侑「見た相手の考えている事が分かるメガネ?」璃奈「うん」
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璃奈「遂に完成したの」
璃奈「私が裏でひっそりと作っていた」
璃奈「ツナガルメガネversion1が」スチャ キラーン
侑「へ、へぇ……」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
スタスタ
侑「あ! 果林さん見つけた。やっぱりカフェにいたんだ」
果林「……」
侑(端っこの席でコーヒー飲んでる……かっこいいなぁ……絵になるよ)
侑「さっ、姫乃ちゃん。私の目の届く範囲で果林さんを観察し──」
姫乃「……」カメラ スッ
侑「こら」
姫乃「!!」ビクッ
侑「盗撮はダメだよ?」ジー
姫乃「……ダメ?」
侑「当たり前でしょ」
姫乃「はーい……」
侑「全くもう」
侑「私も果林さんを観察したい用事があったし、色々と話してくれたから誘ったけれど」
侑「やりすぎはダメだからね? ファンのいきすぎな行動は厄介に繋がっちゃうからね?」
姫乃「うっ……わ、分かりました。申し訳ございません」ペコリ
侑「分かってくれたならいいよ」 侑(よし、私も璃奈ちゃんのレポートの続きを進めなきゃ)
侑(姫乃ちゃんの事も見ないとだし、今回は遠くから凝視しよう)スチャ
姫乃「はぁ……果林さん……お美しいです……」
果林「……」ズズッ
侑(優雅にコーヒー飲んでるなぁ)
侑(果林さん。きっと、色々考えながらリラックスしてるんだろうなぁ)ジー
侑(モデルの事を考えてるのかな? それともスクールアイドルの事かな?)ジー
侑(さぁ、どんな事を考──)
果林『ん〜』
果林『コーヒー……うんまきゃ〜』
侑「」 果林(ブラックは流石に苦いわね…)
とかじゃなくてよかった
しえん 覗かれたらアカンものを除いてコレってことはフィルターさんの仕事量もの凄いんやろな 侑「……姫乃ちゃん」
姫乃「なんでしょう? 侑さん」
侑「うんまきゃ〜ってどこの方言か分かったりする?」
姫乃「突然なんですの……?」
侑「いや、その……気になっちゃって」
姫乃「は、はぁ」
姫乃「確か八丈方言ですね。八丈島や青ヶ島で使用される方言です」
侑「そうなんだ。ありがとう」
姫乃「はい」
侑「……っ……っ……」プルプル
姫乃「!?」
侑(果林さん)
侑(ギャップがあり過ぎて、かわいい……!! ときめいちゃう……!!)
姫乃「侑さん、本当に今日どうしたんです……!?」 侑「私は気にしないで、姫乃ちゃん。今は果林さんを観察しよう」
侑(あれ? なんかこの発言やばい気がしてきたけど大丈夫かな?)
姫乃「わかりました」ニッコリ
侑(あ、全然平気だったみたい。良かった良かった)
果林「……」ズズッ
果林『平和け〜』
果林『め、こんな日も大事大事ー』
果林『天気も良い。はぁ、エマと彼方とひなたぼっこしたか〜』
侑「……!! ……っ、っ……!!」プルプル
侑(果林さん可愛い……!!)
姫乃「果林さん……コーヒー飲んでるだけで優雅です……。きっと色々とお考えなのでしょう。スクールアイドルの事を考えてるのでしょうか……」ウットリ
侑(ひなたぼっこのこと考えてるよ……!!) 侑「!!」
侑(そうだ)
侑「ねぇねぇ姫乃ちゃん」
侑「せっかくだし、果林さんとお話したくない?」
姫乃「え!?」 姫乃「と、当然お話したいですが……よろしいのでしょうか?」
姫乃「本日は観察しに来ただけですのに」
侑「ここまで来たんだし、いい機会じゃん?」
姫乃「……な、ならお言葉に甘えてお話しにいこうかな……」ボソッ
侑(まぁ本来私が止める権限はないしなぁ)
侑「あっ! でも変な行動起こしたりしたらすぐに止めに入るからね!」
姫乃「私は淑女なのでそんなこといたしません! もうっ!」
姫乃「って、侑さんは来ないんですか?」
侑「私はここから2人を見てるよ。あと、私がここにいるのは内緒にしてね?」
侑(集中して見てたいし)
姫乃「わ、分かりました……では、行ってまいります」
侑「はーい。行ってらっしゃい。楽しんできてね〜」フリフリ
スタスタ 侑「……」ジー
姫乃「果林さん、ごきげんよう」ニッコリ
果林「あら、綾小路さんじゃない! どうしたのかしら? 遊びに来たの?」ニコッ
姫乃「はいっ。果林さんにお会いしたくて」
果林「ふふっ、お上手ね?」クスクス
侑「……」ジー
果林『綾小路さん、今日もかえーしきゃの〜』
果林『あ、いけないいけない。方言出さないように気を付けないと……。集中よ、朝香果林』
侑(ごめんなさい。果林さんの秘密を知ってしまいました。私の中だけの秘密にするからね)
侑「……」ジー
姫乃『はぁぁぁぁああああっ!! 果林さん! 果林さんはぁっ!! 可愛い、お美しいです! 果林さぁんッ!!!!』
侑(やっぱり止めに入った方がいい気がしてきたんだけど) 果林「そう言えば綾小路さん。この前のスクールアイドルの特集雑誌で表紙になってたわよね?」
姫乃「え!? な、なんでそれを……」
果林『表紙の綾小路さん、可愛かったのよね』
姫乃『果林さぁぁぁぁぁぁぁん!!!!』
果林「ふふっ、読モの仕事仲間であなたのファンの子がいてね。見せてもらったのよ」ニコッ
姫乃「か、果林さんに知ってもらえているだなんて……恐縮です」
果林『まぁ実はわたしも綾小路さんのこと、結構気に入ってるのよね』
姫乃『う、嬉しい……嬉しいよぉ! お母様、お父様! 綾小路姫乃は幸せです!! はぁ〜!! 果林さぁぁぁぁん!! 生まれてきてくれてありがとう……ありがとう、ありがとう』
果林「あら? わたしもあなたの事、結構買ってるのよ? もっと自信持っていいのに」
果林「ッッ〜〜〜〜〜!!////」カァァァァァ
果林「ふふっ、照れちゃって可愛いわね?」アゴクイ
姫乃「──っ!!/////」
姫乃「〜……恥ずかしいです……/////」
果林『綾小路さん、真っ赤になっちゃった。かえーしきゃ〜』
姫乃『はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……!! 果林さん、果林さん果林さん……!! 閉じ込めていた感情が溢れ出しちゃいそう……!!』
姫乃『果林さん果林さん果林さん果林さん果林さん果林さん果林さん果林さん果林さん果林さん果林さん果林さん果林さん果林さん果林さん果林さん果林さん!!!! ──ずっとファンでいさせてくださぁぁあああああい!!!!』
侑『光と闇かな?』
侑「……ふふっ」
侑(──でも、姫乃ちゃん幸せそう! それもそうだよね。果林さんの大ファンだし!)
侑「良かったね、姫乃ちゃん」ニコッ
侑(この距離感の近さが、スクールアイドルの良い所だよね) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
スタスタ
侑「さぁて、誰かいないかなぁ」キョロキョロ
侑(お二人の邪魔しちゃ悪いかなって思って、移動しちゃった。果林さんとは今度ゆっくりお話しよ〜っと)
侑(それにしても、やっぱりファンの子達は熱狂的な子が多いよね)
侑(私も相当熱狂だと思うけど、上には上がいるんだなぁ)
侑「……あっ!」
浅希「……」シャカシャカ
侑「浅希ちゃんだ! 1人でいるなんて珍しいなぁ」
侑(音楽聞いてるみたいだけど……なに聞いてるんだろ? あの子璃奈ちゃんのファンだから、璃奈ちゃんの歌聞いてるのかな?)
侑「……」スチャ
侑(浅希ちゃんも熱狂的なのかなぁ? ごめん、これも璃奈ちゃんのレポートの為だから……見せてもらうね!)
侑「……」ジー 浅希『R-I-N-A-C-H-A-N-B-O-A-R-D! 璃奈ちゃんボード!』
侑「!?」
浅希『R-I-N-A-C-H-A-N-B-O-A-R-D! 璃奈ちゃんボード!』
浅希『よし、もっかいここリピートしよ』スッ、スッ
浅希『うーん、やっぱりARDの所が少し早いから、ちゃんと声に出せるか心配だなぁ。しっかりと本番で言えるようにリズム覚えて、アルファベットを間違えないよう完璧にしなきゃ』
浅希『R-I-N-A-C-H-A-N-B-O-ARD! 璃奈ちゃんボード!』
浅希『R-I-N-A-C-H-A-N-B-O-ARD! 璃奈ちゃんボード!』
浅希『今度の璃奈のライブのために! 全力で応援できるように練習しなきゃ!』
浅希『璃奈……楽しみにしてるし、楽しみにしててね……!!』
侑「……」ジー
侑(コールの練習してる……) 侑(すっごい)
侑(私の中で今、浅希ちゃんの評価が急上昇してる)
侑(ファンの鏡だよ。ときめいちゃうよ)
侑「今度、璃奈ちゃんのライブで最前線の席のチケット用意して浅希ちゃん達にプレゼントしてあげよ……」
侑(楽しみにしててね……!!)ジーン
スタ、スタ バッ
「……だーれだ!」
ギュッ!!
侑「!?」 ビクッ!! 侑「え? え!?」
侑(び、びっくりしたぁ! 後ろから抱きつかれちゃった……えと、声からして)
侑「あ、愛ちゃん?」
愛「せーかい!」バッ
愛「驚いた?」
侑「う、うん。ちょっとだけ」
愛「えへへ、ごめんごめん」
侑「全然大丈夫だよ。こんにちは、愛ちゃん」ニコッ
愛「うん! ゆうゆ、ちーっす!」ニコッ 愛「ゆうゆ、今日はメガネなんだ! オシャレじゃん!」
侑「あはは、ありがとう。璃奈ちゃんから借りたんだ〜」
愛「そーなんだ! ゆうゆは良い顔してるからメガネも似合うんだね〜」
侑「て、照れるなぁ。でも、私より愛ちゃんの方がずっと可愛いよ」
愛「お上手だなぁ! ゆうゆは〜!」
侑(はぁぁぁぁ……愛ちゃん今日も可愛い! いつも元気で楽しそうだし、話してて私まで楽しくなってくるんだよなぁ〜!)
侑(皆を楽しくできる愛ちゃん! まさに楽しいの天才だよ!!)
愛「そーいえばゆうゆ、1人でいるなんて珍しいね? 何してたの?」
侑「私? うーん、学校内のおさんぽ?」
愛「あはは! なんで疑問形なのさ〜」
侑「たしかに!」
愛「ゆうゆは天然だなぁ。なにしてんねんってね! 天然なだけに!」
侑「ッッッッッ!!」
侑「──ぷっはははははは!!」
侑「や、やめてよー!」
愛「ゆうゆのダジャレへの反応、本当にいいねぇ! 愛さん嬉しくなっちゃうよ!」
侑「も、もー!」ニコニコ
侑「急にダジャレ言われると笑っちゃうよ、愛ちゃ──」ジー
愛『ゆうゆ、今日も可愛いなぁ』
侑「!?」 愛『背小さいのにスタイルいいし、身体もやわらかい。なんか温かいし抱きつきたくなっちゃうんだよね。本当に可愛い。好きだぞゆうゆ〜』
侑「……っ……!!///」
愛「え? ゆうゆ、どしたん?」
侑「な、なんでもないよ!?////」
愛「ん〜?」キョトン
愛『顔赤くしてるゆうゆ、新鮮だ! ……でも、急にどうしたんだろ?』
愛『──はっ!! まさか熱!?』
愛「ゆうゆ! 体調悪かったりしない!?」
侑「う、うん……平気だよ?」
愛「ほんと!?」
愛『大事なゆうゆに何かあったら大変だもん!』
侑「……え、えへへ……」ニヘラァ
侑(や、やばい……かすみちゃんの時の再来だ。めっちゃ照れちゃう。褒められるの、慣れてないんだってば!!)
愛「ゆ、ゆうゆ!?」
愛『急に笑ってどうしたんだろ!?』
愛『可愛いけど!』
侑「……!!」フイッ
侑(目が合わせらんないよ!!)
愛「ゆ、ゆうゆ?」 愛『な、何かあったのかな……? ゆうゆに目、逸らされちゃった……』
侑(違う、違うんだよ愛ちゃん!)
愛『そ、そうだ! ダジャレで気を引いて、何かあったのか聞いてみよう!』
侑「!?」
愛「…………」ジー
侑(めっちゃ真剣な顔しとる!)
愛『きれいなゆうゆに激励』
侑「!!」
愛『元気出さないのは厳禁』
侑「っ、ッッッ……!!」プルプル
侑(い、今すぐ笑いたい……!! 笑いたいけど!! 今笑っちゃうと確実にヤバい子になる!!)
愛『滲む虹。りなりーは無理難題がすき。歩夢と歩む』
侑「……はっ、ッッッ、ふっ……〜……!!」プルプルプルプル
侑(死ぬ!! ここにいたら私は死ぬ!! 笑いたいッ!!)
愛「ゆ、ゆうゆ!? どうし──」
侑「あ、愛ちゃん──ご、ごめん!!」 バッ
タッタッタッタ!!
愛「ゆ、ゆうゆー!?」 こういう話だと歩夢の心覗いて最終的に刺されるor監禁ENDしか見えないけど最後に璃奈ちゃんだしそこまで酷いことにはならないだろう ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
タッタッタッタ!!
侑「はぁ、はぁ、はぁ」
侑「ふー……」
侑「…………」キョロキョロ
侑(誰もいない。よし!)
侑「──!!」
侑「ぷっははははははッ!!」
侑「あっはっはっはっはっは!!」バン、バン!!
侑「ひー……!! ひっ……!!」
侑「あ、歩夢と歩むて……!!」
侑「そ、そんままじゃん! ぷは、──あっはっはっはっはっは!!」バンバンバンバン!!
侑「ふー、ふー……」プルプル
侑「はぁ、はぁ……はぁ〜……!!」
侑「……はぁ……ふぅ……」
侑「………………」
侑(し、死ぬかと思った)
侑「このメガネ、結構危険かもしれない。命の危険を感じたよ」
侑「さて、スッキリしたし、誰にも見られてなかっただろうし引き続──」
エマ「」
侑「」 エマ「侑ちゃん?」キョトン
侑「え、エマさん!?」
侑「い……いつからここに?」
エマ「えっとぉ〜」
エマ「侑ちゃんがすっごい大きな声で笑ってる時くらいに……」
侑「」
侑(ぜ、全部見られてるー!!)
侑(や、やばい……絶対に変な子って思われた……)
侑「え、エマさん! その──」
エマ『たっくさん笑ってる侑ちゃんかわいい〜』
侑(聖母か?) エマ「すっごく楽しそうに笑ってたね〜」ニコニコ
エマ「侑ちゃん、何かあったの?」
侑「そ、その……愛ちゃんのダジャレ連発が面白くて」
侑(嘘は言ってない!)
エマ「そーだったんだ! 愛ちゃんのダジャレ面白いよね〜」
侑「私からしたら反則ですよ……あれは」
エマ「わかるわかる〜」ニコッ
侑(聖母だ。エマさんは聖母だよ)
侑(はぁぁぁぁ……!! エマさん、優しすぎるよ……!! 普通、あんなに笑ってる人見たらドン引きするのに)
侑(何かあったのか聞いてくれて、同調してくれて……優しい! 癒し! 声も可愛いし、つい甘えたくなっちゃうんだよね……!!) エマ「あれ? でも愛ちゃんはどこ〜?」キョロキョロ
侑「あっ、愛ちゃんは別の所にいるよ。私がダジャレに耐え切れずに逃げてきちゃったの」
エマ「そーだったんだ」ニッコリ
侑「うん!」
エマ『あんなに侑ちゃんを笑わせる事ができるなんて、愛ちゃんはすごいなぁ』
エマ『私もダジャレ、練習した方がいいかな?』
侑「!?」
エマ「ねぇねぇ! 侑ちゃん! 私もダジャレの練習した方が──」
侑「え、エマさんはダジャレ言うようなキャラじゃないじゃん!? 別に練習しなくていいと思う!」
侑(これ以上ダジャレ連発されたら呼吸困難になっちゃうよ!)
エマ「え?」
侑「だ、だから──」
エマ『拒否されちゃった』
侑「!?」
エマ「そうだよね、確かにダジャレは愛ちゃんの専門分野だもんね〜」ニコニコ
エマ『そっか、そうだよね』
エマ『私のキャラじゃないもんね』
侑「え、エマさん?」 エマ『少しでも笑わせようと思って、変な事言っちゃった。反省反省』
エマ『同好会の皆は、留学生である私を受け入れてくれて、優しくしてくれる』
エマ『大好き。この子達には少しでも笑顔でいてもらいたい』
エマ『嫌われたくない』
侑「……」ポカーン
エマ『同好会は、侑ちゃんがいたからまた皆で集まれたんだもん』
エマ『私は何も出来なかった。3年生なのに。皆よりもお姉さんなのに……』
エマ『そんな私なんかを、侑ちゃんは慕ってくれる』
エマ『侑ちゃんには、本当に感謝してる。だからこそ、嫌われたくない』
エマ『もっと上手くやらないと。ちゃんと、しっかりと……やらないと』
エマ「あっ! そう言えば侑ちゃん今日はメガ──」
侑「……」 スッ
エマ「──へ? メガネもう外しちゃうの?」
侑「エマさん」
エマ「?」 侑「……──」スゥゥゥゥ
侑「私は!!」
侑「エマさんの事!!」
侑「──大好きだよぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおッ!!!!」
エマ「!?」ビクッ!!
エマ「ゆ、侑ちゃん!?////」 侑「はぁ、はぁ、はぁ……!!」
エマ「侑ちゃん、急にど──」
侑「エマさん!」
エマ「は、はい!」ビクッ!!
侑「私はエマさんのこと、絶対に嫌いになったりしない!!」
エマ「!?」
侑「エマさんは、本当優しくて、みんなの事……すごくよく考えてくれてる」
侑「自分の事よりも! 周りの子達の事ばっかり考えてるのも知ってる!」
侑「優しすぎるくらいだよ」
エマ「……」
侑「エマさんを……嫌うわけないじゃん! エマさんを嫌う子なんていないよ! そんな子いたら、私が怒ってあげるから……! 安心してよ。私も、皆も! エマさんの事大好きだよ!」
エマ「ゆ、侑ちゃん……」
侑「だから……だから……」
侑「そんな……」
侑「“私なんて”……だなんて……」
侑「思わないでよ……っ……!!」
エマ「…………」 >>149 誤字修正
侑「はぁ、はぁ、はぁ……!!」
エマ「侑ちゃん、急にど──」
侑「エマさん!」
エマ「は、はい!」ビクッ!!
侑「私はエマさんのこと、絶対に嫌いになったりしない!!」
エマ「!?」
侑「エマさんは、本当優しくて、みんなの事……すごくよく考えてくれてる」
侑「自分の事よりも! 周りの子達の事ばっかり考えてるのも知ってる!」
侑「優しすぎるくらいだよ」
エマ「……」
侑「エマさんを……嫌うわけないじゃん! エマさんを嫌う子なんていないよ! そんな子いたら、私が怒ってあげるから……! 安心してよ。私も、皆も! エマさんの事大好きだよ!」
エマ「ゆ、侑ちゃん……」
侑「だから……だから……」
侑「そんな……」
侑「“私なんか”……だなんて……」
侑「思わないでよ……っ……!!」
エマ「…………」 侑「だから……だから!」
エマ「侑ちゃん」
侑「!!」
エマ「ありがとうね」
侑「……っ」
エマ「……ふふっ、いつもすごい周りを見てる子だけど──今日の侑ちゃんは、私の心の中まで見えてるみたいだね〜」ニコニコ
侑「え!? ち、違──あぁ、その……違くはないんだけど……そ、その!!」
エマ「冗談だよ〜」
侑「え……えと……」
エマ「侑ちゃん」
侑「……」
エマ「ありがとう」ニッコリ
侑「……うん」コクリ 侑「あっ! でもその……実はこのメガネ!!」
エマ「侑ちゃん、大丈夫だよ」
侑「え?」
エマ「言わなくても、大丈夫。なんとなく分かってるから」
侑「……」
エマ「私、実はちょっぴり怖がりだったりするんだ〜」
エマ「それで心の中では、ネガティブに考えちゃう事もあるの。──あっ! 皆には内緒にしてね?」
侑「エマさん……」
エマ「でも! 今日侑ちゃんが言ってくれた言葉、本当に嬉しかった」
エマ「……そうだよね」
エマ「私、スクールアイドルだもん。ネガティブに考えるんじゃなくて、ポジティブに考えないと……もっと輝けないよね!」
エマ「私なんかだなんて、もう思わないようにする」
エマ「私は、癒し系スクールアイドルだもん。ポジティブに考えないとだよねぇ!」
侑「!! ──エマさん!!」パァァァァ
エマ「えへへ」
エマ「侑ちゃん、ありがとうね」
エマ「これからも私の事、大好きでいてね。応援してねっ!」ニコッ
侑「うん!!」 ギュッ!! エマ「ふふっ。ぎゅ〜」
侑「あはは、癒される〜」ニコニコ
エマ「良かった♪」
エマ「──あっ! 侑ちゃん」
侑「ん?」
エマ「璃奈ちゃんに開発はほどほどにねって言っておいてね?」
侑「あ、あはは……はい」
侑(さすがエマさん。鋭い……) つづく
この前は寝落ちしました
亀更新ですが今後ともよろしくお願いします ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
侑「さてさて、結構色々な子達のレポートが出来てきた」
侑「スクールアイドル同好会の子達も残り少なくなってきたね」
侑(でも、やっぱりこのメガネは少し危険だね)
侑(さっきのエマさんの考えてる事は……心の悩みだった)
侑(何とか解決出来たから良かったけれど……あまり知りすぎてはいけない事だ)
侑(もう少しフィルターの範囲を広げた方が良いと思う)
侑(悩みは……その人の口から直接聞きたいもん)
侑「……よしっ、引き続き頑張ろう」
侑「待っててね、璃奈ちゃん」
スタスタ
「……──で、──ここは……」
「──ですね、……──に印鑑を……」
侑「ん? 教室から声が……」
侑(誰かいるのかな?)
スタスタ
侑(ここの教室からだ! ちょっと覗いてみよ) ササッ 副会長「なるほど……会長、ありがとうございます」
菜々「いえ、大丈夫ですよ。むしろ書類を手伝ってくれて……こちらこそありがとうございます」ニコッ
侑(せつ菜ちゃんと副会長ちゃんだ!)
侑(教室で生徒会の書類作成してるのかな?)
侑(いつも学園の為に色々としてくれて、本当にありがたいよね) 菜々「では、次はこちらをお願いします」スッ
副会長「はい。任せて下さい」
菜々「本当にありがとうございます」
副会長「いえいえ。……というか、私よりも会長の方が数倍多くの書類を作成してるじゃないですか」
副会長「私も副会長ですから。もっと会長のサポートをさせて下さい」
菜々「……ふふっ、分かりました。では、お互い頑張りましょう」
副会長「はい」ニコッ
侑(うーん、2人とも絵になるなぁ)
菜々「……」カキカキ
侑(せつ菜ちゃんも頑張ってるなぁ……きっと色々学校の事考えてくれているんだろうなぁ)
侑「……」スチャ
侑「……」ジー
菜々「……」カキカキ 菜々『黄昏よりも昏きもの 血の流れより紅きもの
時の流れに埋もれし 偉大な汝の名において
我ここに闇に誓わん 我等が前に立ち塞がりし すべての愚かなるものに
我と汝が力もて 等しく滅びを与えんことを!』
菜々『──いきます!』
菜々『せつ菜☆スカーレットストーム!!』
侑「」 菜々「……」カキカキ
菜々「あっ、そこは印鑑が必須なので気を付けてくださいね?」
副会長「!! ──すみません、ありがとうございます!」
菜々「いえいえ。私もよく間違えるので」ニッコリ
菜々『うおおおおおおおお!!!!』
菜々『やはりドラグ・スレイブの詠唱はカッコ良すぎますよね!!』
菜々『何度も復唱しました。アニメ版と詠唱が一部だけ異なるのも良いですよね!!!!』
菜々『……うーん、何とかライブのせつ菜☆スカーレットストームパフォーマンスで詠唱を混ぜたいのですが……中々良いのが思い浮かびません』
菜々『丸パクリはダメだと思いますが、やはりかっこいい詠唱を作るにはかっこいい詠唱を参考にするのが1番だと思います』
菜々『うおおおおおおお!!!! 気合い入りますね!! 頑張りましょう!! 優木せつ菜!!!!』
菜々『えい・えい・おー!! 』
菜々「この書類は完成できました。次のに取り掛かります」
副会長「会長、早いですね……さすがですっ」
侑「」 菜々『そう言えば……しずくさんのSolitude Rainの開幕詠唱もかっこいいですよね』
菜々『──雷鳴が胸に鳴り響いて 閉じ込めていた感情が溢れ出していく もう見失ったりしない ──私だけの思いを!』
菜々『──いきます!』
菜々『せつ菜☆スカーレットストーム!!』
菜々『ッ〜〜〜〜〜!! かっこいいです!!!!』
菜々『ですが、雷鳴ですからね……その要素を活かすなら! よし!』
菜々『──せつ菜☆スカーレットサンダーストーム!!』
菜々『うおおおおおおお来ました!!!! 最高にしっくりきます!!!!』
菜々『これはぜひしずくさんとかっこいいデュエットソングを歌いたいですね……!!』
菜々「……」カキカキ
副会長『集中してる会長かっこいいです……さすがです……!!』
侑「」
侑「……」スッ
侑(目、いったぁ……ッッ……!!)
侑(元気過ぎだよせつ菜ちゃん)
侑(──というか!!)
侑(何であんなに色々考えてるのに書類どんどん作成できるの!?)
侑(仕事にすっごい集中してそうなのに……意外と皆、こんな感じなの!?)
侑(あと、しずくちゃんのあれは詠唱ではないからね!?) 副会長「!! 会長、もうその書類終わりそうですね」
副会長「すごいです……」
菜々「そんな大したことしてないですよ」
副会長「そんなに謙遜しないで下さい。私は会長を尊敬しています。そんな方が謙遜していては、私の見る目がないってことになってしまいますよ?」
菜々「わ、私を尊敬してる……?」
副会長「ええ、当然です」
副会長「……そう言えば、会長は誰か尊敬してる方はいらっしゃるんですか?」
菜々「え? 私が尊敬してる方ですか?」
副会長「はい」コクリ
菜々「そうですね……」
菜々『高咲侑さんに決まってます』
侑「!?」ビクッ 菜々『彼女は、私のヒーロー』
菜々『スクールアイドルをやめようと思っていた、私を救い出してくれた』
菜々『私のことを大好きだと言ってくれた侑さん……全く、ずるいですよね』
菜々『私の事が大好きだとか、私の歌が聴ければ充分だとか……そんなのこと真っ直ぐ伝えられたら』
菜々『歌わないわけには……いかないもん』
侑「……せつ菜ちゃん……」
菜々『彼女は、一度止まっていた私を──再びスクールアイドルの世界に……大好きな世界に!! 飛び込ませてくれた方です』
菜々『侑さんのおかげで、今の私がいるんです』
菜々『本当いつも感謝してます。感謝の気持ちでいっぱいです』
菜々『侑さんは私の、大切で、大事な、尊敬している……ヒ──』
侑「ッッ!!」 スッ!! ──ガチャン!!
侑「……っ……!! ……っ、!!」
侑(泣いちゃダメだよ。泣くな、高咲侑)
侑「……人の……心を見て……泣くなんて……っ……!!」
侑「ダメに決まってるもん……!!」
侑「!!」 バッ!!
ガラガラッ!!
侑「な、中川会長!!」
菜々「!?」ビクッ!!
副会長「!?」ビクッ!!
菜々「高咲……ゆ、侑さん!?」 侑「……えっと、その! お仕事中にごめんなさい。優木せつ菜ちゃんに伝言をお願いします!!」
菜々「!?」
副会長「え!? 優木せつ菜ちゃん!?」パァァァァ
侑「──」スゥゥゥゥ
侑「いつもありがとう!! 私……せつ菜ちゃんの事、ずっと大好きだからっ!!」
菜々「!?!?!?」
菜々「ゆ、ゆゆゆゆゆ侑さんッ!?////」カァァァァ
侑「そ、それじゃ……ご、ごめん!! 失礼しました!!」バッ!!
タッタッタッタ!!
副会長「……な、なんだったんでしょう──って、会長?」キョトン
菜々「……ッッ////」
副会長「お顔……真っ赤ですよ? 大丈夫ですか……?」
菜々「は、はい! だ、だだだ……大丈夫です!! き、気にしないでください!!」フイッ
副会長「は、はぁ……」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
タッタッタッタ!!
侑「はぁ、はぁ、はぁ……!!」
侑「……っ、走って逃げてきちゃった……ごめん、せつ菜ちゃん」
侑(あんなのずるいよ……本当に……)
侑「……私だって、せつ菜ちゃんの歌があったから……大好きなこの世界に飛び込めたんだから」
侑「私も、歩夢も……せつ菜ちゃんのおかげでスクールアイドルに出会えたんだよ……?」
侑(本当、ありがとう。今度、せつ菜ちゃんに直接お礼を言おう)
侑「……同好会の子達は、残り二人。歩夢と璃奈ちゃんだけだ」
侑「……ん!」パシッ
侑「さて、切り替えなきゃ」
侑「よーし」
侑「最後まで頑張ろうっ!」グッ
侑(とりあえず、歩夢を探そう) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
スタスタ
色葉『うーん、やっぱり侑&愛の組み合わせが王道だよねぇ』
侑(いない)キョロキョロ
・
・
・
スタスタ
演劇部部長『次の演劇のキャスティング、しずくは誰にしようかな? 意外と悪役も上手く演じれるかもしれないかな? よし。彼女の成長の為に次はあの登場人物に──』
侑(ここにもいない)キョロキョロ
・
・
・
スタスタ
コペ子『かすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみんかすみん』
侑(逃げろッ!!) バッ!!
・
・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
侑「………………」
侑「歩夢!! どこにいるのー!!」
侑(全然見つからないよ……)
侑「……さすがに疲れてきたかも……」
侑「なんかメガネに映る文字も心無しか薄くなってる気がするし……目が疲れてきたんだろうなぁ」
侑「歩夢……どこぉ〜?」キョロキョロ
スタスタ
今日子「歩夢ちゃん! 今日はありがとう! 本当に楽しかったっ」ニコニコ
歩夢「ふふっ、私もだよ今日子ちゃん! またお菓子作ろうね〜」ニコッ
今日子「ッ〜!! え、笑顔が可愛い……また作りましょうね!!」
歩夢「も、もぉ〜! 恥ずかしいよ〜」
今日子「えへへ! じゃあ、またね!」 バッ
歩夢「うん、またね〜」
タッタッタッタ
侑「あ、あぁ……!!」パァァァァ
侑(あ、歩夢だぁぁぁぁ!! やっと見つけた!!) タッタッタッタ!!
侑「歩夢ー!!」
歩夢「──あっ! 侑ちゃんっ」パァァァァ
侑「みーつけたっ」 バッ ──ギュッ!!
歩夢「わっとと」ダキッ
歩夢「ど、どうしたの? 侑ちゃん」キョトン
侑「あははっ、なんか久しぶりに会えた気がして、嬉しくなっちゃった!」ニコッ
歩夢「ふふ、なにそれ〜」ニコニコ
侑(はぁぁぁぁ……!! 歩夢と話すの、本当に落ち着くなぁ)
侑(もう、深くは考えなくても良くて、歩夢とはずっと一緒にいたいよ〜!! これに限る!)
歩夢「あれ? 侑ちゃん、今日メガネなの? 朝は付けてなかった気がするけど……」
侑「あっ! うん。イメチェンっ! どう?」クイッ
歩夢「うーん、似合ってるけど……侑ちゃんはもっと色が薄いメガネの方が似合う気がするなぁ。ちょっとそのメガネはメタリック過ぎる気がする」
侑「おぉ、初意見だ」
歩夢「ふふっ、そっか」ニコッ
侑(さぁ、歩夢……ちょっとだけ見させてね!)
侑「……」ジー
歩夢「ん? ゆ、侑ちゃん? どうしたの?」
侑「……」ジー
侑(あ、あれ……?) 侑「……」ジィィィ
歩夢「侑ちゃん〜?」キョトン
侑(……あ、あれ?)
侑(歩夢の考えてる事が……)
侑「……なんにも、見えない……」
歩夢「え?」 全部見ちゃいけない考えなのかあゆぴょん....
せつ菜の話めちゃくちゃ良いな
ヒーロー侑ちゃん好き好き きっと璃奈ちゃんにメガネのこと聞いてて対策してるだけだから(震え声) ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています