穂乃果「プレマ・ジバナ II」
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アッハハハ!オネガイシマスヨ-!
「……」
ビッタン! ビッタン!
「……」
マ-ォ…マ-オッ!!
「……」
穂乃果「……ハァ」 高坂穂乃果は辟易していた。
この、自営者扶養家族の宿命とも言うべき、不動のひと時
謂わゆる、"店番"と言うヤツに。 穂乃果「……」
背後から聴こえてくる、下らないトーク番組のテレビ音声
ビッタンビッタンと、父が調理台に向かって、何かを発散する様に叩き付けている打撃音
そして、近所で野良猫がケンカしてる声以外
何もないのだから。
正面に見える引き戸が、ガラガラとその音を立てるまで、愚直な飼い犬の如く待ての姿勢を保たなくてはならない、私の足腰は
今まさに、風雲急を告げている状態なのにだ。 こんな、人生の浪費とも言える空虚極まりない時間を、如何にすれば、切り抜ける事が出来るのか。
考えに考え、無為な情報が、思考回路を文字通り電速の勢いで飛び交って行く内に
いつしか、思考を放棄している自分に気が付いた。
穂乃果「……」
そのくらい暇なのだ。 見ろ。お客なんて一人も来ないじゃないか。
客も来ない店を番するだなんて、空のお菓子箱を保存するくらい愚かな事だ
私の代わりに、野良猫を番台に置いていたって、文句を言いに来るヤツすらいないだろう
つまり、人件費の無駄なのだ。
穂乃果「……」
……まぁ、コレは借財返済の為の労働なのだが。 妹である高坂雪穂に、責の全てを投げ打ってしまう。それもまた、一つの手ではある
しかし、彼女も馬鹿ではない。
寧ろ、私よりも賢い可能性が微粒子レベルだが内包されている。
先日使ってしまったその手を、これ見よがしにまた使ってしまったのでは
それこそ、彼女の逆鱗に触れてしまう事は、確定的に明らかであるのだから、たまったものではない。
穂乃果「……」
本当に困った。 ガラガラガラッ
そうこうしている内に、この一人語りを遮る音が鳴り響いた
「……」
店にとっては待望の、私にとっては、嘆く足腰の抑圧解除宣言ともなる、もとい
お客が来たのだ。
海未「……」
……客ですら無かった。 海未「こんにちは。迎えに来ましたよ」
クソッ、
このトンチンカンは、またしても私に求婚しに来たらしい。
海未「穂乃果。女性がクソなどと言う、汚い言葉を使ってはなりません」
海未「だから、早く園田家に入りなさい」
この女は、前後に全く関連性を持たない文同士でも、"だから"を使えば、全て接続出来ると思っているらしい。
と言うか、誰のせいでこんな言葉使いになったと思っている。 「ホントだよ、まったく」
海未「!」
ことり「ねぇ〜?穂乃果ちゃ〜ん」
こう言う日に限って、二匹とも揃う。
ことり「大体さぁ〜、海未ちゃんはパーソナルスペースが狭過ぎるんだよぉ〜」
海未「それは貴方の事でしょう?」
ことり「ほらほら、右肩が不可侵領域に入りそうでぇ〜す、離れてくださ〜い」
海未「貴方の左足もそうです。あと一光年離れなさい」
私の鼻先数センチでコレを行われるものだから、不可侵とはなんぞや。と言う話になる。 海未「穂乃果、ほむまんと金鍔と貴方を下さい」
ことり「ことりは〜、のし梅とほのまんを下さ〜い♪」
海未「ことり!それは禁則事項ですよ!」
ことり「ちょ〜だぁ〜い♡」
嗚呼、神よ。
今この時だけ、私は無神論者をやめます。
なので、どうか私を救って下さい。
具体的に言えば、
この空気を打ち壊す人間を、この店に寄越して下さい。
……出来れば、近所の香水臭いオバさんだけは勘弁して欲しいです。 ガラガラガラッ
「ごめんく〜ださぁ〜い」
神よ、私は貴方の下へ改宗します。
何処のだか知らないけど、
「あの、入り口のノボリに書いてた"ほむまん"って言うの、頂きたいんですけど」
えぇえぇ、救世主さま。
貴方のお望みならば、饅頭の十個や百個、幾らでも差し上げ──
ん? 希「え?」
穂乃果「……」
この人、なんか見た事ある様な気が……
希「あのぅ」
ことり「ねぇ。この人、今ほのまん下さいって言ったよ」
海未「いいでしょう、表に出なさい」
希(な、なんなん?この人ら)
穂乃果「……」
……気のせいかな。 「あいしてゆ〜バンザーイ♪」
凛「……」
「ここで〜よか〜った〜♪」
花陽「……」
「わたし〜た〜ち〜のい〜まが〜♪こ〜こ〜に〜あ〜る〜♪」
西木野真姫、かく語りき。 「ふぅ」
凛「……」
「やっぱり、歌うのってストレス発散には最適よね」
花陽「……」
「そう。人生の大半はストレスで構成されているんだから、コレは必要な事なの」
西木野真姫、かく語りき。 「ストレスは思考を遮り、力を削ぎ、明日をも曇らせてしまう。生きとし生けるもの達の、宿敵とも言える障害よ」
凛「……」
「歌とは、そんな日々に与える、泡立てと濯ぎの繰り返し、禊ぎとも言うべき行為」
「そう、私は信じてるわ」
花陽「……」
西木野真姫、かく語りき。 「だから──」
凛「……」
花陽「……」
「ちょっと」
凛「……」
花陽「……」
真姫「なに見てんのよ」 「矢澤さん」
にこ「……」
絵里「今期の活動報告書、まだ提出されていないのだけれど」
にこ「……あぁ、後で適当に出しておくから」
絵里「今、提出して貰えないかしら?書類を纏めないといけないの」
にこ「あー、はいはい」
にこ「書くから、ちょっと待ってて」
絵里「早くしてちょうだい」
にこ「チッ」 絵里「……」
にこ「はぁ〜あ」ガタゴトッ
カリカリッ
にこ「ったく」スッ
絵里「……」
にこ「……」カリカリッ
絵里「……」
絵里「貴方、いつまでこんな所に居るつもりなの?」
にこ「……」ピタッ
にこ「……それ、どう言う意味で聞いてるわけ?」 絵里「そのまんまよ」
絵里「こんな、狭くて暗い部屋にたった一人で引き篭もってて」
にこ「……」
絵里「オマケに、もう部員集めすらしていないんでしょ?」
絵里「何がしたいの?」
にこ「ケンカ売りに来たんなら買うわよ、表に出なさい」
絵里「……」
にこ「人の事情も知らないで、偉そうに能書き垂れてるんだから、それなりの覚悟があって聞いたんでしょ?」 絵里「……事情ってなによ」
にこ「グダグタうるさいわねぇ」
にこ「いいから、さっさと表に出なs──」
グイッ
にこ「うっ!?」
バチンッ
にこ「ッッッ」
絵里「……」
にこ「……なによ、ここでやろうっての」
絵里「っ」 にこ「上等じゃないっ!!」バッ
「私はっ!!!」
にこ「!?」
絵里「私はっ……ただ、心配だから言ってるのっ!」
にこ「は、ハァ?」
絵里「こんな暗い部屋でっ、いつも一人ぼっちで居て……しかも、全然友達も作ろうとしないじゃない!」
絵里「こんなの、駄目よ……」
にこ「あ、アンタには関係ないでしょうが!」ガサッ にこ「ほら!コレ持って、さっさと出て行きなさいっ!!」バッ
絵里「……」
にこ「〜っ」
絵里「……ねぇ、矢澤さん」
にこ「な、なにっ」
絵里「生徒会、入らない?」
にこ「ハァ?なんで私が」
絵里「まだ一年あるわ。私達と一緒に、楽しい思い出を作りましょう?」 にこ「……」
絵里「ね?」
にこ「……私は」
絵里「?」
にこ「私は、ここに居なくちゃいけないの」
絵里「……」
にこ「ここで、待ってなきゃならないのよ」
絵里「誰を?」
にこ「分からない。でも──」 にこ「もしかしたら、アンタも私が待ってる人たちの、一人なのかも知れない」
絵里「……」
にこ「……意味わかんない事言ったわね。忘れてちょうだい」
絵里「……」
にこ「……」
絵里「……じゃあ」
絵里「私が入部するわ」
にこ「!?」 世界は今、偶像に汚染されている。
「……ふふっ」
宿すべき神を失った空の器
それらを、只々盲目的に信仰する意思なき民
「さぁ、おいで下さい」
嘗て来たりし者たちの呼び声を
彼女もまた、崇拝する一人だった。
「蔓延った、異教の性を露わにしましょう」 連綿と繋がる時の境界を
しかし、そうと知って遡ること能わず。
「時の失せた虚ろを開けます。それは夜明けの鼓動です」
「感覚与件。一光秒。白色矮星。裏側」
一巡りした世界。
その中で、彼女だけが過去を継承出来た理由
それは、多元宇宙への同化によるものか
はたまた、人智を超えた者からの干渉なのか。 揺蕩う事象の、僅か隣に潜む混沌。
裏返した世界の恐怖を、未だ誰一人知らず
しかし、彼女だけは、
この空の器へ宿すべき本当の神を知る。
「……ふふっ、アッハッハッハッ!」
そうして、いつしか無限とも言える時の中を
海面に漂い続ける海月の様に
意識もせず、頼りなく明日を手探る民を
彼女は嘲笑うのであった。
「アーッハッハッハッハッハッ!!!!」 「ははっ、は……」
有限とは、無限を証明する為の代償となり
この時間すらも、いつか地平の彼方への往路だと、理解する日が来るだろう。
「……」
いずれにしても
「〜っ」
今、この場で出来る事は、ただ一つ
理事長「……」
「ッッッ」
……早く、言い訳を考えなければならない。 第肆話【「あの子、この間も来てたよね」「どうする?例の人呼ぶ?」】 脳内神経回路を組み替えた事により、前世の記憶を取り戻すことに成功した、星空さん。
前の世界、全てがリセットされる直前に、惜別の涙と共に誓い合った未来
それを、嘗ての仲間達に伝える為、万感の思いを胸に、親友達の元へとキャタピラを駆動させていた。
しかし、星空さんの突然の豹変ぶりに驚いた小泉さんが、進歩派による排他的行為と勘違いしてしまい、総括の名の下、渾身のバックドロップを彼女の頭蓋に決めた。
後頭部を強かに打たれた事により、彼女の脳内回路は、大脳基底核に当たる"ニャンコロ・サーキット"の一部が破損した事で、著しく倫理観を欠いてしまった。 ワードサラダの如く、支離滅裂な言葉を発し続ける星空さんを尻目に
修繕が不可能ならば、いっそ封じ込めてしまおうと、自前の炊飯ジャーを開けて謎の文言を唱え始める小泉さん。
そこで立ち上がったのが、我らが園田さん。
温故知新とばかりに、星空さんの頭を叩き回して、一時的な機能改善を図ったのだが
最後の一撃、園田流・強制解脱剣が痛烈な仇となってしまい
ついさっき、星空さんの目からはハイライトが消え失せた。 壊れゆく星空さん
唱える小泉さん
とっても西木野さん
余裕の園田さん
憤る南さん
騒ぐ高坂さん
玩具の矢澤先輩
蔓延る東條先輩
たぶん絢瀬先輩
しかし、なんの因果だろうか
九柱の女神は、再び出揃ったのであった。 第伍話【私の顔見るたびにパン屋パン屋って言うけど、それ合いの手みたいに聞こえるからやめてくれる!?】 クサい。
穂乃果「……」
放課後の理事長室前で、それは不意に臭った。
海未「……」
新生・プラティマ研究部として活動する為の、資金捻出を画策した際の一案として
理事長室の襲撃。と言う項を実行しようとしていた、九人の愚か者たち。 絵里「……」
しかし、いざ踏み込まんとした、その瞬間
ソレは、鼻腔を刺突した。
希「……」
言いようのない、例える事の出来ない臭い
真姫「……」
しかし、生物由来の臭いでない事だけは
皆、直感で理解出来た。 にこ「……」
この、格式ばったドアの向こうから立ち込めてくる悪臭
凛(機能停止中)「」
それは、天然ガスや廃油のものでも無ければ
化学反応で発生した、気体特有の刺激臭などとも違う。
花陽「……」
コレがなんなのかは分からない。だが臭う。
クサい、クサ過ぎるんだ。 ことり「……っ」
そして、
ことり「〜っ」
この騒動の真相を知る者が──
ことり「ッッッ」
ここに一人。 全日本『木の皮ソムリエ』選手権。東日本ニガスギルファイナルにて、見事優勝を果たした、我らが絢瀬先輩。
残すところ、全国カタスギルファイナルだけとなった彼女は、その栄光に人目も憚らず咽び泣いた。
そんな友人の下へと駆け寄り、泣き濡れた頬を優しく拭った西木野さんは、功績への誉れと労いの言葉を、こうあかした。
「よくよくあなたに言っておく。あなたが求めているものが、皆の求めているものではない。ポンコツとは、人のあかしを受け入れない者の事だ」と。
彼女の言葉を聞くや否や、怒り心頭となった絢瀬先輩のオツムは、アイス・ブルーの血管と沸騰した血液が反応を起こし、その場で水蒸気爆発を起こした。 一方。ネオンサインが光る街中で、電灯の明滅と共に見え隠れする、東條先輩を他所に
兼ねてから、幻想を抱いていた大人の社交場へと、遂に足を踏み入れた高坂さん。
その道すがら、怪しげなスカウトの言葉巧みな勧誘に引っ掛かった挙げ句
一時間半後には、夜の蝶としてハゲだぬきとの一糸乱れた社交ダンスに、性を尽くす羽目となった。
そこで、淫行破廉恥許すまじ。と腰を上げたのが、我らが園田さんと南さん。 明滅を繰り返す東條先輩より、この報を受けた時の彼女たちは、正に悋気の火の玉と化していたそうで
太刀と薙刀を帯びた出立ちの下、ツユと散らんばかりに、桃色ダンスホールへと二人斬り込んだのであった。
約一刻もの間続いた、血で血を洗う抗争の果てに、白装束を下手人の血で染め上げ、薄暗いホールに立ち尽くしていた御両人。
その戦い様は、吉良邸へと討ち入った赤穂浪士の如く、
まさに、悪鬼羅刹の様相だったと言うのだから、華の女子高生侮ることなかれ。 そして、楽屋の隙間からこの惨状を観察していた、高坂さんの愛らしいおべべも、一部、香梅の様に染まっていた事につきましては
彼女の名誉の為にも、言及は控えて置きましょう。
──斯くして、
闇夜を切り裂く二つの閃光と、全国を目前に散った、一台のポンコツの物語は
これにて、終いとさせて頂きたく候う。
ー希瓦版・東京散策劇合戦ノ譚ー 第漆話【……さっきさ、東條先輩の前で『一人暮らしって羨ましいです!エグいオナラし放題でしょ!?』って言ったら殴られたんだけど】 俺はドライバーやってんだけど、ある田舎の国道沿いにある河川敷みたいなとこで急に糞したくなったんだけど、周りに便所も外灯もない。
しょうがねぇから、林の奥に行って下だけ脱いで(野グソは慣れてねぇから汚さないように)ふんばろうとしたら、いきなりライト当てられた。
警官かと思ったら、どうやら発展場みたいになってるらしく、林の中に車が止まっていてお仲間が盛ってたらしい。
いきなり俺が下半身マッパで糞してるもんだから、面白がってライトつけたまま笑いながら見てやがる。
最初は「おう! 止めろ! 明かり消せや!」って怒鳴って見たけど、全員ニヤけながら俺のケツに注目してやがる。
しかも離れたとこに置いておいたズボンを誰かが持ってて返そうとしない。
俺は糞してぇのが我慢できなくなって、自棄になって野糞を公開することにした。
「勝手に見てろ!アホ!」
怒鳴りながらしゃがんで力むと、「ブリ プスー ブババー」とデカイ音出しながら一気に切れのいい糞をひり出した。
周りの連中に「クセぇ でかいの出たな」とか「尻尾みてぇに糞がぶら下がってる」とか囃し立てられて、すげぇ恥ずかしかった。 理事長室や生徒会長室などには監視カメラなどを設置すべきではないな 穂乃果「ねぇ」
ツバサ「……」
穂乃果「なぜ、私になんの断りもなく、トッポを食べちゃったのかって聞いてるの」
穂乃果「喜び勇んで、開封したお菓子箱が空っぽだった時の私の気持ち……君に分かる?」
穂乃果「答えてよ、ツバきゅん」
ツバサ「……」
穂乃果「……」
穂乃果「……それなら」ボウッ! 前回、エリンギのデーモンと戦った際に取り出した、炎の原木。
内に、莫大なる紅蓮の力を宿したソレを元に、育成した溶岩菌を取り込んだ彼女は
赤黒く沸き立つ陽炎を身に纏わせ、眼前に立つ少女を一山の灰に化さんと
その怒りを顕すかの如き、燃え盛る掌を翳した。 ツバサ「……」
穂乃果「ベタだけどさ、なにか言い残すことはある?」
穂乃果「まぁ、私とトッポへの謝罪なら聞かないけど」
ツバサ「……そうね」
ツバサ「じゃあ、死ぬ前に教えてあげるわ」
穂乃果「……」
ツバサ「貴方は、この世界が既に一巡りしている事実を覚えてる?」
穂乃果「は?」 泣き言を喚いてる顔に食らわせてやろうと、言葉を促したつもりでいたのだが
事もあろうに、このデクの棒は妄想全開の与太話をし始めたではないか。 穂乃果「なに言ってるの?」
ツバサ「前の世界、多元宇宙との完全同化に失敗した私は、自分と言う存在の大半を失う事になったわ」
ツバサ「人として、生物としての遺伝子を失いながら、私の情報は緩やかに事象の地平へと散って行った」
ツバサ「このまま、無限に続く過去に溶け去っていくのかと思った、その時」
ツバサ「私は、アレらと出会ったのよ」
穂乃果「……」
ツバサ「──嘗ての世界。そこで、東條希が最後に使ったスピリチュアル・カード」
ツバサ「その強大な力で、全ての因果を一巡させてしまう事になった元凶」
『旧支配者たち』 コレは駄目だ。
せめてもの情けとして、黄色い救急車を呼んでやろうかと、スマホに手をかけた彼女だったが
穂乃果「……」
もし、ここで呼んでしまったら、呼んだ人間も付き添いとして同乗しなければならないのか?
関係性を聞かれて、コイツの友人と答えなければならないのか?
そう、幾つか逡巡したあと
穂乃果「……」ポリポリッ
ポケットに入れた手で、お尻の左側を掻いて誤魔化した。 ツバサ「覚えはないかしら」
穂乃果「なに、そう言う病気なの?」
ツバサ「高位次元で星空さんと接触した時、貴方も居たはずなんだけどもね」
ツバサ「東條さんのカードが持つ力は、それほど途轍もない回帰性を内包しているって事かしら」
穂乃果「意味わかんない。さっきからなんの話をしてるの」
ツバサ「……宵の明星。そのすぐ側に潜む、裏側の白色矮星」
ツバサ「燦然と輝いた、嘗ての名残が消える時、貴方は、この星の新たな光となる為に地上を去ったのよ」
ツバサ「本当に、なにも覚えていないの?」 なにやら、ごちゃごちゃと捲し立てているが、決して忘れたりはしない
今の私は、最後まで恨みたっぷりだから。 穂乃果「もういいかな?」
ツバサ「!」
穂乃果「そろそろ、その薄汚い顔にコレを喰らわせたいんだけど」
ツバサ「……まだ早かったみたいね」
ツバサ「いいわ。ここは一旦締めましょう」
穂乃果「そうだね。締めようか」スッ
ツバサ「……」
穂乃果「私に美味しく食べられる筈だった命が、私の所へ還ってくるまで」
ツバサ「ふふっ」
──刹那、 ピシッ
穂乃果「!」
透明な亀裂が、目前の空間に奔った。
穂乃果「なっ……!?」
ツバサ「あはは」
光は、正しく私の元へは届かず
ヒビを伴った、彼女の微笑む顔は
「 ア ハ ハ ハ 」
ただ、不自然に歪んでいた。
………………
………
… 第玖話【時間経過表記って便利でいいですね。ディアボロの気持ちが少し分かりました】 「どうか気付いて下さい」
「私達はまだ、明日の先への麓にすら立っていないと言う事を」
「どうか知って欲しいの」
「私達の未来は、その他の犠牲の中でこそ、幸せに辿り着くんだって事を」
「どうか分かってください」
「私達に与えられた時間は、遠い過去から削ぎ落とした残滓だって事を」
「どうか無駄にしないで」
「私達のいる場所は、捨てられたものたちの亡骸で形成されている事を」 「私達は見ていた」
「一人、泣き続けた遺児の最後を」
「私達は聞いていた」
「ただ、物乞いをした彼と銃声を」
「私達は感じていた」
「いま、この瞬間にも沸く痛みを」
「私達は生きていた」
「この、小さく渦巻いた世界の中」 意識は始まりへと向う。
生と言う逆境に於ける、ほんの小さな安息の場を求めて
私達は、この隧道の終わりへと旅する。
そうして、巡礼の果てに見つけ出した、一筋の光を手に、歩き続けた道すがらで
──それを見つけたのだ。
失くしてしまった、過去からの約束事。 「……私は、このカードを使う」
『いつか、何もかもを思い出す日が来ても』
「みんなとの全ての出会いを、最初から無かったことにするんだ」
『例え、後悔に泣き濡れたとしても』
「これまでの思い出も、楽しかった毎日も、全部」
『全てを終わらせる、その引き金になろうとも』
「……それでも」
『……それでも』
みんなを、愛してるよ。 第拾壱話【ガガガ、ガピーッ……ワガナハ、ホシ・ゾラリン。メグルセカイノトコウシャナリ。キョウハ、シンユウタチヘツタエネバナラヌコトガアル!ニャ!】 ヤツだった。
穂乃果「ッ」
前の世界。高位次元からの生還を果たした際、高坂さんと星空さんが引いた、存在の軌跡
その光の筋に意識を誘引し、旧神どもを私達の世界へと顕現させた、真の敵
綺羅ツバサ。 海未「……」
ことり「〜っ」
しかし、今や彼女の体は虚ろである。
綺羅ツバサの残滓を残した、この時空だけの存在ではない何かが、ひび割れた空の下に佇んでいたのだ。 にこ「ぐっ」
絵里「ッッッ」
A-RISEと言う隠れ蓑を利用して、自身の情報を複製し続けていたヤツにとって、仲間などとはどうでも良く、
ただ、宇宙の原初を探求する為の贄としか、認識していなかった。 花陽「×2°○〆=8tMや[9☆☆」
凛(修理完了)「ピガガッ、ケンチフノウノクウカンガトツジョハッセイ!ニャ!」
真姫「今日は晴れね」
今や、この世界に偶像は要らない。
宿すべき神は、もはや明日なき民のすぐ隣に御座せられるのだから 希「……愚かやな」
時を歪め、虚空の坩堝を生み出す、我ら有機生命体とは完全に異なる存在
物質に依存せず、感覚与件を経由しない、我々の認識する現象界の外側に坐する、混沌の支配者たち
全ては、思念の園へ回帰して行くのだろう。 希「肉体を持つウチら人間が、外の神さまと共鳴するなんてのは、本来あっちゃならない事なんよ」
穂乃果「……」
希「見てみぃ」
穂乃果「!」
希「彼女を認識する為の時空が、実は、奴らを呼び寄せるだけの導。この星への入り口に過ぎんかったんや」
希「奴らは待っとるんよ。あの子が引く軌跡が、自分らの足元へ届くのを」 凛「ガピーッ!」
凛「チンアツタイショウ[キラ・ツバサ]ヲコウセイスルヨウソノウチ、ヤク71%ノソンシツヲカクニン!ニャ!」
穂乃果「そんな事より、まだアイツからトッポ返して貰ってないんだけど」
ことり「穂乃果ちゃんが見えますっ!」
海未「それさえ分かれば充分です」
穂乃果「黙って」
にこ「てゆーか、どーすりゃいいのよ!」 にこ「ツバサは立体映像みたいになってるし!学校はなんかボロボロだし!」
絵里「Я злюсь сейчас!!!」プンスカ!
にこ「オマケに、コイツらはこんなんだし!」
絵里「Потому что Нико оскорбил меня.!!!」プンスカ!
花陽「$$+:=<々+・63^・9-」
真姫「よくよくアナタ方に言っておく。この星を育むのには、四十六億年もの時が費やされています。だのに、アナタ方は数日のうちにそれを壊すのですか」
凛「チンアツタイショウ[キラ・ツバサ]シュウヘンノ、ゲンジツワイキョクリツガ、ゲンザイ1・48ニタッシテイマス!ニャ!」 にこ「あーあ。どいつもコイツもあーあ!」
穂乃果「すっごく分かるよ、その気持ち」
海未「矢澤……っ」
ことり「……」
真姫「ご婦人、その釜はしまいなさい。それを以ってなんとなるのでしょう」
花陽「!」
花陽「……無念なり」
絵里「Запросить извинения!!!」プンスカ! 凛「テキタイイシヲカクニン。チンアツタイショウヲ[キラ・ツバサ]カラ[アヤセ・エリ]ニヘンコウ。ムリョクカヲジッコウシマス!ニャ!」ガチャ!
絵里「Извините!!!」ズザッ
穂乃果「みんな落ち着いてっ!!」
穂乃果「とにかく、先ずはあのボヤーンってしてる泥棒女を、元に戻せばいいんでしょ!?希ちゃん!」
希「そうやな。外神をこの地球に呼び寄せない為の、一番手っ取り早い方法がそれや」
希「まぁ、一番の難関でもあるんやけど」
穂乃果「よぉ〜し……」
穂乃果「やってやるっ!!」 〈コウサカ・ホノカ〉
体力 :195
持久力:87
力こぶ:可愛い
速さ :13s/100m
うた声:ソプラノ
ダンス:ド派手
お菓子:トッポ。ドンタコス。
〈トージョー・ノゾミ〉
体力 :204
持久力:91
力こぶ:意外とある
速さ :(サラシ有)14s/100m(サラシ無)21s/100m
うた声:ソプラノ、アルト
ダンス:控えめ
お菓子:アポロの下だけ
〈アヤセ・エリ〉(KKE)
体力 :231
持久力:104
力こぶ:ちょっと
速さ :13s/100m
うた声:ソプラノ、アルト
ダンス:派手
お菓子:ムラヴェイニク 〈アヤセ・エリ〉(PKE)
体力 :231
持久力:104
力こぶ:こんぶ?好きじゃないわ。
速さ :20m地点で転ぶ為、測定不能。
うた声:ドレミファどん!
ダンス:イクラってロシア語なのよ?知ってた?
お菓子:お○ん○んチョコレート
〈ミナミ・コトリ〉
体力 :210
持久力:81
力こぶ:たんとある
速さ :15s/100m
うた声:ソプラノ
ダンス:派手
お菓子:穂乃果の◾︎◾︎
〈ソノダ・ウミ〉
体力 :202
持久力:105
力こぶ:いちだんとある
速さ :13s/100m
うた声:アルト
ダンス:かなり控えめ
お菓子:穂乃果の◾︎◾︎◾︎ 〈ヤザワ・ニコ〉
体力 :170
持久力:90
力こぶ:可愛すぎ
速さ :15s/100m
うた声:アルト
ダンス:派手
お菓子:おしどりミルクセーキ。千歳飴。
〈ホシゾラ・リン〉
体力 :186
持久力:233
力こぶ:可愛いにゃ
速さ :12s/100m
うた声:ソプラノ、アルト
ダンス:派手
お菓子:紗々。じゃがりこ。
〈ホシ・ゾラリン〉(改造済)
体力 :552
持久力:1321
力こぶ:硬すぎる
速さ :3s/100m
うた声:ビープ音
ダンス:ガシャガシャ
お菓子:ペトロナス(シンティアム モト)RS4 〈コイズミ・ハナヨ〉
体力 :206
持久力:77
力こぶ:意外とある
速さ :16s/100m
うた声:ソプラノ
ダンス:かなり控えめ
お菓子:雪若丸3kg
〈ニシキノ・マキ〉
体力 :228
持久力:94
力こぶ:いちだんとある
速さ :16s/100m
うた声:ソプラノ、アルト
ダンス:派手過ぎる
お菓子:は?トマトもお菓子でしょ。夏野菜?イミワカンナイ。
【キラ・ツバサ】
体力 :ー
持久力:ー
力こぶ:ー
速さ :ー
うた声:ー
ダンス:ー
お菓子:穂乃果のトッポ 〈ホノカ〉のこうげき!
ツバサのスネをけっぽった!
しかし、それはすり抜けていった……。
〈ホノカ〉のこうげき!
ツバサのあしをふんづけた!
アリがいっぴき、てんにめされた……
〈ホノカ〉はアイテムをつかった!
ドンタコスをしょーひした!
手がベタベタだ…… 〈ホノカ〉の足が、ツバサの足とくっ付いた!
〈ウミ〉と〈コトリ〉はプンプン丸!
〈ウミ〉のラブアローシュート41!
ドンタコスにあたった!
〈コトリ〉のメガトンパンチ!
トッポがくだけた!
〈ホノカ〉はプンプン丸! 〈ハナヨ〉はすいはんきのフタを開けた!
なかには、炊きたてのはくまいが入っていた!
〈ニコ〉はスキルをはつどうした!
たきたてのはくまいを料理した!
ごくじょーパエリアができあがった!
〈マキ〉はスキルをはつどうした!
ごくじょーパエリアを料理した!
〈ニコ〉はせんとうふのうになった…… 〈ゾラリン〉のこうげき!
【ネコライザーΔ】をつかった!
ちぇれんこふはんのうにより、からだが青じろく光りだす……
りゅーしかそくき、かどうりつ100%
【ネコライザーΔ】はっしゃ!
こうそくのかでんりゅうしが、ツバサをおそう!
グラウンドにあながあいてしまった! 〈エリ〉K のこうげき!
ツバサのおなかをなぐった!
しかし、それはすり抜けていった……
〈エリ〉K のこうげき!
ツバサへまわしげりをはなった!
ずっこけてあたまをうってしまった!
〈エリ〉P はアイテムをつかった!
お○ん○んチョコレートをとりだした!
みんな引いている…… なるほどプレマはサンスクリット語由来のヒンディー語でも愛だったんだ 明けましておめでとうございます。
長々と放置してしまい、申し訳ありません
保守までして頂いてありがとうございます。
書き溜めていた物ではないので、
手早く畳ませて頂きたいと思います。 〈ツバサ〉はたたずんでいる。
コレはからっぽだ。
こうげきしても意味がない。 ──────
───
─
「ハァッ!ハァッ、はぁ……っ」
穂乃果「くっそ〜!」
希「……」
凛「ガガッ、タイショー[キラ・ツバサ]ニヘンカハミラレナイ!ニャ!」
絵里「ねぇ、もうアレ捨てたから……お願いだからコッチ来てよぉ……」
真姫「近寄らないで下さい」
花陽「お米返して下さい」
海未「にこっ!!これ以上穂乃果をアレに近寄らせないで下さいっ!!」
ことり「○してやるっ……絶対に○してやる……っ!」
にこ「ッッッ」 刻一刻と、拡がり来る偽りの空。
そこには、光も陰も生まれず、人々の幸と不幸、善と悪すらも飲み込まれて行く様が、只々映し出された
空は、終わりを示す色を纏いだしている。 にこ「なによこれ!こんなのどうしようもないじゃないの!」
希「……前回は、穂乃果ちゃんと凛ちゃんが一つ上の次元に干渉出来たお陰で、辛うじて奴らと闘う事が出来たワケやけど」
希「今は、ウチの持ってる大アルカナしか対抗する手段がない」
穂乃果「……」
希「だから、言ったんだよ。ここが、一番の難関やって」
絵里「アレ貰ったやつだからね?本当よ?私が買ったんじゃないから……」
真姫「よくよく言っておく。わたしは自分の見たこと、聞いたことをあかしている。貴方は、わたしのあかしを受け入るべきだ」 にこ「じゃあ、本当にもう打つ手はないってこと!?」
希「……」
希「無い事はない」
にこ「え?」
希「……」
穂乃果「!」
穂乃果「ダメ!」
希「!?」
穂乃果「アレを使っちゃったら、また同じ事の繰り返しになるんだよ!?」
穂乃果「また、離れ離れになっちゃうんだよ!?」 希「せやかてホッノ」
希「このままじゃ、どうしたってこの星の存在ごと消されるんを、ただ待つだけやで?」
海未「なんですか、その呼び方はっ」イライラ
ことり「さまを付けなよ?タヌキ女」ムカムカ
にこ「……凛」
凛「テキタイイシヲカクニン。タイショウ〈ソノダ・ウミ〉〈ミナミ・コトリ〉ヘチンセイザイヲトウヨシマス!ニャ!」バシュ!
海未「うっ!?」
ことり「あぅっ!」
ドサッ
穂乃果「……」 輪廻を経て、もう一度転生を果たす事が出来るのならば
或いは、私たちの生きた道、その軌跡をもう一度辿れるのかも知れない。
……しかし、 穂乃果「いいのかな」
希「え?」
穂乃果「私たちは、本当にそれでいいのかな」
穂乃果「仮に、もう一度やり直したとして、また同じ失敗を繰り返すだけなんじゃないの?」
希「……」
穂乃果「そもそも、次は出逢えないかも知れない」
穂乃果「私たちのうち、誰か一人でも欠けたら、此処へ立つ事すら叶わなくなる」
穂乃果「そうしたら、今度こそ何もかも消されちゃうんだよ」 にこ「お、終わりだわ……っ」
希「っ」
にこ「こんなの、もうどうしようもないじゃない……っ」
真姫「私ト和解セヨ。サスレバ与エラレン」
凛「ジクウカンコウジョウセルガ、ソノイキチニタッシマシタ。コレヨリ、サンジゲンクウカンヘノシンショクガハジマリマス!ニャ!」
希「……けっきょく」
希「望みは無かったって、そう言うことなのかな」
穂乃果「……」 綺羅ツバサと言う存在は、いよいよその器を境界とする役目を担い始めた。
これにより、地上は混沌の坩堝を生み出し、時を創れぬ空間が、やがて日常を侵食して行くだろう。
この世の凪を破った、異界より來し住人たちの再誕を謳う、偽りの宇宙
暗く、暗く、
それは、遥か淀みより這い出し、ソレを持って終わりと定める絶対の存在
私達の未来は、ここに絶望の時を迎えるのだろうか……
穂乃果「……」 穂乃果「……あの、宵の明星」
希「!」
穂乃果「そこを起点にして、影の刺す方へ七と二分の一光秒進んだ先、その裏側にある白色矮星」
穂乃果「星の寿命が終わる、正にその時に生まれる事象の地平の彼方に」
穂乃果「前の私と凛ちゃんが触れた、一つ上の次元への入り口があるんだ」
にこ「な、なに言ってんのっ」
真姫「……」 穂乃果「そこで、今よりも上の存在になる事が出来れば……」
穂乃果「もしかしたら、神さまに対抗する力が生まれるかも知れない」
凛「ガピーッ!」
凛「ジゲンカントコウノサイニ、ボウダイナエントロピーガハッセイスルトヨソクサレル!」
希「……」
凛「ソノエネルギーハ、キワメテフカギャクセイノタカイモノデアリ、シツリョウ1.9891×10ノ30ジョウkgノテンタイガ、ジコホウカイシタサイニウマレルモノト、ホボドートートオモワレル!ニャ!」 穂乃果「……前は、私一人でやろうとして、そして失敗した」
希「……」
凛「シッパイノヨウイン。ソノモットモカノウセイガタカイモノトシテ、リジチョウシツノアレガガイトウスル!ニャ!」
ことり「!?」
海未「ことり?」
にこ「……」
穂乃果「でも、大丈夫」
穂乃果「今はみんながいる!」
花陽「ほ、穂乃果ちゃん……」
真姫「穂乃果……」
絵里「Пожалуйста, помогите кому-нибудь……」 穂乃果「……じゃあ、凛ちゃん」
穂乃果「お願いするね」
凛「ガピッ!」
凛「【ネコステイシス】キドウ。ヨイノミョージョー、キンセイヨリ2,248,443,382.5mチテンヘポータルヲセツゾク!ニャ!」ガション!
凛「ピーゴーガリガリッ、ピーゴーガリガリッ……」
凛「セツゾクカンリョウ。カイメンジョウタイハリョウコウ。コレヲイジシマス!ニャ!」
希「っ……っっ」
にこ「ぅあ……ま、真っ暗……っ」
花陽「むっ、向こう側が見えない……」 一巡りしたこの世界で、また同じ存在として産まれた事の意味
そこに、生と存在の答えがあるとするなら
ならば……
今こそ、新しい光となろう。
我ら九つの柱が、この星の光として君臨し、迷える人々の、その先を照らし続けようではないか。 穂乃果「……ごめんね、みんな」
穂乃果「私、一人じゃなんにも出来ないの」
穂乃果「何か初めて、その度に失敗して、挫折して……」
穂乃果「みんなが居ないと、ホントに何にも出来ない、ダメな人間なんだ……」
穂乃果「だから……お願い……っ!」
嘗て、ひとり孤独に闘おうと足掻いた、この世界の結末を、今度は、私たち全員で
──そうすれば、きっと。 「大丈夫」
にこ「何処にいたって、私らは一緒よ」
「そうね、変わるわけないわ」
真姫「ここで産まれて、育った限りはね」
「そうですね」
海未「今度こそ、この赤い糸は離しませんよ」
「てゆ〜かぁ」
ことり「もう、糸を辿る必要もないかもねぇ〜」 「ご、ゴールがあるのなら……」
花陽「後は、頑張って走るだけですっ」
「Подождите минутку」
絵里「Я снова вернулся!?」
「ガガッ」
凛「ワレワレハツネニ、イッテイノシツリョウヲタモッテ、コノセカイヲメグッテイル。ソレハ、タダツクリカエラレルダケナノニャ!」
「……そっか」
希「なら、コレから私達が向かう所も、そうだと良いね」 穂乃果「……次に、あの日常が戻った時」
穂乃果「その時、私たちはこの空からみんなを見守ってる」
穂乃果「ここから、新しく始まる日々をね」
穂乃果「どの星よりも遥か遠い所から、それを見守ってるんだ」
にこ「〜っ」
真姫「……」
花陽「ッッッ」
穂乃果「……もう、思い残す事はない?」
海未「は、はいっ」
ことり「〜ッ」
絵里「Не может быть исправлено!!」
希「絢瀬うるさい」
穂乃果「……」
穂乃果「じゃあ、行こうか」
穂乃果「これから始まる、みんなの生活──」
「愛の人生のために」 最終話【最終局面のところ申し訳ないのですが、今回で打ち切りだそうです】 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています