣いたって何も変わらない)
果林(最後まで、みんなの先輩として、規範ある…行動を) 屋上の手すりから身を乗り出す。
悪寒がする。
死ぬことへの怖さか、
それとも…
屋上から地面を見下ろす。
今から自分はここを飛び降りること、
さもなくばゾンビとなって意識を失うことが、
生々しい現実として突き付けられた。
急に鼓動が早くなる。
死ぬことが、もう、みんなと会えないことが、
自分という存在が、この世から無くなることが、
ただひたすら怖くなった。 果林(………)
果林(死んだらどうなるのか、幼いころから時々考えることがあった)
果林(きっと、眠りについた時と同じ)
果林(二度と、目が覚めることがないだけ…)
果林(こうやって、考えること、意識を持つことなく)
果林(無になるだけ…)
果林(・・・・・嫌だ)
果林(怖い・・・・怖い・・・・・)
果林(自分という存在がなくなることが……ただただ…怖い)
果林「ウゥ・・・」ポロポロ
果林(…ダメよ、こんな情けないところ、あの子たちに見せられない…) エマ「果林ちゃん・・・・」
しずく「や、やっぱり止めましょう!おかしいですよこんなの」
せつ菜「そうです!ゾンビになってしまっても、もしかしたらもとに戻る方法が見つかるかもしれません!」
愛(ゾンビの治療法が確立していない今、ゾンビになってしまった人を長期間避難所で匿うことはできない)
愛(最悪の場合、避難所でゾンビの感染が広がってしまうからだ…)
愛(この屋上やどこかの部屋でカギを閉めれば…いや、でもそれは…)
侑「…戻ることなんて…ありえない」
彼方「ゆ、ゆうちゃん?」 侑「一度、ゾンビになったら最後なんだっ!」
侑「ここで、果林さんをそのままにすることは…、できないっッ」
愛(単純に、ゾンビを一人隔離した状態を維持することはリスクがある)
愛(1日や2日ならともかく、いつ助けがくるかもわからない状態でゾンビを隔離する余裕はない)
愛(そもそも、鍵をかけておいたら大丈夫かなんて、保証できないし)
愛(ずっと果林を見張っていることもできない。)
愛(なにより、ゾンビが治せる可能性なんて、認められるわけないんだ)
愛(かすみんを処理した、ゆうゆにとって…) 侑「もとはといえば、私の責任だよ。私が、責任もって果林さんを」
愛「まって、果林はそれを望んでいないから今あそこにいるんだよ」
彼方「い、いや、そもそも果林ちゃんを助ける方法を考えることが」
侑「助けるとかもう、そういう状況じゃないの!」
歩夢「ゆ、ゆうちゃん落ち着いて」
侑「私は落ち着いてる!それよりもみんなはこのゾンビ化を甘く見すぎ!!」
侑「少しでも傷つけられたらダメなんだよ?!」
侑「そんな危険なゾンビを、どこかに匿っておくなんて許されるわけがない!!」
璃奈「……今、私達はゾンビに対する情報が少ない、」
璃奈「多少リスクを負ってでも、その、果林さん…ゾンビから情報をとるべきかもしれない」
せつ菜「そんなっ?!、果林さんで実験するってことですか?!!!」
しずく「違うよせつ菜さん、璃奈さんが言っているのは果林さんを残す理由であって…」
ワイワイ ギャーギャー 愛(だめだ、みんな冷静じゃない)
愛(当たり前だ…、こんな非日常で、情報も少ないなかで最適な判断なんてできるはずが…)
エマ「……。愛ちゃん、ごめんね」
愛「え?…っ」
ドンッ 果林(あぁ…、このままじゃ、あの子たちがバラバラに…)
果林(覚悟を…決めるのよ。私が示さないといけない)
果林(ゾンビに感染してしまった人の、最期を…)
果林(……高い…、飛んだら、一瞬だろう)
果林(それともやっぱり、痛いの…かしら…)
果林「でも…」 寒くなってきた
手足の末端の感覚が、少しずつ弱まっていく
皮膚が乾燥していくのがわかる
脳裏に浮かぶのは、コペ子ちゃんやかすみちゃんの変わり果てた姿
私も、もうじき…
果林「ウッ・・・・」
果林(寒い…のに、頭がッ熱いっっ)
果林「ア"ア""…」 嫌だ
死にたくないっっ、まだ、私何も…っ!
飛び降りないと
スクールアイドルだって始まったばかりなの
今、飛び降りないと
モデルの仕事だってまだまだこれからだったし
飛ぶの!!飛んで!!!みんなに迷惑をかけないように!!!!
エマと彼方との卒業旅行だって楽しみにしていた
私が私であるうちに!
エマや彼方と初めてお酒を飲むのも、車の免許をとってドライブだって
恋だって…
まだ、何もできていない…
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…… 寒-い熱い---寒-い--熱-い-死に---たく-な-い嫌-だ--嫌だ
自分--が、自-分-じゃな-く-なる----…
島-の□-んな
---□-父■-ん…
■-母-さ■--…
果林「ア"・・シニタク"ナイ・・・」
果林「イヤ・・・」ポロポロ
ガチャッ
タッタッタッ
エマ「大丈夫、果林ちゃん。一緒にいるよ」ギュ 果林「エマ?…ナンッ…で?」
エマ「大丈夫だから」ギュッッ
果林「ア""ア"・・・・」
侑「エマさん!!!!なにやってっっ!戻って」
愛「ゆうゆ!ダメだ、もう…」
愛(果林を抱擁するエマの背中に、果林の爪が食い込んでいるのが見える)
愛(まさか、自分からあの状態の果林に駆け寄るなんて…)
果林「ウ"ウ"ウウウ」グググッ
エマ「大丈夫、大丈夫だよ、果林ちゃん」ギューッ
歩夢「そんな、エマさんまで…」
果林「ウガアアア""」ジタバタ
エマ「大丈夫だから、ね、果林ちゃん」ギューッ ドタドタ
侑「なんで…、なんでこうなるの!!!」
エマ「侑ちゃん、、、」
果林「ア"ア"ア"」ジタバタ
エマ「痛ッ、あんまり時間がないみたい。」
エマ「侑ちゃん、みんな、ごめんね…これは私のわがまま」 エマ「・・・・・私ね、日本でみんなと出会えて、スクールアイドル一緒にやれてよかった」
エマ「もし、世界が平和になって、私の家族や兄弟に会う機会があったら」
エマ「ごめんね、って伝えて欲しいな」
せつ菜「エマさん、待ってください、私達まだ何もエマさんにっ!」
エマ「それじゃあ、私と果林ちゃんは、先に行ってるね」スッ
愛「エマ?!!」
侑「まって!!!」
そう言うと、
エマは、
果林を抱きかかえたまま、
屋上から、 ゾンビ映画見たくなってきたな
できる限り救いが無くて辛くなるやつ 意図したのか分からないけどこの場面なら呼び捨てでもいいでしょ
いきなり先導役が消える展開はハードモードだね >>88
ゾンビ映画じゃないけどミストがオススメ
怪物が沢山出てくる >>90
あれは途中から脅威の対象が怪物から宗教ばあさんと扇動された信者に変わっちゃうのがなぁ
化け物から逃げ惑う系のジャンルの映画を期待して見ると肩透かしを食らう >>88
マギーとかどう?
娘がゾンビに噛まれたシュワちゃんの話
無敵の彼がひたすら為す術なく絶望するのが無情感凄い 侑「・・・・・・・・・・・なんで、」
侑「なんでちゃんと鍵を持っておかなかったの!!!」
愛「・・・・・・・・ごめん。」
侑「ッッ!!」コブシフリカブリー
愛「……」メツムリ
侑「・・・・ッ、」
せつ菜「やめてくださいッッ!!!」ポロポロ
せつ菜「もう、やめて…」ポロポロ
愛「ごめん…エマを、止められなくて…」ポロポロ
彼方「ははは…、そうか、これは夢だね、」
彼方「果林ちゃんやエマちゃんに限って、こんなことありえないよ〜」フラフラ
しずく「っ!彼方さん!!」ガシッ
彼方「離して〜〜彼方ちゃんもここから飛んで夢から覚めるんだよ〜」
しずく「彼方さん、落ち着いてください!!!」
璃奈「……。」ボーゼン
歩夢「ゆうちゃん…。」 ------現在------
愛「いやーああいうときのエマっちの行動力は凄いよ」
愛「まぁ、スクールアイドルが好きで単身で日本に来るくらいだから」
愛「決心したときの覚悟の決め方が違うよね」
愛「それに比べて、アタシはブレブレだったなぁ」 愛「…またDiverDivaで、歌いたかったなぁ」
愛「それに、エマっちのご家族に会うって約束も、結局果たせなかった」
璃奈「・・・・・・・・。」
愛「・・・・・。」
愛「…先生方がいなくなって、避難所の運営は主に学生が中心に自治をしはじめたんだよね」
愛「学生以外にも避難所には色々な人かいたけど、逃げてきた年配な方や、子供が多くて」
愛「当時生徒会長だったせっつーを中心として」
愛「スクールフェスティバルによって求心力を得ていた同好会のメンバーが」
愛「みんなを取りまとめるような立場になったんだっけ」
璃奈「・・・・・・・・。」 愛「幸い、ゾンビの行動パターンはシンプルだったから、みんなで協力して校内のゾンビを誘導しながら」
愛「最後のトドメは、ゆうゆがやってくれた」
愛「ゆうゆには、つらい役目ばっかおしつけちゃったな…。」
璃奈「・・・・・・・・。」 愛「それと、もともと大きな学校だったから、避難場所として災害に備えて非常食の備蓄はたくさんあったし」
愛「ソーラーパネルや浄水施設といった最新のインフラ設備も充実していたから」
愛「校内に立てこもりながらの生活も、なんとかやりくりできたんだよね」
愛「あの辺の技術関係は、りなりーがいたから、なんとか形にできたんだよ」
愛「大変だったけど、忙しかったから悲しむ余裕もなかったかな」
愛「…だけど、忙しかったからこそ、誰が何やってるかを正確に把握できていなかった」
愛「もっと早く気が付いていれば、あんなことにはならなかったのかな」
璃奈「・・・・・・・・。」 今日はここまで
また明日投稿します
ミストいいよね そうだよな
普通に自ら死ぬのがそもそも怖いよな
洋画とかで自分に銃口向けて自害できるやつの潔さ再確認したわ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています