にほスイ八のSSを書いたり書かなかったりするスレ
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色物から王道
短編から長編まで色々
イラストとかも偶に描きます
その他SSの練習も大歓迎
一行から長編まで大歓迎
ゆったりまったり、書いたり書かなかったりしましょう ひめの「おかあさん!おにぎり!あきた!」
姫乃母「もー、しょうがないわねぇ...次のお弁当何にしましょうか?」
ひめの「サンドイッチがいい!」
ひめの「白雪ちゃんがね、昨日サンドイッチ食べてた!」
ひめの「サンドイッチ作って!!」
姫乃母「サンドイッチねぇ...そうだ!」
「これっくらいの お弁当に♪」
「サンドイッチ サンドイッチ ちょいっと詰めて♪」
「辛子バターに マヨネーズ塗って♪」
「いちごさん ハムさん きゅうりさん トマトさん♪」
「まるーい まるーい さくらんぼさん♪」
「筋の入った ベーコン♪」
姫乃母「はいどうぞ」
ひめの「やったぁ!」 姫乃「ん〜」ふわぁ
何か夢を見ていた気がします。
幼少期の、暖かい記憶の様な...
姫乃「えーっと、時間は...」
姫乃「まだ大丈夫」
姫乃母「姫乃〜起きてる?朝ごはんできてるわよ」
姫乃「はーい、今行く」
今日は3人でピクニックに行く日です。
場所は立川の昭和記念公園、10時にエマさんの部屋集合。
姫乃「さて、まずは顔を洗いましょう」
乙女にとって顔は命です。
今日は張り切ってお化粧なんかもしちゃいますよ。
お化粧は流行りのメイクで、合わせる服は何がいいかなぁ?
心を躍らせながら、部屋を抜けて廊下へ出ました。 母「今日はお出かけだったわよね?」
姫乃「うん、立川の方に」味噌汁ズズズ
母「あんたもしかして手ぶらで行く気じゃないでしょうね?」
姫乃「...そうだけど」ご飯パクパク
母「もー、そんなんじゃ綾小路家の恥よ恥!」
母「ちょうどさくらんぼあるから持ってきなさい」
姫乃「はーい」
母「そこは、ありがとうございます、でしょ?」
姫乃「...ありがとうございます」
母「照れてる?」
姫乃「照れてません!!」
姫乃「...それではお母様、行って参ります」
母「はぁ...素直じゃないわね。いってらっしゃい」 秋のルージュはほんのり黄色。
エマさんの部屋をノックする前に、ルージュをほんのり唇に乗せます。
コンコン
「はーい」
ガチャ
エマ「姫乃ちゃん、今日は来てくれてありがとう」
姫乃「こちらこそ、誘って頂きありがとうございます」
エマ「そんな大袈裟だよ。さぁ中に入って」
姫乃「失礼します」
エマさんの部屋は、コーヒーの匂いで満たされていました。どうやら保温ボトルにコーヒーを注いでいた様ですq
エマ「姫乃ちゃんも一杯飲む?」
姫乃「それじゃあお言葉に甘えて...」
エマ「果林ちゃんももうすぐ来るから」
そう言ってエマさんは、新しくカフェオレを一杯淹れてくれました。
私はその芳醇な香りを胸いっぱいに吸い込みます。
コクリと一口。
いい切れ味ですね。眠気が去っていくのが感じます。 エマ「美味しい?」
姫乃「もちろん!」
果林「今戻ったわ〜」ガチャリ
果林「あら、姫乃もう着いてたのね。おはよう」
姫乃「おはようございます」ズズズ
果林「エマ、早速お願いね」
エマ「うん!」
エマ「今日のピクニックのお供はパニーニだよ!」
エマ「その前に...手洗おっか!」 パニーニ...はてな?と思う方もいると思います。
パニーニというのは、イタリア風サンドイッチの事です。
エマ「それじゃあはじめにトマトを薄くスライスして...」
果林「これくらい...?」
エマ「うんうん、それぐらい」
姫乃「で、こっちは...」
エマ「何にでも合う万能ソースを作ろう。はじめに柔らかくしておいたバターに、すりおろしニンニクちょっとと、マヨネーズと、砂糖ちょっとにマスタード!」
姫乃「これを混ぜ混ぜして...」
姫乃「パンに塗っておけばいいのですね」
エマ「正解!今表面軽く焼いてるからちょっと待ってね」
エマ「その間に、私はチェトリオーロパニーニを...」
そう言ってエマさんはきゅうりを薄切りにし始めました。
チン!
大きな音とともにパンが焼き上がります。
表面はうっすら小麦色。
トースターを開けると、パンのふわっとしたいい香りが私たちを包み込みました。 パカリ、塗り塗り...
ソースを塗りながらエマさんの方を見つめます。
きゅうりを切るだけなのですが、エマさんは真剣そのものです。
エマ「えーっと、マヨネーズをパンに塗って」塗り塗り
エマ「最後にチェトリオーロを挟んで完成!」
姫乃「えっ?それだけ?」
エマ「これだけ」
エマ「日本人はこんな事思わないかもだけどね、チェトリオーロってスイスじゃ食卓に上がるのが稀な食材なの」
エマ「温室じゃないと育たないから、気候的にスイスじゃ向いてなくて」
エマ「もちろんピクルスとかもあるよ?でもやっぱり食べるなら生がいいよね」
姫乃「へぇ...きゅうりがスイスだと高級食材的な立ち位置になるなんて信じられませんね」
エマ「日本の夏は沢山の野菜を育ててくれるね。感謝感謝...って思ったけど、暑すぎるから逮捕!」
姫乃「あはは、気が変わるのが早いですね....」 エマ「よしっ、ベーコンパニーニとプロシュートパニーニも完成!」
姫乃「お昼が待ち遠しいですね...」
果林「ねえ二人とも」
エマ「なあに?」
果林「この前の撮影で、苺をいただいたのだけど、二人とも食べるかしら?」
エマ「苺!食べる食べる!」
姫乃「実は、私からも...母からさくらんぼをいただきまして」
エマ「さくらんぼも!?食べる食べる!」
果林「エマ、お昼も近いんだし、そんなに食べちゃダメよ?」
果林「今食べるのはちょっとだけ。後は公園行って食べましょ」
エマ「わかってますって」モグモグ お台場から立川までは1時間ぐらいです。
電車に揺られながら、ファッションの話とか、昨日テレビ何を見たとか、そんな話をしました。
エマ「あぁ〜働きたい」
果林「何よそれ」
エマ「就労ビザ取っておけばよかったなぁって」
姫乃「勝手に働いちゃいけないって事なのですか?」
エマ「そうなの。ビザがないと違法になっちゃうから、最悪本国に戻されちゃう」
姫乃「でもどうして働きたいのですか?」
エマ「だってさぁ、いつまでもみんなに頼ってられないから」
エマ「家族に少しだけでも楽になって欲しいから、私が自立しないと」
果林「しっかり者ね。私と大違いね」
エマ「そんな事ないよぉ。果林ちゃんだって、ある意味しっかり者なんだから!」
果林「ある意味、含みのある言い方ねぇ」 駅から昭和記念公園までは少し歩きます。
門扉を潜って、さらに奥へ、奥へ。
果林「今はコスモスが見頃なのよね」
エマ「みんなの原っぱって所目指してるんだよね?」
エマ「こっちかな」
姫乃「あっ、地図があそこに。今は私たちはここにいて...」
エマ「ねえねえ、日本庭園っていうのがあるんだって。後で寄っていい?」
果林「いいわよ。でも、その前にお昼ね」
エマ「わかってますって」
池を抜けて、木々を横目に。
奥へ奥へと歩いていきます。 エマ「わぁ...広場だ!」
エマ「わぁあああ!」
果林「こら、エマ!走り回らない!」
エマ「だって広いんだよ!」
姫乃「エマさんが走り回りたくなる気持ちもわかります。それで、どちらで食べましょうか?」
果林「じゃああの木の下とかどうかしら?」
エマ「あの木の下だね!二人とも早く!早く!」
姫乃「あはは、待って下さーい!」
果林「もう、二人とも....私はバスケット持ってるからそんなに走れないのに...」
果林「まあゆっくりいきましょう」 果林さんがゆっくり歩いてくる間、私たちはレジャーシートを広げます。
これはエマさんがスイスにいた頃に買った物だそうで、お花柄の少し小洒落た物です。
エマ「あーっ!」
姫乃「?」
エマ「姫乃ちゃん、ちょっとまってて」
姫乃「いいですけど...」
エマさんは何かを見つけたようで、遠くへ走り去ってしまいました。
不思議に思いながら、お茶を一杯飲んだり、アルコールシートを用意したり...そうしている内に果林さんがやって来ました。
果林「エマは?」
姫乃「何か見つけたみたいで、遠くに行っちゃいました」
果林「もう、仕方ないわね」
エマ「二人とも〜!」
果林「ちょっと!何よそれ!」 エマ「猫ちゃんも参加したいって」猫抱っこ
何とエマさんは猫を抱えて戻ってきました。
猫...どこの猫...? 耳の端が切れてるから、多分地域猫?
エマ「よしよし、じっとしててえらいねぇ」
エマ「ねえ、参加してもいいでしょ?」
果林「い、いいけど...ちゃんと手、消毒するのよ...」
姫乃「あっ、これアルコールシートです」
エマ「ありがとう。猫ちゃんにはここに座ってもらいます」
エマさんって時々とんでもない事をします。
猫はだいぶ人馴れしてる様で、抱っこされても何もその、太々しい顔つき体つきで、少し気だるそうにしていました。
猫はエマさんの腕から解放されると、そのままレジャーシートの上に、そこが当たり前のいつもの場所のように、ドテンと寝転んだのです。
姫乃「さ、早速パニーニ食べましょ」
果林「せびられたって、猫ちゃんには分けちゃダメよ」
エマ「わかってまーす」
そんな心配もなんのその。
猫ちゃんは、私達の食べ物に興味はなさげです。 果林「みんな、飲み物持った?」
果林「それじゃあかんぱーい」
姫乃「かんぱーい」
エマ「かんぱーい」
エマ「猫ちゃん、かんぱーい」
猫「にゃんにゃーん」
姫乃「!?」
姫乃「猫が喋った」
果林「気のせいよ、気のせい」
果林「姫乃はどのパニーニ食べる?」
姫乃「あっ、じゃあベーコンので」
果林「はいどうぞ」
姫乃「ありがとうございます」 エマ「味はどうかな?」
姫乃「とっても美味しいです!」
エマ「自信作だからね!姫乃ちゃんの持ってきてくれたさくらんぼも美味しいね」
姫乃「実はこれ、母が用意してくれたもので...評判だったと母にも伝えておきます」
天高く馬肥ゆる秋。
最後にセミの鳴き声を聞いたのは何日前でしょう?
敷地内をセミに代わって、多くのトンボがスイスイ飛んでいます。
夏の暑さはずーっと続いて、急に冷え込んで冬になる。
秋は短い。
秋は短し歩けよ乙女、なんて小説でも書いてみましょうか?題材は大学生のアイドル活動が...
そんなふうにぼんやりと考え事をしながら咀嚼をします。
猫もおおあくび。私とおんなじ気持ちなのかな? 【賛成多数】スイス、同性婚を合法化へ
同性婚合法化の是非を問う国民投票が実施され、地元メディアによると賛成が6割を超え、承認される見通しとなった。 一つ目を食べ終え、二つ目のパニーニをとります。
これはきゅうり味スイス風。
エマ「美味しいねぇ、美味しいねぇ...」
果林「あなた、さっきからそれしか言ってないじゃない」
エマ「美味しいからねぇ」
エマ「美味しいが享受できるのは平和だねぇ」
姫乃「なんだか哲学的ですね」
エマ「そうかなぁ...そうかも」
姫乃「果林さんもさくらんぼどうぞ」
果林「ありがとう。ねえ、ほら」
姫乃「?」
果林「あーんさせてよ」
姫乃「...あーん」
果林「あーん」パクっ
果林「美味しいわね」
姫乃「えへへ...」テレテレ エマ「美味しかった!外で食べるって言うのも最高だね」
姫乃「風が心地よいです」
果林「ゆっくり、誰かと一緒に食事するって、やっぱり楽しいわね」
姫乃「ん〜」ノビー
夏に比べて、風は少し肌寒くなりましたね。
小さい秋は風とともに。
私達が他愛ない会話を楽しんでいる中、先程エマさんの連れてきた猫は、まだスヤスヤと寝ていました。
エマ「あー、将来どうしよ」
果林「急に現実的な話やめて」
エマ「果林ちゃんは私よりも将来設計上手いでしょ?」
エマ「はぁ...ティーンエイジャーに悩みは付き物」
姫乃「ため息すると幸福が逃げちゃいますよ?」
エマ「それはダメダメ」
姫乃「お互い大変ですね」
果林「大変でもう困った、困った」
果林「ずーっと高校生が続けばいいのに...」
エマ「ほんとそれ」
姫乃「きっと明日は明るいですよ」
エマ「そう信じて置こう」ん〜 エマさんが伸びをすると同時に、猫が急に立ち上がり、そのまま、のそのそと薮の中に帰って行きました。
姫乃「行っちゃった...」
果林「猫ちゃんもおかえりの時間ね」
果林「食べ終わった事だし、そろそろ動きましょうか」
エマ「だね。日本庭園にも行きたいし、ちょっと早めにね」
みんなでピクニックセットを片付けました。
それから御目当ての日本庭園へ向かいます。
木々を抜け、花畑を抜け...
所々コスモスの花が咲いています。
やっぱり、もう秋なのですね。
そんな秋の象徴を横切れば、日本庭園まであと少し。
果林「わぁ...日本庭園ってこんな豪勢なのね...」
エマ「姫乃ちゃんのお家ってこれ以上なんでしょ?知ってるよ」
姫乃「ん〜、これよりは少し狭いですけど...まあ大体こんな感じですかね」
果林「お嬢様って意味では姫乃は弩級よね」
姫乃「?」
果林「自覚ないのね...」
エマ「ねえねえ、奥でお茶飲めるんだって。一息ついていこ」
姫乃「いいですね、いきましょ、行きましょ」 池を眺めながらお茶を啜ります。
はぁ...お茶が体に染み渡りますね。
エマ「ねえねえ、さっきお茶配ってた人にね、和菓子もらっちゃった!」
エマ「しかも三つも!」
エマ「食べる〜?」
果林「私はいいわ。今日はもお腹いっぱい」
エマ「そっか」
エマ「じゃあ姫乃ちゃんは?」
姫乃「食べたいです!」
エマ「果林ちゃんの分どうする?」
姫乃「ジャンケンしましょ」
最初はぐー、じゃんけんぽん。あいこでしょ。
あー、負けてしまいました。
エマさんはガッツポーズで、一口で和菓子を頬張ります。
エマ「ん〜、おいしい、おいしい」
姫乃「じゃあ、私も。いただきます」パクり
姫乃「甘くておいしいですね」
口の中の甘さをサラサラとお茶で流します。
美味しかったぁ。今日のピクニックはこれで満足です。 それから園内の色々な所を周りました。
コスモスの花畑、金木犀の並木、百日紅の大木...
その間をはしゃぎ回ったり、写真を撮ったり...
そうすると、あっという間に火が落ちて、今はもう5時。
夕焼けチャイムのなる時間ですね。
烏が鳴く前に私たちも帰りましょ。
果林「疲れたわぁ...」
姫乃「楽しかったですね、鬼ごっこ」
果林「二人とも逃げるの早すぎなのよ!!」
エマ「まぁ、伊達にスクールアイドルやってませんから」
果林「はぁ....この電車に乗ればいいのよね」
エマ「うん、そう見たい」
姫乃「また来ましょうね、ピクニック。もっと人を誘って、沢山の人と」
果林「ええ」 次は、〇〇〜〇〇〜
姫乃「降りなきゃ」
姫乃「果林さん、エマさん、今日ありがとうございました。また次の週末にでもお会いしましょう」
果林「じゃあね」
エマ「バイバイ」
ピンポン ピンポン プシュ〜
ゆりかもめから降りたら一息ついて二人を見送ります。
二人も気づいてくれたようで、手を振り返してくれました。そのままゆりかもめは発信して、遠くへ、遠くへ行ってしまいます。
姫乃「一人になちゃった...」
そう言ってトボトボ改札口へ向かいます。
一人になった時にセンチな気持ちになっちゃうのは、これもきっと秋のせい。
そう思いながら改札を抜けました。
おしまい 長くなってしまってすみません
保守してくださった方々ありがとうございます
これからも不定期でにほスイ八のSS書きます パチパチ🔥
トントン スコン🪓
エマ「ふぅ〜夜は冷えるね」
エマ「えーっと、焚き火の威力を弱くしないと」
エマ「炭はこっちに寄せて、燃えてるのはこっち」
エマ「炭の上に網を載せて...じゃがいも〜おいも〜おじゃが〜♪」
エマ「こっちの火が強い方にはポット引っ掛けておこう」
エマ「コーヒーの準備もバッチリ」
エマ「ねえねえ二人とも、テントの中で何してるの〜?」ペロン
果林「寒いから出たくないわ」
姫乃「右に同じ」
エマ「テントの中にキャンプ用のストーブ置いてあるけどさぁ...」
エマ「ほら、二人ともこっちきて。星がきれいだよ」
果林「...星」
姫乃「...星、星」ゾロゾロ 果林「本当に綺麗だわ」
姫乃「あんなに小さな星まで見えます...」
エマ「ここは標高200mぐらいだし、信州の外れの方だから建物もあまりない。星見るのはうってつけの場所だよね」
果林「うん...八丈島で見た星と一緒」
エマ「私もスイスで見た星と一緒」
姫乃「綺麗です...」
3人「わぁ〜」 ー時は遡って1ヶ月ぐらい前ー
エマ「えーっとこれがスイスからの免除の書類で、こっちがファミリーカード」
果林「何してるの?」
エマ「家族と政府から手紙が送られてきたから読んでたの」
エマ「この手紙、夜空の写真だ!」
果林「綺麗ねぇ。こんなにクッキリ映るのね」
果林「私の地元もこれぐらい綺麗だったわ」
果林「エマに見せたいほど」
エマ「へーそうなんだ」 コンコン
エマ「はーい」
姫乃「こんにちは、果林さん、エマさん」
果林「あら姫乃、今日何かあったかしら?」
エマ「もー、果林ちゃんったら。今日はお茶会の日でしょ?」
果林「あっ、思い出したわ」
姫乃「ふふふっ、今日はクッキー焼いてきたんです。オカラクッキーだから果林さんも沢山食べれますよ」
果林「そうなのね。ありがとう」
エマ「じゃあ早速用意しよっか。ソーサーとテーブルクロス出して...」 果林「ズズズ....」
果林「エマが用意してくれる紅茶はいつも美味しいわね」
エマ「そう言ってくれるなんて嬉しいな」
エマ「ぱくっ...モグモグ」
エマ「オカラクッキーも美味しい!」
姫乃「まだまだ沢山あります。いっぱい食べてくださいね」
姫乃「ところで...」
姫乃「お二人は私が来た時、何か話し合っていましたけど、何について話していたのですか?」
エマ「あのね、私の家族から、星空の写真が届いて...」
姫乃「凛さんの?何故凛さんがスイスに?」
果林「あはは、星空違いね...ほら、夜に見える方の」
姫乃「あっ...お恥ずかしい...」
エマ「それでね、スイスじゃあ沢山の星が見えたよって言う話をしていて」
果林「八丈島でもいっぱい見えたのよ」
果林「都心はビルの光ばかりで少し寂しいわね...」
エマ「うんうん、たまには星を眺めたいよね...」 姫乃「お二人とも本物の星空を知ってるって事ですよね...」
姫乃「私は科学館のプラネタリウムぐらいしか見たことなくて...」
エマ「ねえねえ、本当思いつきなんだけどさ」
エマ「3人で、八丈島とスイスと同じぐらい綺麗な星空が見えるところ探しに行かない?」
果林「また唐突にに...でもエマのその姿勢嫌いじゃないわ」
果林「私も偶には乗ってあげる!」
姫乃「いいですね!でもどうやって探すんですか?」
エマ「そこらへんは、こう、ネットで...」
果林「現代っ子ね」 エマ「へぇ...星って明るさによってランクが付いてるらしいよ」
エマ「それぞれ一等星、二等星...って名前がつけられてるんだって。肉眼で見える星は六等星までだけど、都市部では三等星までしか見えないんだって」
果林「やっぱりビルの光って強いのね。そんなにも星の光がかき消されちゃうなんて」
エマ「私の田舎にはビルなんてなかったからなぁ...」
姫乃「...ふむ、どうやったらさっきの条件に合う場所を探せるか考えていたのですが、六等星まで見える、とか、六等星をワードに加えてみては?」
エマ「姫乃ちゃん天才!早速検索してみるね」
エマ「六等星まで見える場所っと」
スマホ「それなら長野の戸隠とかどうや?キャンプ場もあるで」
エマ「と...がくれ?でいいの?ニンジャとか居そうな名前」
果林「とがくし、ね。実際に忍者も居たそうよ」
姫乃「果林さんお詳しいのですね!流石ですぅ」
果林「(同じ事先に検索してただけだけど黙っておこう)」 果林「キャンプ場もある、ねぇ...」
姫乃「どうしたんですか?」
果林「星を見にいくのよね。で、星を見た後すぐ帰ってくるのかしらね?」
果林「でもそれってドタバタするじゃない?だったらキャンプして次の日に帰ればいいんじゃないかしら?」
果林「どう思う二人とも」
姫乃「わ、私は賛成です!」
エマ「もちろん私も!!」
果林「じゃあそれで決定ね。
果林「深夜バスを使って戸隠まで行って、朝ついて、1日キャンプして、夜に星を見て、次の日帰ってくる。これでどうかしら?」
エマ「いいねいいね!キャンプ道具いっぱい揃えておくね」
姫乃「キャンプなんて初めてですからワクワクします...」 ー時は過ぎ、1ヶ月後ー
果林「1ヶ月って早いわね。予定入れてた時はまだこんなに余裕あるって思ってたのに」
エマ「ワクワクしてる事は過ぎるのがあっという間だね」
果林「えーっと、バスタはこっち?」
姫乃「あっ、果林さんそっちは北口です!」
果林「あ、あらそうだったかしら?」
エマ「新宿駅は誰でも迷うから仕方ないよ」
姫乃「エマさん荷物重くないですか?一番多く持って貰ってますけど...」
エマ「うん、全然重くないよ。それに私、スイス人だし」
果林「それどう言う意味よ...」 果林「ふぁあ〜。もうおやすみの時間ね。寝れるかどうかはわからないけど」棚に荷物をあげる
姫乃「今日は気合い入れて来ましたよ!アイマスクに首に挟む奴に...」
エマ「ね、ねえ、今更だけど深夜バスってそんなに怖い物なの...?」
果林「スヤスヤは出来ないかも」
エマ「えっ?」
姫乃「お尻がとれる夢を見ます」
エマ「ほ、本当...?」
姫乃「なんて冗談ですよ。私達は少しだけいい深夜バスとりましたから、そういうのは大丈夫だと思います」
果林「普通の深夜バスだったら寝れなかったかもしれないわ。でもこのバスは座席広いし、後ろにも沢山倒せる。それにちゃんとカーテンも閉まるから」
エマ「よかったぁ...」
果林「さて、そろそろ出発ね。私はすぐに寝るわ。先に言っておくわ。おやすみなさい」
姫乃・エマ「おやすみなさい〜」 バス「高速乗るで。乗客はエマ・ヴェルデ」
果林「zzz」
姫乃「zzz」
エマ「寝れない...二人寝ちゃってる」
エマ「スマホを見るのは酔っちゃうからダメだよね...」
エマ「道路沿いはずーっと壁だらけ...」
エマ「日本の高速道路って不思議。スイスの高速道路には壁なかったもん」
エマ「起きたらいい景色見れるよね」
エマ「音楽聴いて寝よう...」 エマ「ん〜!」ノビー
エマ「ん!...ちょっと腰が痛いかも...」
姫乃「エマさん起きましたか?」ひそひそ
エマ「あっ、姫乃ちゃん、おはよう」ひそひそ
エマ「果林ちゃんは?」
姫乃「まだ爆睡してます...」
姫乃「ちょうど横並びで私が真ん中だから...そうだ」
姫乃「...そーっ」
エマ「果林ちゃんの寝顔撮影だね」
姫乃「起きませんように...」カシャリ
姫乃「果林さんって横顔綺麗ですよね」
エマ「本当美人さんだよね」
エマ「後で写真送って」
姫乃「了解です」 エマ「という訳でキャンプ場到着!」
エマ「わぁ〜山が近いねぇ...ノコギリみたいにギザギザしてる山が沢山。アルプスを思い出すよ...」
果林「空気も大分澄んでて、お台場とは大違いね」
姫乃「こんな景色の良いところですもん。夜空もきっと綺麗に決まってますよ!」
エマ「あっ、このヒュッテの中で受付するんだね」
いらっしゃいませ〜
エマ「はい、3人です」
エマ「お題はここに」
好きなところへ設営どうぞ〜
姫乃「ふむふむ、このヒュッテの中で買い物もできると」
果林「お肉とかは持って来れなかったからここで買いましょ。でも少ししか売ってないみたいだから、早めに戻って来ましょ」
エマ「ねえねえ、テント用ストーブ借りられるんだって。夜は寒いらしいから借りていこっか」
果林「私達、キャンプとかアウトドアに関しては素人だからエマに任せるわ」
エマ「ん〜、そうだねぇ、あと薪とブランケットも用意した方がいいかも」
エマ「ここの標高は1200mでしょ?だったら夜は10度以下ぐらいかな」
姫乃「えっ?そんなに冷えるんですか...?」
エマ「でもストーブ借りれば大丈夫!」 エマ「ここをキャンプ地とする!!」
果林「あら、広場のちょっと高くなってる場所ね。良い場所だと思うわ」
エマ「はーい、テント建てるから二人とも手伝ってください!」
姫乃「はーい」
果林「何すれば良いの?」
エマ「はじめにテントのポールを繋げます!」
果林「これを繋げれば良いのね...」
エマ「次にこれをテントに通します」
姫乃「なるほど、このポールが筋交に成ると」
エマ「これをそれぞれの場所に引っ掛けて、立体的にして...」
エマ「あとはロープで補強すれば完成!」
果林・姫乃「わーい!」
エマ「実は後もうちょっと調整することがあるんだけど、それは私がやっておくね」
果林「ありがとう。それじゃあ私達はお肉買いに行ってくるわ」
姫乃「エマさん行ってきます!」
エマ「いってらっしゃい!」 果林「何あるかしら?」
姫乃「えーっと、えーっと」
姫乃「こ、これ骨つき鶏モモですよ!!」
果林「ちょっと待って、1個70円ですって!安いわ!」
果林「買っていきましょう。今日は肉を喰らう日よ!」 姫乃「エマさーん、お肉買ってきました〜」
エマ「こっちも設営終わったよ!」
果林「荷物を入れたらご飯にしましょうか。ちょっと時間がかかるけど、それも醍醐味ね」
エマ「ほらほら中見て〜」
果林「わぁ...テントってこんな感じなのね」
エマ「シュラフをそのまま敷いたら背中痛くなっちゃうかも。エアマットも忘れないでね」
姫乃「エアマットってこれですよね...ふーふー」ぷっくり
姫乃「ぷくぷくになりましたね。どれどれ、寝心地は...」
姫乃「まあまあ良いぐらいですね」
果林「さて、荷物運びはこれぐらいにして、お昼作るわよ!」
エマ・姫乃「おー!」 エマ「えーっとお昼用の具材は...きのことツナとお米と豆乳とチーズ。あとオリーブオイルにコンソメ」
エマ「ではこれをリゾットにしたいと思います。って言ってもとっても簡単」
エマ「メスティンって言う四角いお弁当箱みたいなのに具材をぽいぽい」
エマ「キャンプ用のバーナーで火にかけて...」ジュウジュウ
エマ「炒めて軽く汁気が出てきたなぁって事にお米を投入!」
エマ「ここからさらに5分ほど炒めたら、豆乳とコンソメを入れて一煮立ち」
エマ「最後にチーズを混ぜてあげればツナときのこのリゾットの完成!」
姫乃「わぁ〜美味しそう!」
果林「豆乳だからカロリー気にしないで食べれるわね」
エマ「ふっふーん、彼方ちゃんから教えてもらってね」
エマ「感謝感謝だよ。いただきます」パクっ
エマ「ん〜っ!Buono!」 果林「美味しかったわね」バシャバシャ
姫乃「本当美味しかったですね。うぅ、水が冷たい」
果林「姫乃、大丈夫?食器洗い変わるわよ」
姫乃「いえ、大丈夫です!」
果林「そう、ならよかった」
エマ「よし、今二人が洗ってるの拭けば終わり」
果林「ねえエマ、これから何しようかしら?」
果林「星見るのは夜でしょ?今はお昼で、まだ時間ありすぎよ。はい、これ私と姫乃のお皿」
エマ「んー、散策、とか?」フキフキ
姫乃「散策も兼ねて鬼ごっこしましょうよ!エリアはこのキャンプ場全域!」
エマ「良いねぇ、体もあったまるし!」
エマ「ね、果林ちゃんもね」フキフキ
果林「えっ...えっ?」
姫乃「合意と見てよろしいですね!タッチ!初めの鬼は果林さんです」
エマ「逃げろー」
果林「ちょ、ちょっとぉ!」
果林「仕方ないわねぇ...」 にほスイで八王子行くというネタを考えたけど八王子のこと全く知らんから書けない
なのでこのネタはここに置いて供養しておく エマ「あはは!」
エマ「疲れた!」ゴロン
果林「こらこら、服に汚れつくわよ?」
エマ「良いもーん。果林ちゃんもこっちおいで〜」
果林「ほら、手貸すから起き上がって」
エマ「え〜、やだぁ〜」ギュッ
果林「あっ、ちょっと!」ゴロン
エマ「これで一緒」
姫乃「エマさーん、果林さーん」
姫乃「あっ、居た居た。って何してるんですか?」
エマ「寝っ転がってる」
果林「そのまんまね」
エマ「姫乃ちゃんもどうぞ」
姫乃「じゃあ私も」ゴロン
エマ「お台場と比べて空が広いねぇ」
果林「小鳥の囀りが綺麗だわ」
姫乃「少し肌寒くなって来ましたね」
エマ「もうちょっと、後もうちょっとこうしてよっか」
果林「うん...」
姫乃「はい...」 姫乃「う〜、寒いっ!」
姫乃「日が落ちてからは随分と寒くなりましたね...」
果林「エマは寒い中あんな薄着でよく動けるわよね。さすがアルプス育ち」
エマ「ねえねえ、このお肉どうしたら良いの〜?」
果林「お肉...?あっ、鶏モモね。ちょっと待ってて、今行くわ」
果林「これはね、クレイジーソルトをかけて、そのまま直火でじっくり」パラパラ
果林「出来たわ。これを網に置いて」ジュワジュワ
果林「こうやって火をジーッと見つめてるって良いわね」
果林「なんだか島にいた頃思い出すわ」
エマ「ゆったり時間が流れる様に感じるよね」
エマ「カレー、もうすぐ出来るって姫乃ちゃんに伝えておいて。お肉が焼き上がったら晩ごはんにしようって」
果林「ええ、わかったわ」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています