あなた「伝説の山村ソープにやってきた……」
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私はしがないJK、あなただ。
あなた「いやぁ、やっとついたね」
侑「そうだね……!」
今日は日々の疲れを癒しに、友達の侑ちゃんと西日本の山あいの温泉地にあるという大きなソープランドにやってきた。
ソープランドといっても普通のソープとは一味違う。
スーパー銭湯のような店内には女の子が普通にお風呂に入っていたり、休んでいたりする。
私たちがすべきことは、気に入った子に声をかけ、盛り上がれば事を成す。
そういうことだ。 そんな中、侑ちゃんがやおら、エマさんに近づきやがった。
侑「あの〜」
あなた「ちょっとッッッ!」
侑「わっ!?」
私は咄嗟に侑ちゃんの手を強く引き戻した。
バランスを崩してよろけそうになったが、なんとか転ばずに済んだ。
侑ちゃんは当惑の表情を私に向けた。
侑「なっ、何……?どうしたの?」
軽い謝罪の後、「まだ早いでしょ」などと早口で彼女を諌めた。
私たちはまだ浴衣を着てすらいないのだ。
ここで下手にがっついて、「こいつら必死すぎw」と思われたらどうする?
郷に入っては郷に従え、浴衣美人を口説きたければ私たちもそれ相応の装いをすべきだ。
それが道理というものだろう。
侑「でもさ、私たちが部屋に行ってる間にいなくなっちゃうかもよ?」
あなた「ッ……!」
なるほど、それは確かにそうだ。
私は私の考えの及ばなさを恥じた。
急いては事を仕損じるというが、そのようなリスクを犯してでもエマさんに……我ながら品性を欠く物言いだが、唾を付けておくべきかもしれない。 千載一遇の好機、これはなんとしても逃してはならなかった。
エマさんと一夜を共にできるかもしれない。
それは私の思考を狂わせるのには十分だった。
待て待て……仮にエマさんとの共寝にあずかれずに終わってしまったとしても、仲良くなれたらそれでいい。
落ち着くんだ、私。
とはいえ、この状況。この世界の誰が平常心を保っていられようか。
いや、誰もいないのである。
まとまらない頭の中を必死で整理し、エマさんにどうアプローチしようかを考えていた。
実のところ、エマさんと生で言葉を交えたことのない私は、彼女を画面越し、あるいはステージ越しの情報でしか知らない。
どういう話題が適切なのだろうか。
なにせ、ここはそういう場所だ。
エマさんがそれを理解しているのであれば、お互いに行為を見据えての会話となる。
あくまで下心を隠すべきなのか、あるいは……ストレートに行くべきなのか?
あなた「……」
侑「あなたちゃん……?」
私たちの沈黙を、どこからか響く琴の音色が心地よく誤魔化してくれた。 待って待って、エマさんはスクールアイドルなんだよ?
スクールアイドル in ソープランドはあまりに背徳的なスキャンダルだ。
エマさんだって自身の素性は明かしたくないだろう。
それに、ソープで嬢のプライベートや過去を探るほど無粋な行為はない。
都合の良いことに、侑ちゃんはエマさんを知らないようだし、ここは私もあくまで彼女を知らぬという体裁で行こうじゃないか。
そう、私たちは日々の疲れを癒やしに来た、しがないJK。
都会の喧騒を離れ二人、辺境の田舎に迷い込んだ。
そこで故も知らぬ美女に見とれ、つい声をかけてしまう。
素直でいれば良いのだ。
浴衣を着た女の子ばかりの空間で、私服の私たちは少し浮いている。
早くエマさんに声をかけよう。
逡巡を断ち切り、意を決して侑ちゃんと向きあった。
あなた「ごめん、侑ちゃん」
あなた「――行こう」 侑「う、うん……」
私の覚悟に若干引き気味の侑ちゃんだったが、どうか許してほしい。
これは私にとってはそれくらい意味のあることなんだ。
あなた「……」
恐る恐る、というべきか……いや、エマさんが怖いわけじゃない。
ただ、憧れの芸能人に街中で出会って話しかけることが許されるのかどうか、そういった類の緊張感に支配されつつ、近づいていく。
エマ「ふんふん……しゃららんら、しゃららんら♪」
エマ「いつだって for you〜♪」
あなた「ッッッッ――」
なんということだ。
それはあまりに小声で、至近距離に至らなければ耳に届かない。
しかし確かに、可愛らしい旋律を奏でている。
エマ「〜♪」ユラユラ
あなた「ッッッッ――」
よく見たら音楽に乗って無意識なのか、小さく身体を揺らしている。
うわっ、かわっ……やっば、あっ。 あなた「はぁ……」
私はエマさんの尊さを前に、天を仰いでため息をついた。
ああ、神よ、この世にエマさんという高貴な存在を顕現させてくださったこと、心から感謝し申し上げ奉ります――。
恍惚とした気分でいると、どうだ。
エマさんの歌声がぴたっと止んだ。
まずい、気付かれたか。
エマ「……」
臙脂色の矢絣の浴衣も、その動きを止めている。
あなた「……」
侑「……」
そして、ゆっくりと、エマさんが振り返った。
ただ首だけ振り返るわけじゃない、「よいしょっ」と小さく発しながら身体ごと振り返ってくれた。
固まる私たちを見て、にっこりと微笑んだ。
エマ「いらっしゃいっ♪」
あ、あ……あっ。
っべ、ああっ、かわっ、ちょっ、あっ……。 エマ「ふふっ、どうしたの?」
エマさんは立ち上がって興味津々に私たちを見つめた。
やっぱりこれはエマさんだ……、本物のエマさんだ!
幼馴染の顔より見てきたといっても過言ではないこの顔を見まごうはずもない。
はっ、いけない。
早く返事をせねば。
あなた「こっ、こここっ、ここっ!きっ、綺麗ですね!」
侑「はは……」
緊張で声が上ずった、やばい、恥ずかしい。
体温が急激に上昇し、頭が締め付けられるような感覚を覚えた。
絶対変な人だと思われたに違いない、侑ちゃんも苦笑いだ。
ところが、エマさんはあくまでも気に留めない様子で「そうだね」と返すのである。
……ああ、そうか。
さっきも自分で結論に至っていたではないか、自然体で、ありのままでいいのだ。
エマさんの態度は私の緊張をあっという間に解きほぐしていった。
エマ「二人のお名前、教えてもらってもいい?」
侑「侑です!」
あなた「あなたです」
エマ「侑ちゃんに、あなた、だねっ……よろしくね!」 あなた「よっ、よろしくお願いします。エm――」
エマ「あっ、そうだ。私の名前はね、マリアって言います。二人のお好きなふうに呼んでくれたら嬉しいな」
あなた「っふんっ、おぇっふん!」
エマ「大丈夫?」サスサス
危ない!一瞬"エマさん"と呼びそうになってしまった。
エマさんの話の裏で空咳を出して誤魔化した、まさに間一髪だった。
しかも、彼女は私を心配して背中をさすってくれさえする。なんという棚ぼただろうか。
しかし、マリアか。
異国の教えの聖母の名にあやかっているその源氏名は、西洋出身のエマさんに相応しい。
侑ちゃんも同じ考えを巡らせていたのだろう、頷き合う私たちなのであった。
あなた「うむ」
侑「うむ」
"源氏名"というのは今でこそ自由に付けられるものだが、
かつては源氏物語の54ある各帖の題名にちなんでつけられたものだという。
例えば"桐壺"、"若紫"、"夕霧"といった具合である。
ところで源氏物語にはその巻が54ではなく実は全部で60から構成されているのではないかという説が存在する。
一聴して異国の響きを持つそれが、残る6帖の中に入っていたとしても何ら不思議ではない。
それくらい自然な感触を持って私たちに響いたのだ。
それに、日本にはそう、例えば――毬といった漢字もあるくらいなのだから。 >>34
えんじ色ってこんな漢字書くんだな初めて知った スレタイ見て絶対エマさん出てくるだろうなと思ったら案の定だった 山村紅葉とイアンソープが結婚したら山村ソープになんのかな あなた「……ん?」
源氏名?
どうしてエマさんが源氏名なんて使う必要があるんだ。
一般的に、それは素性を明かさないようにするためだろう。
何のために?いや、下らない自問自答はよそう。
私は、私の予感が現実のものとして立ち現れて来ていることを感じた。
そっか、やっぱりエマさんは……。
エマ「今来たばっかり?」
侑「うん、そうなんだ」
エマ「ふふっ、そうだよね。あっ、もし良かったらお部屋まで案内してあげようか?」
二人のやり取りが盛り上がっている。
二人の背中にただついていった。頭がいっぱいで、その道中の模様に意識を向けられなかった。
エマさんがここにそういう目的でいる。
それは嬉しい……けれども嬉しくない。
本来は親密にならなければ得られない関係と快楽、憧れの女性をこの手で抱ける、それは喜ばしいことだ。
しかし、そうであればエマさんは私の他にも数多の女性の腕の中で一夜を明かしてきたということだ。
元来、自分のものにできるなんて微塵も思っていないのだが、その事実はやはり苦しくのしかかるのである。
とはいえ、エマさんが単なる勘違いでここにいたならば?
それも嬉しいが、やはりその一方でなんとなく残念がる自分が想像できてしまった。
相反する下心と真心が、私の中に確実に存在する。
哀れで悲しいアンビバレンスだ。 エマ「着いたよ〜♪」
可愛い声に、思索の底に沈んでいた意識を少しだけ呼び戻された気がした。
このソープに至るまでの侑ちゃんとの道中を振り返る。
大枚はたいて経験者から情報を集め、計画を立てるため、幼馴染から隠れるように夜ごとの密会を続ける日々。
青春18きっぷを使ってお尻を痛くしながら東京からやってきたじゃないか。
己の欲望に忠実になれ、私。なってしまえば楽だ。
踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損。
ここまで来て何もしないなんて、女がすたるってもんだ、違うか?
侑「すっごぉ……めっちゃ広いよ!あなたちゃんも、ほらっ!」
現に侑ちゃんはとっても楽しそうだ。
あなた「……っ」パシッ
うん、やっぱりこんなんじゃだめだ。自分の頬を両手で叩いた。
私は無理やりにでも気持ちに整理をつけ、この状況を楽しむことに徹しようと思った。
あなた「……!」
ありがたいことに、目の前に広がる部屋の様子が、私の気分を上げる手助けになってくれた。 いわゆる和室の客室になっていて、私と侑ちゃんだけでは心もとないほど広々としていた。
これはつまり、「連れ込め」というメッセージなのだろうか?
エマ「座って、まずはお菓子でも食べようよ〜」
エマさんに連れられ座った無垢の座卓、その中心では香木が炊かれていた。
お線香に近い香りだが、それよりも奥深い感じがして、畳の香りと調和している。
襖の上の欄間は丁寧な彫刻がなされており、職人の息遣いが宿っているような気がした。
床の間には季節の花々が生けられて、近づけばその周りの空気を吸い込んでしまいたくなるくらいに新鮮だった。
その上の掛け軸も、私にはよく分からないけれども、きっと由緒あるものなのだろう。
極めつけに、南に面した大きな窓からはさきほどの山景色が一望できた。
侑「ほぇぇ……」
単なるソープには到底思えない。
これは、これは一体……侑ちゃんも目をまんまるにしている。
私は敬意を込めて、以後このソープを"旅館"と呼ぶことにする。
エマ「はい、どうぞ♪」
ずぞぞっ……エマさんが淹れてくれたお茶も美味しい。
長旅を経、女二匹は今宵のねぐらを確保した安堵から気がゆるんでいった。 旅館に到着してから1時間が経とうとしていた。
一息ついた私たちはここでようやっと浴衣に着替える運びとなった。
私の浴衣を両手に持って、
エマ「着させてあげようか?」
なんてエマさんは言う。
エマさんの発言にはなんのいやらしさもない。
身体の奥がたぎってしまうのはひとえに、私の心が汚れているからなのだ。
浴衣を着させてもらうとはどういうことだろうか。
まず今着ている上衣は脱がねばなるまい。
ではキャミソールやブラはどうなのか?
普通の旅館であればインナーは着た状態で浴衣を羽織る人が大勢を占めるだろう。
だが、ここではどうせそれらは即座に脱ぎ捨てるものだ。
むしろノーブラの方が揉みやすいまであるな。
であれば、すっぽんぽんになって着させてもらうのか?いや、それはちょっと恥ずかしい。
遅かれ早かれ一糸まとわぬ姿を互いに見せ合うことになるのだが、行為に際した裸と平常時の裸では見せることに対する抵抗感が違う。
うーん、エマさんはどうしているのだろうか?
ごわついた浴衣からはよく分からなかった。帯もややしっかり目に結びつけられており、そのたわわを窺おうにも、やはり手がかりは得られそうにないのである。 結局、私も侑ちゃんもエマさんの手は借りないことにした。
エマさんは「えぇーっ、じゃあせめて帯だけでも結ばせてよ」と、やや不満げに頬を膨らませたのだが、それもまた可愛いのであった。
旅館には大浴場があるが、当然客室にもお風呂があって、簡易ではあるが露天風呂もある。
そこへのアプローチは大きな洗面所兼脱衣所となっており、贅沢にも蛇口と洗面ボウルは2組備え付けられていた。
アメニティも使い切れないほど揃っている。
そんな脱衣所で鏡を見ながら侑ちゃんと浴衣に着替えている。
下着は着たままで、その上に羽織ることにした。
侑「……」
あなた「……」
しゅるしゅると侑ちゃんは手早く服を脱いでいき、黒いランジェリーが現れた。
なるほどね、それが侑ちゃんの勝負下着か。かわいいね。
彼女が黒ならば、私は白だ。
このあとは、エマさんと一線を超えることになるのだろう、高鳴る予感が下着を湿らすのを感じた。
私と侑ちゃんとエマさん、になるのか。
本当のところは、エマさんと二人きりで及びたい……それが叶わないのなら、せめて最初にエマさんの秘部に触れるのは私でありたい。
今日のエマさんの初めての相手になりたい……。
今日セックスしてない女性の最初の相手になるのならそれはもう実質処女を奪うことと同義である、私の思考回路は混乱を極めていた。 気付けば私は侑ちゃんに泣きついていた。
どうか、最初はエマさんと二人きりでヤらせてくれはしないだろうか、と。
侑「ええ……」
彼女はドン引いていた。
もはや恥も外聞もない、欲望を友人に曝け出していた。
侑ちゃんは苦笑いを浮かべながらこめかみに指をあててぽりぽりとかいていた。
私はさらに詰め寄る。
あなた「お願いします……お願いします……なんでもしますから」
友人は疑問に思ったことだろう、なぜ一介のソープ嬢にそこまで固執するのか、と。
「まさかあなたちゃん……」となにかを悟った侑ちゃんは続けた。
侑「マリアさんのことを好きになっちゃったの?」
そうなのかもしれない。
私の無言は肯定と受け取られ、侑ちゃんは友人として私に諫言した。
侑「それ以上いけない……!茨の道になるよ」 そういった女の子に心酔しても、何かが得られる可能性は限りなく低い。
彼女はこんな私のことを心から案じてくれていた。
侑「分かったよ」
侑「私はお風呂にでも入ってる。だけどさ、あなたちゃん、本気で好きになっちゃだめだよ」
侑「私と約束してくれたら、譲るよ」
あなた「大丈夫……」
大丈夫だ、大丈夫。
私も嬢に「好きです」などと告げてしまうほどうぶではない。
扉の向こうで待っている女性はあくまでもエマさんではないのだ。
一時の夢として、瞬間を楽しむための舞台装置に過ぎない。
なに、今まで何度も経験したことじゃないか。
今回はその相手が、たまたま憧れの人物の面影を色濃く残しているというだけだ。
侑「あっ、でもあとで私もさせてよね!あなたちゃんがシてる間に、大浴場で私はもっと沢山しちゃうから」
私たちは頷き合い、抱擁を交わし、互いの健闘を祈った。
あなた「うむ」
侑「うむ」 エマ「わぁっ、似合ってる。かわいい!」ギュッ
エマさんは浴衣姿の私たちを見るやいなや駆け寄って抱き寄せてきた。
あなた「わっ……」
あったかい……。
エマさんの身長は私たちより一回り高く、全身を包み込まれるような錯覚に陥る。
ってかいいにおいすぎる、やばい。甘いミルクのような芳香がした。
侑ちゃんはやにわにエマさんに告げる。
侑「私は先に温泉に行って温まりたいから、そっち行ってくるよ!」
エマ「そうなの?」
侑「う、うん。イ、イッテキマス!」
頭の中で用意した台詞を読み上げる侑ちゃんは、芝居を打っているのが丸わかりだ。
変に思われてないだろうか、と少しだけ心配したのだが、そのわざとらしい調子が逆に「二人でよろしくやっておくれ」というシグナリングになった。
少なくともエマさんはそう受け取ったのだろう。
エマさんは再び座椅子に私を座らせた。しかし、今回は向かい合う形ではなく、隣り合う形である。
エマ「二人きりになったね」 あなた「そ、そうだねっ……」
あなた「……」
エマ「……」
ああーっ、私、しっかりしろ。
まいった、会話をリードしたくても緊張して話題が出てこない。
だってかわいすぎるんだもん。
決して浅くはない私の風俗歴の中でも初めての経験だった。
静寂が心臓の鼓動をどうしようもなく目立たせる。
私はまるで蛇に睨まれた蛙だ。
無言が続く中、非常に情けない話だが、最初に行動したのはエマさんだった。
エマ「……」コロリ
あなた「っ――!」
そう、あろうことか、エマさんはころりと身体を私に寄せてきたのだ。
まるまるとした頭が私の肩に乗っかった。
三編みを結わえた髪の毛の流れは整然として、窓から差す陽光を、天使の冠のように映した。
エマ「……」エヘヘ あなた「……」ギョロッ
気もそぞろに隣に視線を移す。
エマさんは瞳を少し伏せて――恐らく、私が動くのを待ってくれている。
呼吸をするたびにいいにおいがする。
人体からこんな芳香がするとは、一体どういうメカニズムなのだ。
落ち着こうと思って深い呼吸に努めれば努めるほど、エマさんの香りで脳味噌が麻痺していくようだ。
エマ「……」
あなた「……」
ゼロ距離に迫ったエマさんを、まだ、見つめる。
エマさんの胸や肩が一定のリズムを刻んで揺れている。呼吸だ、当たり前だが。
しかし、エマさんが隣で呼吸をしているという事実がどうしようもなくリアルを感じさせた。
温かい、息をしている、生きている。
これから、エマさんと人間の生の極点とも言える行為に励むのか。
あっ、あっ。 瞬間、理性と野性のせめぎ合いのバランスが崩れる音がした。
私は半ば無意識のうちに膝立ちになって、エマさんの両肩に手を添えた。
あなた「……んっ」コツッ
エマ「んんっ……」
――勢いよく、唇をぶつけた。
すこし驚かせてしまったのかもしれない、彼女の身体がぴくりと引きつった。
唇と唇を重ねたまま、暫しそのままにする。
エマ「ふ……」
エマさんの鼻息が私の上唇に当たる。あったかい、いいにおい。
やや力を込めて唇を押し付けると、硬い感触がする。歯だ。
閉じた目をこっそり開けると、3cm先には閉じられたエマさんの瞳があった。
眉毛はまるで馬のように、長すぎず短すぎず、一定方向に流れが整えられている。
瞼から主張する睫毛はくるりと曲線を描きながら上へと向いており、思わず見とれてしまう。
エマ「んっ……」
体制に疲れてきてしまったのかもしれない、エマさんは少しだけ鼻息を荒げた。
温かい呼気がぶつかる、それがまた私を興奮させた。 今日はこのくらいで
次は木曜からしっかりやります、遅筆ですみません >>60
>今日セックスしてない女性の最初の相手になるのならそれはもう実質処女を奪うことと同義である、私の思考回路は混乱を極めていた。
このセルフ突っ込み好き すまんラ板のSS文化全く理解してなくてつまらないと思ってたけどこれは次元四つ位違うわ
こういう名作集めたサイトとかあるんかアフィ >>70を撤回して以下に差し替えます
エマさんの造形美をこのまま永遠に眺めていたい気分だったが、私も、乙女を待たせ続けるほど野暮な淑女(おんな)ではない。
私は膝立ちになり、彼女の両肩に手を添え、顔と顔を向き合わせた。
エマ「……」
そのぱっちりと開いた瞳の眼力は凄まじく、吸い込まれてしまいそうになる。
また、幅の広い二重と濃い睫毛は、その碧眼を飾る額縁のように思えた。
口吻に許しを請う必要はない。
ただ、場の流れに身を委ねて重ねれば十分だ。
彼女からすれば、こんなことは日常茶飯事で、盛りのついた獣のようについばみに行ってもなんとも思わないかもしれない。
が、万が一にでもエマさんを怖がらせるなんてことはあってはならぬ。
私は逸品を扱う宝石商の如く、彼女を丁寧に扱うことに決めたのだ。
ゆっくりと顔を近づけ、私は瞳を閉じた。
あなた「……んっ」チュ...
エマ「んっ……」
あっ、あっ、あっ、エマさんとキスしちゃった。
みずみずしい唇からは、まだ舌も入れていないのに、ぷちゅっ――と音が立った。 私は唇を重ねたまま、手の甲を使って軽くエマさんのお胸を撫でてみる。
あなた「……」サワッ
エマ「んっ……ふっ」
突然触られたことで、鼻息が漏れそうになってしまうのをエマさんは抑えた。
多くの人は、キスの際にその興奮とは裏腹に鼻息を抑えようとする。
高ぶりを相手に悟らせてしまうのが恥ずかしいのか、それとも単純に鼻息にある種の汚さを感じているからなのか。
いずれにせよ、その恥じらい、相手に対する気遣いは尊いものであって、それに間違いはない。
こういう場での行為は、ともすれば流れ作業的になって恥じらいもへったくれもないものになる傾向がある。
鼻息を抑えるという上品な行動はだからこそ、それを穢してみたいという情欲を喚起するのだ。
"泥中の蓮"という言葉がある。
蓮は泥にまみれた池でも綺麗な花を咲かせるということから、転じて汚れた環境の中でも染まらず清くあることを指す。
可憐に品位を保とうとしたエマさんが、私にはまさに大輪の蓮のように感じられたのだった。
あなた「……」サワ...
あくまでも、揉んだり、乳首があるはずの場所を弄ったりはしない。撫でるだけだ。
"まだ"、ね……。 ちゅっ、ちゅっ――と、軽いくちづけを繰り返しながらお胸をまさぐって、どれくらいの時間が経っただろうか。
ねちっこ過ぎるのは逆に単調だ。そろそろ、とゆっくり口を離した。
エマ「んっ、はぁっ……♡」
エマさんの頬はすっかり紅潮してしまっていた。
エマ「ふふっ、やさしいんだね」
そういうエマさんの微笑みの方が私には優しく思えた。
その一方で、ここがソープなんかじゃなくて、ただ普通の女の子同士の関係だったらどれだけ良いか……未だに、そんな考えが脳裏をよぎる。
「優しいんだね」という台詞は、かえって誰かに乱暴に抱かれているエマさんのイメージを想起させた。
ああ、ああっ、やっぱりエマさん、どうしてこんなところに……。
エマさんの言葉にどう返答すべきか、私は少し困った。
困ったまま、お胸をさわさわしていた。
あなた「……」サワッ... 自分を棚に上げてエマさんに処女性をもとめるあなたちゃん草 エマ「……好きなの?」
あなた「えっ!?!?」
意表を突かれて素っ頓狂な声をあげてしまう。
なっ、なななななっ、なんで――!?
そんな素振りは見せなかったはずなのに!?
あなた「あのぉ、えっとぉ……その」
もごもごと言いよどんで必死に言葉を繋ぐしかなかった。
えっ、どうしたらいいのこの状況。
否定する訳にもいかないし、だからと言って肯定したら気持ちの悪い客だと思われかねない。
侑ちゃんならこういうとき、どうするんだろう……? エマ「おっぱい」
あなた「え?」
エマ「えへへ……ずっーと触ってるから、好きなのかな?って」
身体の中を駆け巡っていた血の沸騰が収まっていくような気がした。
な、なんだ……おっぱいか。セーフ……!
い、いかんいかん、触りすぎて変に思われてしまったかもしれない。
好みの女の子が相手だとついついプレイを長引かせてしまうのは私の悪い癖だ。
エマさんの質問にこくりと頷くと、彼女はふふっと笑って――お胸を触る私の腕を掴んで自身の方へと手繰り寄せた。
するとどうなるのか。当然、私の手がエマさんのお胸にぎゅっと埋まるような形になって、つんと張りのあるそれを押しつぶすのである。
エマパイはつぶれてもなお、大きかった。
エマ「……」ギュムッ
あなた「アッ」
もっと強く触ってほしい、あるいは次に進めという意思表示だと私は受け取った。 エマさんは続けて、空いているもう片方の腕で私を抱き寄せた。
エマさんの口が耳元に近づいて――。
エマ「……いいよ♡」ボソッ...
挑発するかのような小声の囁きに、背中にぞくぞくとしたものが奔るのを感じた。
ステージ上、天使のような笑顔で私を魅了してきたエマさんが、今は私の堕落を目論む悪魔に見えた。
なっ、なにがいいんですか……?どこまでやっちゃっていいんですか!?
あなた「いいの……?」
エマ「うん……きて♡」
アッ、これもうつべこべ考えてる場合じゃないな?
結局、何が"いい"なのか、どこまでしていいのか、それは分からない。
しかし分からないということは、裏を返せば何をしてもいいということなのかもしれない。
あなた「ッ――!」ガタッ
私はエマさんの背中に手を回し、帯の結び目を解きはじめる。
その布きれをどかして、その下に隠されているものが見たい!直接触りたいっ……!
そんな思いが私の手の動きをやや乱雑にする。けれども乱暴に扱えば扱うほど、もつれて解きにくくなるのが帯というものである。
あなた「はぁっ、はぁっ……」ヒラッ...
絡み合ってぐちゃぐちゃになった帯をやっとの思いで外したと思うと、今度は腰紐が出てくる。
それはきゅっときつく結び上げられており、さながら楽園を守る番人のようだ。
なるほどね、そうそう簡単には見せられませんっていうわけね。
無我夢中な私は帯や腰紐がどう結ばれているのか、すっかり忘れてしまっていた。
さきほど、自分のを自分で結んでいたのにも関わらず……。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています