A「あと、璃奈って好きな人とかいるのかなって……」

菜々「う〜ん……どうなんでしょうね。これといって聞いたことはありませんけど」

A「宮下さんとか」

菜々「えっ、宮下さんですか?」

A「はい! 同好会のニ年生の人ですけど、璃奈と仲が良いイメージがあって……それに宮下さんって文武両道で学校の中でも人望が厚いっていうか」

菜々「仰る通りお二人はとても仲良しだと思いますが……宮下さんと天王寺さんが特別にそういう関係だと感じたことはありませんね」

A「そうなんでしょうか……でも、やっぱり璃奈にとっては突然想いを伝えられても迷惑かなって」

菜々「そうですかね? 璃奈さんはそういう人ではないと思いますよ。あなたが想いを打ち明けて、それを無碍にするような璃奈さんの姿を、私は少なくともイメージできません」

A「うーん……」

菜々「それに、想いを打ち明けて迷惑になるなんてことありますか? Aさんの大好きをそのまま伝えたらいいんだと思います。まあその……お付き合いできるかどうかまでは保証できませんが」

A「……会長、璃奈と結構仲良しなんですか? そんな風には今まで見えなかったですけど」

菜々「え? どうしてそう思われるんですか?」

A「えっ? いや、だって会長と璃奈なんてそこまで接点なくないですか? なのに璃奈のこと結構知ってるような口ぶりで」

菜々「え、ええと……同好会の設立の手続きで結構関わったので」

A「あぁ、なるほど。そうなんですね……ごめんなさい、話がそれてしまって」

菜々「いえいえ、大丈夫ですよ」



Aの相談はこの後2時間弱続いた……。