かすみ「せつ菜先輩の差し入れ」
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ある日の放課後。その日は天気の良い日だった。
かすみ「あっ!おーい!しお子ーーー!」
栞子「あっ、かすみさん」
かすみ「部室行くの?」
栞子「はい。かすみさんも?」
かすみ「そうだよ」
栞子「じゃあ、一緒に行きましょうか」 ミア「おそらくソレを食べた結果」
しずく「え?アレを食べて倒れたって事?」
果林「あくまで推測よ」
しずく「救急車呼ばなくていいんですか?」
かすみ「このやり取りさっきもやったばかりだよ。はい、しお子」
栞子「息もあるし脈拍も安定しています」
しずく「じゃあ、ただマズイだけで気を失ったって事?」
かすみ「今ハッキリとマズイって言ったね」
ミア「しずくって意外と毒舌なんだね」
しずく「待って!そう言う話じゃないの?」 かすみ「あ〜…なんて言うか」
ミア「いわゆる、これが思いやりってやつかな」
しずく「え?」
栞子「あまり真に受けないで大丈夫ですよ」
ミア「しずくの言葉を借りればさ、味だけで人一人をこんな状態に出来るんだ。どんな味がするのか興味が湧かない?」
しずく「興味…それで私に食べさせようとしたの?」
かすみ「ミア子がだよ!かすみんは違うから」 ミア「だって不思議でしょ?何を使えばこんな色になるの?何をすればこんな見た目になるの?本当にこれは料理なの?錬金術なんじゃないの?」
しずく「本人に聞けば…」
かすみ「だから本人に連絡がつかないんだよ」
しずく「だからって言われても」 ミア「よし。ジャンケンをしよう」
かすみ「嫌だよ」
ミア「じゃあ、かすみが食べる?」
かすみ「ジャンケンだって嫌なんだよ!」
ミア「かすみは心配症だね。6人も居るんだよ?負ける確率の方が低いんだから」
かすみ「………確かに。ジャンケンする?」
栞子「えっと…皆さんは?」
しずく「皆んながするって言うなら」
果林「私はどっちでも良いわ」
璃奈「じゃあやろう!」
かすみ「りな子…意外と乗り気だね」 ミア「決まりだね」
かすみ「分かったよ」
ミア「恨みっこなしだよ。せーの」
かすみ「待って!何回勝負?」
ミア「一回に決まってるだろう。何回やったって敗者は一人で変わらないんだから」
かすみ「…分かった」
ミア「じゃあ行くよ。じゃん」
かすみ「けん」
6人「ぽん」 かすみ「あっ…」
果林「どんまい。かすみちゃん」
ミア「まさかボクが残るなんて」
璃奈「ミアちゃんファイト」
ミア「まあいいや。やろうか、かすみ」
かすみ「ちょっと待って」
ミア「何?」
かすみ「やっぱりやめない?」
ミア「それで皆んなが納得すると思う?」 かすみ「しず子…」
しずく「覚悟を決めよう」
かすみ「しお子…」
栞子「応援してますよ」
かすみ「うぅ…分かったよ。勝負だ!ミア子」
ミア「望む所だよ」 ミア「じゃん」
かすみ「けんぽん」パー
ミア「あっ…」グー
かすみ「ミア子の負けだね。しかも後出し」
ミア「ちょっ…ワザとタイミングずらしたでしょ」
しずく「今のはズルい…」
栞子「こうも堂々と不正をするとは…」
かすみ「だってそんなルール言ってなかったじゃん」 果林「言わなくたって分かるでしょ」
ミア「あっ、そっか!かすみはこれまで生きてきてジャンケンをした事があまりないんだ!」
かすみ「あるよ!」
ミア「へ〜じゃあ、やっぱり分かっててズルをしたんだ」
かすみ「うっ…だからそんなルールは」
ミア「調べてみる?スマホで検索すればすぐに公式ルールが出てくると思うけど」
かすみ「そうなの?」
ミア「もちろん。もし、調べてルール違反だった場合はそれ相応のペナルティを」
かすみ「わ、分かったよ。かすみんの負けでいいよ、もう」
ミア「じゃあ、アレを食べて貰おうか」
かすみ「うぅ…」 果林「14歳に言いくるめられるなんて…流石かすみちゃんね」
栞子「14歳と言ってもミアさんですから」
ミア「さあ、かすみ。早く」
かすみ「うぅ…嫌だ。やっぱり嫌だ」
ミア「往生際が悪いな。しずく、璃奈。かすみをおさえて。ボクが食べさせてあげるよ」
かすみ「嫌だーーー。離してよーーー」
果林「変な絵面ね」
栞子「あまり意識しない様にしましょう」 ガチャ
ランジュ「你好!」
栞子「ランジュ…」
かすみ「助けて下さい」
ランジュ「なんか楽しそうな事してる?」
かすみ「楽しそうに見えますか?」
果林「かくかくしかじか…で、かすみちゃんが食べる事になったなよ」
ランジュ「へ〜そうなの」
かすみ「そうなんです〜助けて下さい」
ランジュ「そんなに嫌?」
かすみ「嫌ですよ〜。アレを見て下さい。侑先輩倒れてるんですよ」 ランジュ「そんな事言ったらせつ菜が可哀想じゃない」
かすみ「じゃあ代わりに食べて下さいよ」
ランジュ「いいわよ」
かすみ「ほら〜やっぱりそ…え?いいんですか?」
ランジュ「うん。ランジュはせつ菜の手料理食べてみたいわ」
かすみ「なんで?」
ランジュ「どんな味がするのか気になるじゃない?」 かすみ「気にはなるけど自分で食べようとは思わないじゃないですか」
ランジュ「気になるなら自分で確かめたいと思うでしょう?」
かすみ「じゃあ代わりに食べて下さい。よろしく」
ランジュ「オッケー」
かすみ「本当に食べるんだ…」
しずく「凄いね。ランジュさん」 ランジュ「じゃあ…」
パクッ
かすみ「あ〜…本当に食べた」
ランジュ「ん…」
ミア「どう?どんな味がする?食感は?」
璃奈「バケツ持ってくる?」
栞子「バケツ…」
ランジュ「ん〜メルシー」
かすみ「あぁ…やっぱりって…え?なんて?」
栞子「何でフランス語…」 かすみ「なんて言ったの?」
しずく「美味しいって言ったんだよ。何故かフランス語で…」
かすみ「え?美味しかったんですか?」
ランジュ「うん。美味しいわ」
ミア「これは傑作だね。まさかランジュがバカ舌だったとは」
ランジュ「バカ舌とは失礼ね。とっても美味しいだから。食べてみたら?」
ミア「それは…」
璃奈「ちょっと食べてみる。いただきます」パクッ
ミア「ちょっ…璃奈…」
璃奈「本当だ…。美味しい。モチモチしてて…なんか美味しい」
ミア「美味しいの?」
璃奈「うん。ミアちゃんも食べて見て」
ミア「……わかった。璃奈が言うなら」
かすみ「ほんとりな子の言う事は聞くんだね」 ぱくっ
ミア「……美味しい。なんて表現したらいいか分からないけど…美味しい…」
しずく「本当だ。今までに食べた事のない味ですね」
果林「不思議。こんな見た目なのにモチモチした食感。どうなってるのかしら」
かすみ「えぇ…二人まで…しお子ぉ」
栞子「私も食べてみようかな。いただきます」
かすみ「しお子まで!!?」
栞子「ん…美味しい…美味しいですよ!!!かすみさん!!!!」
かすみ「え〜しお子のテンションが上がってる」
栞子「だって…凄く美味しくて。こんなの初めて」
かすみ「えぇ…」
ミア「かすみ!かすみも食べてみた方がいいよ!これは本当に美味しい」
かすみ「でもな〜」
璃奈「食べないなら私が貰う」
しずく「いや私が」 かすみ「だ、ダメだよ。かすみんの分だから。いただきます」
パクッ
かすみ「ん…」
しずく「どう?かすみさん?」
かすみ「美味しい…」
ランジュ「でしょ!流石せつ菜ね」
かすみ「美味しい!凄い美味しいよ!」
栞子「…あれ?」
かすみ「どうしたの?」 栞子「いえ…何か引っかかると言うか」
侑「ん…んん…痛ぁ…」
かすみ「あっ!侑先輩!忘れてた…」
侑「あれ?みんな…」
栞子「大丈夫ですか?」
侑「あっ…イテテ…こぶ出来ちゃったなぁ」
かすみ「倒れた時に打ったんですか?」
侑「かなぁ?まさかこんな形で転ぶとは思わなかったもんなぁ」 果林「こんな形って?」
侑「せつ菜ちゃんが持って来てくれた差し入れが美味しくてさ〜。興奮して思わず足滑らしちゃって。あはは」
かすみ「そ、そう言う事だったんですか?ってきり不味くて…とにかく心配したんですよ」
侑「え?そうなの?」
ミア「かすみが心配してたのは自分の事でしょ」
かすみ「うっ…」 侑「ところでせつ菜ちゃんは?」
かすみ「さあ?侑先輩も知らないんですか?」
栞子「と言う事は侑さんが来る前にこれを持って来たのでしょうか?」
侑「いや…せつ菜ちゃんの知り合いって人が持って来て」
かすみ「知り合い?」
侑「うん」
果林「……本当に知り合いなの?」
侑「……さあ?」
かすみ「食べて……大丈夫だったんですよね?」
侑「…………」
かすみ「何か答えて下さいよ」 栞子「一体…どなただったのでしょう」
果林「まあでもせつ菜に聞けば分かる事じゃない」
かすみ「そ、そうですね」
ガチャ
愛「お疲れー!」
かすみ「あ、愛先輩…」
愛「ん?どったの?」
栞子「いえ…あの…」
愛「あっ!そう言えば今日せっつー学校休みらしいね!」
かすみ「え?」
ミア「じゃあ…一体…」 おつ
何故か世にも奇妙な物語のよく分からん白いのを思い出した ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています