サヤ「先程は大変失礼いたしました」

恋「い、いえ……」

少しの間気まずい沈黙が訪れる。

きっと、彼女も言葉を選んでいるのだろう。

わたくしがまだ幼い頃から仕えてきた葉月家への想いもあることは想像に容易い。

彼女のことを想えばわたくしから切り出した方がいいのかもしれない。

しかし、先に沈黙を破ったのは彼女の方だった。

サヤ「その、お嬢様。私の勘違いだったら申し訳ありませんが、お嬢様は私を、その……」

サヤ「……そういった意味で好きなのですか?」

たどたどしく紡がれた彼女の言葉にわたくしが頷くとまた沈黙訪れる。