歩夢「――――えっ」

歩夢(はっとする)

歩夢(聞き間違えるはずもない。ずっと焦がれていた声)

歩夢(冷え切っていた心に一瞬で熱が灯る)

歩夢(振り返ると、誰よりも会いたかったその娘が優しく微笑んでいた)


歩夢「侑ちゃんっ!!」


歩夢(意識するよりも早く身体は動いていた)

歩夢(半ば飛びつくように駆け寄り)

歩夢(もう、離さないように強く、強く抱きしめる)

侑「もぅ、歩夢ってば...苦しいよ」

歩夢(その声も、匂いも、感触も、温もりも...全部が私を幸せにしてくれる)

歩夢「侑ちゃん、侑ちゃん、侑ちゃん」グス

侑「ふふっ、あの頃から甘えんぼのままなんだから」ギュ…

歩夢(侑ちゃんが小さく暖かい手で、私を抱き寄せてくれる)

歩夢「うっ、うっ...侑ちゃん...会いたかった」ポロポロ

侑「黙って居なくなってごめんね、歩夢」