善子「あんた就活やってたりする?」 理亞「え?」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
理亞「いや、やってないけど……」テクテク
善子「そう……」テクテク >>5
お寺さんも色々あるからな
若い頃から修行する人もいれば、一旦社会に出て親が年取ったり身体壊したりした時に戻ることもある 善子「……とりあえずズラ丸かルビィに話聞いてみる?」ライーン
理亞「…………」
善子「……え?」
理亞「いや、なんか……」モジモジ
善子「今多分同じこと思ってる」
理亞「うん」
善子「じゃあどうしよっか」
理亞「……梨子さんとかは?」
善子「ちょうどいぃ〜」 〜翌日〜
梨子「はぁ、それで呼ばれたわけね」
善子「卒論前の貴重な休日にわざわざ申し訳ない」
理亞「お願いします!」
ダイヤ「お手柔らかに」
梨子「……今の流れでなんでダイヤさんが?」チラッ
善子「昨日たまたま帰りに会って」
ダイヤ「私も来年度卒なので」
梨子「そういえばダイヤさん院卒でしたね」
ダイヤ「ええ。ただこういうのってなんとなく果南さんや鞠莉さんには話しづらくて……」モジモジ
理亞「わかるわぁ」ウンウン 善子「梨子たちはどうだったの?」
梨子「千歌ちゃん曜ちゃんとは大学違うけど週2とかで会ってたよ」
理亞「すご……」
ダイヤ「そんなに会って何するんですか」
梨子「初めは二人が声かけてくれて……まぁ実際は今みたいに二人に質問攻めされる日々が続きましたけど。途中からはお互いエントリーシート見せあったり企業探しをみんなでやってましたね」
善子「エントリーシート……うっ、頭が」
理亞「企業とかどうやって探すの……」
ダイヤ「なんかもうめんどくさくなってきましたわ」 梨子「最初に終活したのが曜ちゃんで、その一週間後くらいに私が終わったかな。その後は二人でひたすら千歌ちゃんを色んな企業にエントリーさせて、私と曜ちゃんで企業研究をしてそのメモを死ぬ気で覚えさせました」
善子「ひぇっ……」ビクビク
理亞「千歌さん……」ウルッ
ダイヤ「そもそも千歌さんと曜さんは就活する必要あったんですの?」
梨子「千歌ちゃんも曜ちゃんもひとまず一般就職を家族に勧められたらしいですよ。それを言うならダイヤさんも似たような状況なんじゃ?」
ダイヤ「おっしゃる通りですわ。今どきはどこもそうなんですかねぇ」
理亞「私と姉さまもそうだわ」
善子「果南と鞠莉は?」
ダイヤ「あの二人がサラリーマンになるとでも?」
善理梨「…………」 理亞「とりあえず善子の人選が間違いなかったってことはわかったわね」グッ
ダイヤ「頼りになりますわ」
梨子「それほどでも……と言いたいところですが」
善子「……?」
梨子「まずはっきり言っておくと、三人ともすでに出遅れています」ピシャリ
善子「……」
理亞「……」
ダイヤ「……」
梨子「……固まらないでください」 善子「出遅れてるってなに!?」ワー
理亞「まだ2月よ!?」ギャー
ダイヤ「就活は6月からって聞きましたわ!」ピギャアー
梨子「それは企業にとってかつ表向きの話です。経団連のルールではそうなっているというだけで、彼らは水面下で動いています。そして、それに合わせて学生はさらに早めに行動しなくてはなりません」
善子「なにそれ……」
梨子「さらに、昨今では外資系企業の採用活動が積極的になっているせいか、日系企業の中でもこのルールはほとんどあってないようなものになりつつある……というかなってます」
理亞「はぁ!?」
梨子「なので、これから先も就職活動の時期はどんどん早まっていくと思ったほうがいいです」
ダイヤ「そんな……」
梨子「あくまで私の感覚ではありますが、遅くとも年末年始には就活を始めておくべきだったかと。ルビィちゃんがギリギリで花丸ちゃんは優秀ね」
善理ダ「」 理亞「でもそんなの大学で習ってない!」ワー
梨子「大学は就職対策の場じゃなくて学問を修める場よ」
善子「いやいや今どき大卒じゃないとまともな就職先なんてないってネットに!」ギャー
梨子「それはそうね。でもそれは大卒が最低限という意味であって大卒なら誰でも内定をもらえるわけじゃないわ」
ダイヤ「じゃあ私たちは今までなんのためのに研究を!?」ピギャアー
梨子「研究は研究、就活は就活です。大学で専門的な学問を修めることで知見を深めた上で、自分の進路は自分で確保できる能力が現代社会では求められています。研究さえしていれば教授が推薦をくれる時代はとっくに終わってるんです」 梨子「……というか、ダイヤさんってこんなにポンコツでしたっけ」
ダイヤ「まあ自覚はありますわ」ケロッ
善子「すごい開き直り」
ダイヤ「大学の勉強自体はしっかりやってきましたが……空いている時間はほとんどアルバイトで、稼いだお金をすべてスクールアイドル遠征や果南さんと鞠莉さんとの旅行につぎ込こむことを繰り返した5年間だったので」
理亞「それで院卒なんだから基本スペックはすごいですね」
善子「ていうかスクールアイドルって単語の懐かしさがやばい」
梨子「なんか涙出そうなんだけど」
ダイヤ「この話始めたら多分飲みに行く流れになってしまうのでまた今度にしましょう」 梨子「……コホン。まぁ、進路に悩まないであろう二人と遊びまくってたらそうなるのはわからないでもないです」
理亞「そういえば三人ともしょっちゅうインスタがとんでもないことになってましたね」
ダイヤ「欧米と東・東南アジア圏はあらかた行き尽くしましたわね」シレッ
善子(ダイヤってドルヲタのくせになにげにガチ陽キャなのよね……)
梨子「聖良さんが巻き込まれなかったのが不幸中の幸いですね」
ダイヤ「忙しそうではありましたが年に一回ほどは聖良さんも連れ出しましたわ」
善子「海外旅行なんか年に一回でも多い方よ」ドンビキ
理亞「姉さまは千歌さんたちと国内旅行ばっかしてたから」
梨子「もともと千歌ちゃんと仲良かったのと、たまたま私が同じ大学に入ったから曜ちゃんも合わせて四人で遊ぶことが多かったわね」 梨子「そういう意味では、私の就活のホントの始まりは聖良さんに相談したとこからかな」
理亞「姉さまに?」
梨子「うん。聖良さんに色々教わって、それを自分の就活用に整理し直したものを千歌ちゃんと曜ちゃんに共有してた感じ」
理亞「うそ! だって一昨年のこの時期に姉さまそんな素振りしてなかった!」ガタッ
梨子「聖良さんが自分からそういう話をしないのは理亞ちゃんが一番よく知ってるでしょう」
理亞「そ、それはそうですけど! 私が誘ったらいつでも会ってくれてました!」
梨子「それはむしろ就活が上手くいっていた証拠よ。家族や友達とのたまのお出かけくらいサラッとこなせる程度の余裕をもってスケジュールを立てていたんだと思う」
理亞「そ、そんな……」ガクガク 善子「てか千歌と曜ずっる! ほとんど梨子におんぶに抱っこじゃない!」
梨子「そんなことないわよ、私も二人からいっぱいアドバイスもらったし。特に曜ちゃんは顔が広いから色んな情報を持ってきてくれたわ」
ダイヤ「就活は情報戦とよく言いますものね」
梨子「そういうことです。話を戻しますが、情報戦という観点からすると三人の就活は相当劣勢です。花丸ちゃんやルビィちゃんの足元にも及んでいません」
善子(うわぁ戻してきたぁ。なんか今日のところはこのまま思い出トークして帰れると思ってたぁ) 梨子「就活の流れをざっくり書くとこんな感じです」カキカキ
1. 自己分析&適性検査対策
2. 業界・企業研究&志望度固め
(2.5 インターンシップ参加)
3. 説明会参加
4. エントリー
5. エントリーシート提出&適性検査
6. 面接(基本複数回)
7. 内々定 ざっと今からやっとけよ的なことを教えるガイダンスくらいはどこの大学も結構やってそうなもんだけど 理亞「なっが」
善子「気が遠くなるわ」
ダイヤ「この2.5というのはなんですの?」
梨子「インターンは賛否両論あるので。必ずしも全員行くものではありませんし、行けばいいというものでもありません」
善子「じゃあ行かなくていいわね」キッパリ
理亞「間違いない」ウナズキ
梨子「…………」 梨子「まあどうせ2月だとホントにギリギリだからそれでいいわ」
ダイヤ「この『内々定』というのは、たしか内定の前段階みたいなものですわよね」
梨子「そうです。大体の企業は10月に内定を出しますが、実際就活が終わるのは6月〜7月がほとんどです。これは、『あなたには10月に内定を出しますよ』という約束である『内々定』をその時期にもらうからですね」
理亞「約束て」
善子「なんか信用ならないわね」
梨子「同感だけど、日本の就活システムが昔からこれだからそこは信じるしかないわ」
善子「でもそれが夏頃なんだとしたら、べつに私たちそこまで遅れてなくない?」ダラーッ
理亞「たしかに」
梨子「…………」 梨子「このスケジュールを見てもまだそう思ってるなら重症よ二人とも」
善理「え……?」キョトン
梨子「6番目の『面接』……これはまず1回じゃ終わらないわ。理系なら2〜3回、文系なら3〜4回はあるのよ」
善子「そ、そんなに……」
梨子「そしてこの面接は基本的に4月頃から始まる。つまり、3月にはエントリーシートの提出と適性検査が終わっているの。この意味がわかる?」
理亞「……」ゴクリ
梨子「遅くとも2月末までには、自己分析から説明会参加までを完了する必要があるということよ!」ドーン
善理「な、なんだってー!」バーン
ダイヤ(これ無理では?) 大学の友達もロクにおらず、企業研究もせず、まだ2月だからまだ3月だからとダラダラ先延ばしにした結果気付いたら蝉が鳴いていて詰んだのが私です^p^
学生はよく読んどけ 善子「そもそも自己分析ってなによ!」ワー
理亞「適性検査ってどういうこと!? もう大学受験みたいなのはこりごり!」ギャー
梨子「ようやく焦ってきてくれたみたいね」
ダイヤ「そもそも実際間に合うんですかこれ……?」
梨子「そうですね……まぁ、今から本気でやればなんとか巻き返せるとだけ」
善理ダ「!」パァッ
梨子「でも油断しちゃダメよ。ガチのマジで本気でやればワンチャン間に合う、という段階なんだから。今から遊ぶ暇なんてないわよ」
善理ダ「……」シュン 梨子「初めに言った『年末年始』というのは、適度に息抜きをしながら無理なく就活をするためのラインよ。そこを大幅に過ぎてしまった以上、もはやあなたたちに休みはないわ」ビシッ
ダイヤ「春休みなんですが……」
梨子「そんなものは就活生にはありません」
善子「まあゆうても今から本気出せばいけるってことでしょ?」ヘラヘラ
理亞「ちょっと安心ね」ニコニコ
梨子「甘い!」ダンッ
善理ダ「っ!」ビクッ
梨子「就活というのは常に体力と気力を削るもの。特に気力の消耗はすさまじく、息抜きなしにこれを乗り越えられる人なんて滅多にいないわ。むしろ、息抜きをしない人が失敗するほどにね」 梨子「様々な企業に合わせて面接対策をし、一つ面接が終わったかと思えばその合否が気になって夜も眠れず、寝不足のまま別の企業の面接へ……。最終面接まで進めたとしても、ここで落ちたらまた初めからというプレッシャーに押しつぶされる。その繰り返しを、納得のいく内々定が出るまでひたすら繰り返すのよ」
善子「うっ……」
理亞「目眩してきた」
ダイヤ「地獄では?」
梨子「そう、地獄です。これを乗り切るためには定期的なリフレッシュが不可欠! 推奨とかじゃなく絶対必要なんです!」
善子「じゃあ結局無理じゃない」
理亞「終わったわね」
ダイヤ(この二人もうどうでもよくなってきてますわね) 梨子「最後まで聞いて。脅かしはしたけど、三人がまだ間に合うというのはあながち嘘じゃないわ」
善子「どういうこと?」
梨子「この地獄はあくまで面接が始まってからの話よ。自己分析やエントリーの段階でそこまで疲労困憊になることはないの」
理亞「……なるほどね」
ダイヤ「つまり説明会参加、あるいはエントリーまでに短期間で追いつけば、そこからは花丸さんやルビィと同じペースで就活を進めることができる、と」
梨子「そういうことです。まぁ、花丸ちゃんに関しては恐らくインターンシップからの早期選考なので例外ではありますが」
善子(……てか)チラッ
理亞(なんでダイヤさんって妹より就活遅れてんの……?)ジトッ 梨子「一縷の望みが見えたところで、具体的な話に入りましょう」
善子「待ってました」
梨子「まずは自己分析から。理亞ちゃん」ジロッ
理亞「は、はい」ビクッ
梨子「あなたの強みはなんですか?」
理亞「え? つよ……え?」オロオロ
梨子「焦らなくてもいいわ。ゆっくりでいいから、何か他人に対して誇れる自分の要素はないか考えてみて」
理亞「えっと、その……あぅ」アセアセ
善子(鬼がおる)
ダイヤ(当たらなくてよかったですわ) 理亞「……わかりません」ボソ
梨子「……うん。初めは誰でm」
理亞「わだじはっ、何の取り柄もない……クズ人間でじだっ……!!」ビャアアアア
梨子「そういうことじゃなくてね!?」
善子「あーあ泣かしたぁ」
ダイヤ「今のは梨子さんが悪い」ヨシヨシ
梨子「いや、えっと……違うの! 自己分析はこういうことをひたすら考えるもので、それが面接でも聞かれるからぁ!」アタフタ
理亞「いいんです……。私ホントに姉さまがいないと何もできない能無しなんです。こんな人間が社会に出ようとしたのが間違いなんだって今気づかされました。これからは自分の身の丈にあった生き方をいや死に様を」グスッ
梨子「ごめんね!? 謝るから理亞ちゃん落ち着いて!? ほら、ケーキ頼もっか! ここのケーキすっごくおいしいんだよ、もう何個でも頼んじゃって私先週給料日だったから!」 〜十分後〜
梨子「お、おいしい?」
理亞「……」コクッ
梨子「よかった……」ホッ
善子「……まぁ、とにかく自分を一度見つめ直す必要があるってことね」モグモグ
ダイヤ「あのあたりの質問はネットにもテンプレがあるでしょうから、そこをヒントに進めましょうか」パクパク
梨子「とりあえずはそれでいいと思います」
善子「次の適性検査っていうのは?」
梨子「いわゆるSPIとか玉手箱ってやつね。これもネットに例題があるから見てみよっか」 ダイヤ「……案外簡単そうですわね」フムフム
善子「これなら普通に解けそう」
梨子「そうね、適性検査は決して難しい試験じゃないわ。むしろ大学生なら簡単に正答できるものばかりよ」
理亞「あ、でも今のちょっと解き方忘れちゃってるかも」
梨子「重要なのはそこね。高校卒業レベルの学力があれば必ず解ける問題がほとんどだけど、大学生活で忘れちゃってる公式とか解法とかがいくつかあると思うの。それを思い出しつつ問題のクセを覚えるのが適性検査対策の目的よ」
善子「クセ?」
梨子「就活における適性検査の問題は各企業がつくっているわけじゃないの。その試験問題をつくる会社に任せている企業が大半だから、似たような問題をこれからいくつも見ることになると思うわ」
ダイヤ「本屋さんに対策本もありますものね」
梨子「はい。ああいった本があるという事実が、試験問題がある程度似通っていることの証明にもなります。なので今からでもコツコツ勉強すればすぐに解けるようになりますよ」 善子「なんかいける気がしてきたわ……!」グッ
梨子「正直あとは受ける企業が決まったらそこの志望動機と面接質問テンプレ考えて、ひたすら企業研究するだけね」
理亞「でも私ぶっちゃけ行きたい企業なんかない……」ウーン
善子「それ」
梨子「そのへんも自己分析をすればおのずと見えてくるわ。例えば善子ちゃんは年収1000万円だけど残業が多い企業と、年収500万円だけど残業がほとんどない企業だったらどっちがいい?」
善子「後者」
ダイヤ「はや」
梨子「じゃあ前者が善子ちゃんの大好きなゲーム会社で後者がみかん農家だったら?」
善子「圧倒的に前者」
理亞「しってた」 がんばれ23卒
でもできる奴はいつ始めても内定もらえるしダメな奴はどんだけ早くやってもダメだぞ 梨子「今みたいな感じで、収入や労働環境で選ぶこともできるけど、同じ条件でも仕事そのものを楽しめるかどうかを考えることも時には必要よ。逆に、内容は一切考えずにひたすら収入や労働環境を求める人もいるわね」
ダイヤ「自分の中の優先順位が大事というわけですわね」
理亞「優先順位かぁ……」
善子「でも仮にそれが決まったとしても、それに当てはまる企業をどうやって見つけるの?」
梨子「良い質問ね。たしかに今の日本にはそれこそ数え切れないほどの企業があるわ。それをすべて吟味して企業を探すというのはほぼほぼ不可能と言っていい……」
ダイヤ「有名な企業なんて、それこそほんのひと握りですものね」
梨子「ひと握りどころか、ひとつまみと言っても多いくらいです。ですから、初めから検索範囲をある程度絞る必要があります」 理亞「一部上場とかってやつですか?」
梨子「よく知ってるわね理亞ちゃん。まさにそれも絞り方の一つで、会社の業績がある程度安定してそうなところから探すのは最も一般的よ」
善子「でもそんな一覧どこにあるの?」
梨子「よく使われるのは『四季報』ね」
善子「しきほう?」
梨子「上場している企業の平均年収や財務状況等をまとめた本よ。けっこう分厚いけど、企業選びのきっかけが欲しい人には最適だと思うわ」
理亞「そこで良いと思う企業を見つけたら、企業研究に取りかかればいいんですか?」
梨子「あくまで四季報を使う前提ならそういう流れになるわね。もちろん四季報以外で探してもいいし、初めから志望する企業がいくつかある人はすぐに企業研究から入るだろうけど。あと、企業研究をしてるうちになんか違うなと思ってやめることも全然あるわ」 薄給残業無し、高級激務、興味のある仕事、やり甲斐のある仕事
色々探し回った挙句辿り着くのがやり甲斐も面白味もない薄給激務のこんな世の中じゃ 善子「てかそもそも企業研究ってどうやるの」
理亞「知りたい」
梨子「そんな特別なことはしないわよ。まずは企業の採用ページを見て……」
ダイヤ「ふむふむ」
梨子「概要がわかったらIR資料とか決算資料とか、あとはプレスリリースも読むわね。もちろん比較のために競合他社の分も目を通すわ。面倒くさかったら『業界地図』的な本を買ってもいいけど、自分で分析するほうが身にはなると思う。それと、」ペラペラペラペラ
理亞「速い速い速い」
善子「半分以上何言ってるのかわかんなかったわ」
ダイヤ(そろそろ説明がだるくなってきてますわね) ダイヤ「決算資料と競合他社の情報も確認するという話はかろうじて理解できましたが……」
理亞「IRとかプレスリリースってなんですか?」
梨子「IR資料は簡単に言うと、企業が投資家に対して自社をPRするための資料ね。細かい説明は省くけど、私たちが企業にエントリーシートを見せるように、企業も投資家の人たちからいっぱい投資をしてもらえるように色んな情報を開示しているのよ」
善子「その企業の良いとこが詰まった資料ってこと?」
梨子「そうね。プレスリリースはもっと簡単で、その企業のニュースのことよ。『こういうシステムを開発しました〜』とか『こういう実験に成功しました〜』とかね」
理亞「面接でそんなの聞かれるんですか」ムリムリ 梨子「聞かれなくても自分からアピールすることは大切よ。最近の面接だと『逆質問』って言って学生側が面接官に質問する時間があったりするんだけど……」
善子「なにそれめんどっ」オエーッ
梨子「そのときにプレスリリースの話を持ち出したりすると高評価になるわね。IRだけだとうわべの情報になりがちだけど、プレスリリースの内容を沢山覚えていればその企業に対する志望度の高さがわかってもらえるし」
ダイヤ「真に興味のある企業なら、そこに関する最近のニュースを知っているはず、と」
梨子「それが当然って流れはまだ今のところないけど、だからこそこれからの就活でこれができるのとそうでないのとでは大きい差になると思います」 善子「『業界地図』とは」
梨子「企業はいくつかの業界に大別されているの。よく聞くやつだとIT系とか金融系とかね」
理亞「業界研究っていうのはそういう枠組みについて勉強することですか?」
梨子「そう。その中でも『業界地図』っていうのは、その業界の中の各企業の位置づけや力関係をまとめたものよ」
ダイヤ「スクールアイドル界において王者がA-RISEで突如現れた風雲児がμ'sとかそういう話ですわね」
理亞「なるほど……」
梨子「自分が入ろうとしている業界のトピックや、受けようとしている企業の立ち位置はとっても大事だから必ずチェックしておいてね」
ダイヤ「素人がμ'sについてトンチンカンに語り始めるとまず締めますものね」ポキポキ
善子「とんだ圧迫面接ね」 梨子「具体的な情報収集のやり方がわかったところで、最後に企業研究を行う際の心構えについてお教えします」
ダイヤ「いよいよ大詰めですわね」
梨子「企業研究で大事なことは二つよ」
善子「ほう」
梨子「その企業ならではの性質を掴むことと、その性質と自分がどれだけ合っているかを考えること」
理亞「……なんか難しそう」
ダイヤ「前者は私たちの面接と似たようなことですわね。その企業にしかない強みや特徴を調べておく、という感じでしょうか。競合他社の企業研究を行う理由もこれに関係していると考えるべきでしょう」
梨子「まさにその通りです。これはエントリーシートに書く志望動機を考える上で最も重要になってくるものです。無数にある企業の中でなぜその企業を選んだのか、競合他社と比べてその企業のどこに惹かれたのか。これがしっかりしていないとあの質問が飛んできます」
善子「あの質問?」 梨子「『それウチじゃなくてもよくない?』」ギロッ
理亞「うわっ……」ゲェー
ダイヤ「べつにいいのですが……って感じですわね」シラーッ
梨子「本心ではそうでも答えは用意しないとダメですね。結局、日本の就活なんてこういう茶番をどれだけ自然に演じられるかで決まるんですよ。就活生も面接官もお互いにね」
善子「たしかに、最近はハラスメントがどうのとか言われて大人の人も大変そうよね」
梨子「そう、向こうも向こうで必死なのよ。限られた時間の中で無駄な質問をせずに、将来有望そうでなおかつ辞めずにいてくれそうな学生を見極めないといけないんだから」 ダイヤ「そして私たちは自分がそういう人材だと思わせられるようなアピールをする、と」
理亞「企業研究で大事なことの二つ目もそういうことですか?」
梨子「そうよ。どれだけ会社の良いところを調べてくれてても、面接官からすれば単に気分が良くなるだけ。そこから先に進むには、『御社のこういう特徴は私の考え方や強みに合ってるんです、だから私を取ったほうが得ですよ。お互いウィンウィンですよ』ってアピールしなきゃ」
善子「なるほど、だから初めに自己分析が必要なのね」
梨子「そう! みんなだんだんわかってきたみたいね」 善子「でもなんか納得いかないわよね」ムスッ
梨子「何が?」
善子「だって今までの話を聞く限り、結局就活って面接官にどれだけ気に入られるかってだけの話じゃない」
理亞「そうよね、本心で話す人なんていなさそう」
梨子「二人とも、それは見当違いよ」フルフル
善理「え?」
梨子「たしかに現在の日本の就活はそういう側面が濃いことは否めないわ。面接ではなぜか急にバイトリーダーとサークル長が大量発生するし、カンボジアには無限に学校が建つの」
ダイヤ「みなさんカンボジアを何だと思ってらっしゃるんですかね……」 梨子「ただ、そういう風にお互いの求める要素を理解した上で、空気を読んだコミュニケーションが円滑にできること自体は社会において実際相当大事なのよ。さっきは茶番なんて良くない言い方をしたけど、要はTPOをわきまえた会話を心がけるってことよ」
ダイヤ「ビジネスの場においても生かすことのできる能力ということですわね」
善子「でもそれって嘘つき放題になるじゃん」
梨子「とってつけたような嘘はむしろ面接官にはすぐに見抜かれるわ。相手にわかりやすいインパクトを伝えるために多少話を盛るくらいは許されても、ゼロから捏造したエピソードは大抵会話が続くうちに崩されるものよ」
理亞「じゃあラブライブ優勝はダメですね……」チッ
善子「ンなもん調べたら一発でしょ……」
ダイヤ「というかラブライブって高校の話では……?」 理亞「でも私たち理系ですし、コミュニケーション能力とかそんなにいるもんですかね?」
善子「それな」
ダイヤ「お二人ともまだ人見知り治ってませんの?」
梨子「最近じゃ研究職や開発職でもコミュニケーション能力は必須よ。今や一人のスーパーエンジニアが黙々とモノをつくる時代じゃないの。もちろん、ごくまれに何か一芸に秀でた人材が即採用されることはあるけど、一般的じゃないわ」
善子「はいオワタ」
理亞「ムリ」
ダイヤ「函館でルビィと一緒にプレゼンしてた理亞さんはどこに……」
梨子「善子ちゃんなんかネットで生配信しまくってたじゃない……」 理亞「そう言われるとたしかに」
善子「もしかしてまだ舞える……?」
梨子「何より二人とも何百人ものお客さんを前にパフォーマンスしてきた元アイドルなのよ」
ダイヤ「これ以上ないメンタル強者ですわ」
理亞「え、そう?」
善子「私たちは陽キャだった……?」
梨子(……あれ? そういえば理亞ちゃんって一年のラブライブ予選で)
ダイヤ(善子さんなんていっとき不登こ……)
善理「いける気がしてきた!」キャイキャイ
梨ダ(まいっか) 理亞「それにしても就活ってこんなに大変だったのね……」クソデカタメイキ
善子「普通に尊敬するわ」
ダイヤ「就活そのものもそうですが、梨子さんの説明も素晴らしかったですわ」
梨子「いえいえそんな。みんなの理解力のおかげですよ」テレテレ
ダイヤ「まぁ善子さんも理亞さんもしっかりしてますしね」
善子「そういうダイヤは院卒じゃない。無敵よ無敵」
ダイヤ「たまたま成績がよかったから推薦で進学できただけですよ」
梨子「でも実際院卒は強いですよ。私の二つ上の先輩で○○社に入った人いましたもん」
理亞「すご」
善子「就活失敗したら進学しよっかな」
理亞「その成績でどうやって」 ダイヤ「梨子さん、今日は本当にありがとうございました」ペコリ
理亞「ありがとうございました!」ペコリ
善子「ありがとね」ヒラヒラ
梨子「いえいえ。お役に立てて何よりです」
ダイヤ「梨子さんに恩返しするためにも、しっかり就活頑張らないといけませんわね」ムンッ
善子「そうね」
理亞「必ず良い報告をします!」グッ
梨子「ふふっ。楽しみにしてるわ」バイバーイ 〜一週間後〜
理亞「就活やってる?」
善子「え? あー、まぁ」フイッ
理亞「え、やってないの?」
善子「いや、ぼちぼちかな」
理亞「ぼちぼちじゃダメでしょ。梨子さんギリギリって言ってたじゃない」
善子「それなんだけどね……私考えたのよ」
理亞「何を」
善子「まだ間に合うんじゃないかって」
理亞「は?」 善子「考えてもみなさいよ。たしかに梨子はギリギリと言ったわ。でもそれはあの頃の何も知らない私たちだったら、の話よ」
理亞「まぁ、そうかもしれないけど」
善子「でも今私たちは就活のイロハを知ってる! 自己分析とか適性検査対策は少ぉーし遅れてるかもしれないけど、就活全体についての知識はズラ丸やルビィにも勝っていると言っても過言ではないわ!」ドンッ
理亞「た、たしかに……」
善子「その私たちが今から頑張りすぎる必要なんてないはず! 就活には息抜きが必要とも言ってたし、まだまだ全然間に合うのよ!」
理亞「…………」 理亞「そう言われるとそうかも……!」ハッ
善子「でしょ!? しかも私あれからちょっと調べたんだけど、採用って通年のとこもあるらしいじゃん。あとは公務員試験とかって手もあるし、何より死ぬ気で勉強して院に進学するって手もある」ペラペラ
理亞「選択肢はまだまだ山のようにある、と」
善子「そういうことよ」
理亞「……」ゴクリ
善子「……」コクン
理亞「……今日、スタバの限定出る日よね」
善子「フッ……しょうがない、付き合ってやるわ」 >>3
です
善子じゃなくてヨハネはくどいので省いてます
大人になったってことで >>14
果南と鞠莉だけはサラリーマンとしての姿が想像できませんでした笑 >>25
大学によっては放任なとこもありますしなんなら学部学科にもよりますね
支援課みたいなサポートはさすがに大抵の大学にあると思います >>39
>>42
オリンピックとかワクチンの普及とか考えるとちょっと23卒も読めないね
ただビビりすぎる必要は決してない こういうの見て頭に入らないくらい無能だから、自分は高卒なんだろうなって思った >>70
わからないことがあったら調べればいいだけ
まったく気に病む必要はないしそんなことで無能にはならない マーチ22卒で小売ブラック企業スーパーにしか内定がないワイにとっては息苦しいスレだったンゴ
23卒ラブライバーはワイみたいにならないように夏のインターン参加するんやぞ! >>72
新卒で入った企業で定年まで勤め上げることは今じゃ当たり前ではないし転職とか前向きなことを考えよう
もちろん来年からの労働をないがしろにするわけでは決してなくてひとまずは一生懸命働くことが大事だとは思うけど 就活が嫌すぎて大学でやってた企業説明会で適当な中小1社だけ受けて内定、そのまま就活終えたわ
自己分析とか面接練習とかまともに就活できる人尊敬する >>74
1社だけ受けて終わったのすごい
中小だから簡単とか大企業だから難しいって話でもないしね
統計的にはまあある程度偏るかもだけど 工業高校からそのまま就職だったから軽く面接の練習や適性試験の勉強やったくらいで、学校に来てた求人票に載ってた会社受けたくらいだから就活ってこんなに大変なもんなんだな >>76
工業高校からの専門職は普通に賢いというか勝ち組ですよね
この就活っていう経験正直いる? て未だに思います 院進するやつも3年の時就活触れといたほうええで
後になって自分がどれだけ情弱だったか思い知った 地方だったからインターンと被せてアニサマの交通費もらった 博士卒だから特殊なのかもしれんけど俺は来年の3月に卒業する年の9月から就活を初めて
11月に履歴書を送ったとこに就職したぞ! 面接とか1月末だったし >>78
流されてとはいえここからは真面目に頑張った方がいい
院卒カードをドブに捨てるのは本当にもったいない >>79
空気感だけでもわかっといたほうがいいですね >>80
今はリモートが主流なのでそういう得はしにくいですね 自分で立てたとはいえラ板で就活の話できるのちょっと楽しいわ笑 >>81
博士卒は経団連ルール適用外で通年採用だからな
学会、論文が落ち着かないと就活どころじゃないし、博士は大変だと思うわ 22卒公務員志望ワイ、民間は考えてないとはいえもう少し早くこのスレを見たかった インターンは9月にでも行くよ
それまでは情報工学科だからGitHubを人に見せられるくらいにするつもり 23卒だが夏のインターン何も応募してない
今からでも間に合う? このスレ見てる就活生にこれだけは教えたい
「給料安いけど楽な仕事」なんてものは存在しない
ガンガン色んな会社の説明会に行って自分は
これだけは絶対に無理っていうのを沢山見つけて潰してけば
自ずと適した会社が見つかる
頑張れ 日系目指すならインターン解禁の3年の6月から動くのがスタンダードだった記憶
まあインターン(笑)で実質企業説明会みたいなもんだったけど 院卒(予定)の先輩や友人の学内推薦普通に落ちてて震えてる >>98
学部学科にもよるでな
院生だったら専攻にもよるで 就活が嫌で院進した18卒だけど>>79の通りB3〜M1のどこかで就活経験はしておいた方がいいよほんとに
特に理工系以外は下手すると年齢だけ+2になった新卒として見られたりもするから逆に不利になったりもするし >>88
そう言ってもらえると嬉しい
試験がんばれ こんなん無理って思った高校生は国立理工学部系、出来れば宮廷以上でマスター行けば
ほぼフリーパスの大学推薦ルートも未だにあるんで受験がんば >>89
>>90
22卒終活済の個人的な意見だけどインターンは本当に慎重に考えたほうがいい
行けばいいというわけじゃないしましてや行かなくてはならないものでは絶対にない
インターン自体にも評価はつくしその評価が悪ければそれが選考本番で足を引っ張るということを頭に入れておくべき >>91
ありがとうございます!
本体の感想が少ないからSSだということを忘れてました笑 >>93
ブラック・激務覚悟で本気で上を目指して就活した人ほど結果的にはまともな企業に入ることが多いのはあるあるな気がしますね
楽な方楽な方を求めていってもそんな企業はまあ無いってことにいつか気づくし気づいてからじゃ遅い >>94
最近じゃ既卒未経験枠も増えてきてます大丈夫です頑張りましょう!
ていうか人生3年くらいニート期間があった方が楽しいような気もします >>95
B3とかM1の夏から動ける人尊敬します
まあ本格的に動きはせずに冬にエンジンかけるための慣らしとして1dayインターンだけ参加とかならいいかもしれませんね
長期インターンであれば真剣に臨まなくてはなりませんが 院卒やったが就活めっちゃ簡単やったぞ
何とかなるなる >>97
大学推薦は24に書いた「適性検査」とか「面接」の一部をスキップできるだけでなにも優先的に採用してもらえる制度じゃないからな
ぶっちゃけ推薦で受かる人は推薦じゃなくても受かるし逆も然り >>109
正直8割は本番以外のところで決まってますからね
ガクチカ・学歴・論理的コミュ力の3つをどれだけ積み重ねられたかが一番大事
中でも学歴は昨今じゃ大手でもあまり考慮されなくなってきてますし ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています