かすみ「せつ菜先輩の差し入れ」
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ある日の放課後。その日は天気の良い日だった。
かすみ「あっ!おーい!しお子ーーー!」
栞子「あっ、かすみさん」
かすみ「部室行くの?」
栞子「はい。かすみさんも?」
かすみ「そうだよ」
栞子「じゃあ、一緒に行きましょうか」 かすみ「今日は天気良いね〜」
栞子「そうですね。練習日和ですね」
呑気に何気ない事を話しながら歩いていた。
かすみ「でね〜しず子が〜」
栞子「それは愉快ですね」
ガチャ
この後、二人が部室の扉を開けた際に事件は起こる。いや、起こっていた。
侑「………うぅ」
かすみ「………ゆ、侑先輩」
侑が倒れていた。 侑の元へ駆け寄る二人。
栞子「大丈夫ですか。何があったのですか?」
侑「うぅ…あれ…」
かすみ「あれって?」
侑が指を指す先にあったものは
かすみ「げっ…あれは…」
『皆さんで召し上がってください』の書き置きとバケットに入った謎の物体。 かすみ「これ…せつ菜先輩の字ですよね」
栞子「そうですね。せつ菜さんの……差し入れでしょうか?」
かすみ「差し入れ…」
栞子「侑さん。食べたのですね」
侑「……」
栞子「返事がない。肝心のせつ菜さんはどこに行ったのでしょうか」 侑「う…うぅ…」
栞子「侑さん…」
侑「し…」
栞子「し?」
侑「死兆星が見える…」ガクッ
かすみ「侑先輩ーーーーー!!!!」
栞子「ここ室内ですが」 かすみ「しお子…どうしよう」
栞子「取り敢えず侑さんは安静に」
かすみ「そうじゃくて。せつ菜先輩のアレ…人数あるよ」
栞子「人数分?」
かすみ「うん。侑先輩が一つ食べたとし…ピッタリ人数分ある…」
栞子「食べない訳にはいかないですね」
かすみ「でもかすみん今お腹痛いし…」
栞子「嘘吐かないで下さい」
かすみ「う、嘘なんか吐いてないよ」 栞子「腹痛を起こしている人特有の瞳孔の開きが見られません」
かすみ「え…そんなのあるの?違うんだよ」
栞子「嘘です」
かすみ「嘘とかじゃなくて。あの…」
栞子「私が言った事が嘘です」
かすみ「………なんでそんな嘘吐くの」
栞子「先に嘘吐いたのはかすみさんじゃないですか」 かすみ「それは…とにかくどうするの?」
栞子「どうするとは?」
かすみ「これ!食べるの?」
栞子「それは…せつ菜さんの気持ちを考えたら」
かすみ「でも…これ…なんだろう。パン…なのかな?」
栞子「パンでしょうね」
かすみ「こんな色のパン見た事ないけど」
栞子「何を使えばこの色を出せるのでしょう」 かすみ「しお子…食べなよ」
栞子「え?」
かすみ「せつ菜先輩がせっかく持ってきてくれたんだから」
栞子「ですが…先に侑さんをどうにかしないと」
ガチャ
璃奈「おつかれさま」 かすみ「りな子」
栞子「璃奈さん」
ミア「ボクも居るんだけど」
璃奈「二人ともどうしたの?」
かすみ「どうしたもこうしたもないよ。見てよ」
璃奈「あっ…侑さん…」
ミア「まさか…死んでるの?」
かすみ「そんな訳ないでしょ!生きてるよ!多分…」
栞子「多分って…」 璃奈「何があったの?」
かすみ「アレだよ」
ミア「…アレは何?」
かすみ「せつ菜先輩が作った何か」
ミア「何か?何かって何さ?」
かすみ「何かは何かだよ。分かってるのはせつ菜先輩が作ったって事とそれを食べて侑先輩が倒れたって事」
ミア「倒れたって…毒でも入ってるの?」 かすみ「まさか」
璃奈「救急車は呼ばなくていいの?」
栞子「息はあるし脈拍も安定はしていますから」
ミア「だからオッケーって事にはならないと思うけどね」
かすみ「取り敢えずミア子。食べる?」
ミア「よくこの状況で人に勧めるね」 かすみ「だって誰も手につけないんじゃ、せつ菜先輩が可哀想じゃん」
ミア「日本のそう言う文化は本当によく分からないな。実害が出てるんだから食べるべきじゃないだろう」
栞子「確かに。その通りですが」
ミア「そもそもこれはなんて料理なの?何を使ったらこんな料理が出来るんだよ。化学調味料使わなきゃこんな色出せないよ」
璃奈「確かに。一番の謎かも」 ミア「で?作った張本人はどこ?」
かすみ「そう言えば」
栞子「私達が来た時には居なかったので」
ミア「まあ書き置きするくらいだから何か用事があって部室には来れないんだろうけどさ。電話くらいは出来るんじゃないの?」
かすみ「確かに電話してみようか」
栞子「そうですね。掛けてみます」
プルルル プルルル
栞子「……」
プルルル プルルル
栞子「でませんね」 ミア「って事は今電話に出れる状況にはないって事だね」
かすみ「もう…謎の物体を残して消息を断たないで欲しいよ」
栞子「そんな失踪したみたいに…」
かすみ「そもそも何を思って用意したんだろう」 ミア「さあね。本人のみぞ知るってヤツだね」
かすみ「どんな味がするんだろう…」
ミア「気になるなら食べてみればいいさ」
かすみ「いや…食べないけど。少し気になるじゃん」
璃奈「私…食べた事がある」
かすみ「これを?」
璃奈「これじゃないけど。せつ菜さんが作った料理を食べたよ」 意識なくなったなら侑ちゃんの口に詰め込めばいいよね 期待
ミアちどスレートで草
せつ菜には一度正面から不味いと言った方が良いと思うんだ… ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています