【スポ根SS】侑「公式ドッジボール?F」〜開幕! 都大会(春)〜
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注意
・虹メンバーだけアニメ時空
・μ'sやAqours、その他グループも登場
・中学生時代などのオリジナル設定あり レフェリーの匙加減が大きくなる競技はそれを考えてプレーしないとな。未来はAIになってそんなこともなくなるかもだけど 数日空けてしまってすみません。最近現役復帰してモチベは上がっているので、明日こそ更新します。 コーチに復帰じゃなくて選手として復帰ということかな。怪我に気を付けてがんばってください >>84
選手の方です。
固定回線の調子が悪いので、今日はやわ銀で更新します。 〜
外野
○虹ヶ咲
かすみ・せつ菜・果林・エマ
○アメジスト
遥・瑞希・小雪
【残り時間:0分40秒】 侑「あの後お互い1人ずつ当てて4:5の劣勢……。中々攻撃が通らないね」
しずく「はい。守備はかなり頑張ってると思うんですが……」
しずく「最速の攻撃と最硬の守備……」
しずく「……もしかして、それが弱点なのかも」ボソッ
侑「え?」 彼方「アタックを撃てる子が、愛ちゃん以外全部外野に出ちゃったね〜」
璃奈「相手のラインもかなり前に出てきてる。内野からプレッシャーをかけないと、外野からアタックを決めるのは難しい」
歩夢「愛ちゃん!」
愛「任せて!」 かすみ「愛せんぱーい!」ブンッ
ピョンッ
愛「――よしっ!」パシッ
ギュンッ
優香「」サッ
姫乃(不意をつかれると確かに驚異的なアタックですが、来るとわかっていれば何ということはありません。レシーバーが避けてカットが捕る。いつものうちのパターンで容易に攻略でき)
かさね「あっ!」バチッ
姫乃「!?」 主審「2番アウト! ボールデッド、虹ヶ咲内野ボール!」ピッ
外野
○虹ヶ咲
かすみ・せつ菜・果林・エマ
○アメジスト
遥・瑞希・小雪・かさね
【残り時間:0分15秒】 侑「同点!」
しずく(……やっぱり)
歩夢「愛ちゃん、私から始めさせてくれないかな?」
愛「え? う、うん……?」スッ
歩夢「へへっ。ありがと」ニコッ
璃奈「歩夢さん?」 歩夢「失敗しても愛ちゃんがいる。私たちならVポイント取れるよっ」
彼方「何か秘策があるようですな?」
歩夢「秘策ってほどじゃないけど……」アハハ
歩夢(……せつ菜ちゃん)チラッ
せつ菜「……」コクッ しずく「歩夢さんがボールスタートなんて珍しいですね?」
侑「そうだね。残り時間的にこれがラストアタック。カウンターも怖いから、本当にギリギリで撃たなきゃ」
侑(それよりも……せつ菜ちゃん、どうしてあんなに外野の隅っこの方にいるんだろ? ほとんどラインギリギリの角なんて……)
侑(……! まさか!)
ピッ ラストアタックを志願していくとはこのコンビも成長してるな 歩夢(愛ちゃん、飛べるようになったんだね)ギュッ
歩夢(でもね。私のエースは――)
歩夢「それっ!」ブンッ
ギュルンッ
歩夢(――せつ菜ちゃんだけだよっ!)
せつ菜「うおおおぉぉぉおおお!!!」ダッ
ピョンッ パシッ 侑「外野コートの端から真横に走って……」
しずく「パスを垂直に捕球!? でたらめすぎます!」
ブゥンッ
遥「……うそ」
姫乃(外野がジャンピングアタック!?)バッ
ギュルルルルッ
――ドガッ 主審「……」
主審「1番アウト! ゲームセット! セットカウント1-0!」
ザワザワ……
……ワアァァァアアア!!!
1セット目
【虹ヶ咲Passions 5:3 アメジスト】 ※※※
ベンチバック(ハーフタイムのようなもの)中
せつ菜「やりました!!!!!!」
歩夢「おかえりっ」
せつ菜「まさか一発で成功するとは!!!」
愛「な、なんなのあれ……」 せつ菜「かねてより、私は外野に出た後戻って来られないのが課題でした」
侑「そうだね」
せつ菜「どうにかして外野でもジャンピングアタックが撃てないものかと考えていたんです」
かすみ「外野の幅って、たった3メートルしかないんですよ……?」 せつ菜「はい。だからなんとか走れないかと考えた末……」
せつ菜「果林さんのY字アタックを参考にさせてもらったんですっ」
果林「私の?」
璃奈「たしかに。せつ菜さんは味方内野から見て左サイドの角から反対側へ走って行ってた」 せつ菜「果林さんのY字アタックを参考にさせてもらったんですっ」
果林「私の?」
璃奈「たしかに。せつ菜さんは味方内野から見て左サイドの角から反対側へ走って行ってた」
璃奈「体の右側へ垂直に飛んでくるパスを受けて、助走の勢いを乗せて投げるには、Y字アタックを使う必要がある」
せつ菜「正直腰が痛いので連発は出来ませんが、これで外野でも飛べます!」ペカー 侑「すごいすごい! 私、ときめいちゃった!」キラキラ
エマ「せつ菜ちゃんが走ってくる方向にいたから、私にアタックを撃つのかと思ってどきどきしちゃったよ〜」
果林「正直怖かったわよね」
かすみ「かすみんはつい『どこいくねーん!』ってツッコんじゃいましたよぉ」
「「「あはははは」」」 侑「そう言えばしずくちゃん、さっきアメジストの弱点がどうとかって」
しずく「あ、はい」
しずく「弱点というほどでもないのかも知れませんが……」
侑「?」 ※※※
準決勝 2セット目
【オーダー】
虹ヶ咲Passions
1 優木せつ菜 カット
2 上原歩夢 レシーバー
3 朝香果林 左アタッカー
4 エマ・ヴェルデ 大砲
5 中須かすみ 元外野@
6 近江彼方 右アタッカー
7 桜坂しずく 元外野A
8 宮下愛 センターアタッカー・カット・ジャンパー
ベンチ 天王寺璃奈 かすみ「しず子、頼んだよっ」
しずく「まかせて!」
璃奈「勝負どころだね」
侑「うん。しずくちゃんが言ってたとおりならこれで……」 ――――
――
しずく「私、団体競技はいかに強い個人を揃えられるかの勝負だと思っていたんです」
侑「間違いではないと思うよ」
しずく「ええ、今でもある程度はそうだと思っています。ただ、それは最終的な結果の話。いくら強力な選手を集めても、チームとしての練度が足りなくては本当に強くはなれないんだと気付いたんです」
果林「つまり?」 しずく「アメジストの弱点は、都内トップの攻撃と守備が組んだことそのものだったんです」
しずく「試合を見ている限り、戦力は単純に足し算されるわけではない……」
しずく「現に先ほどの試合では守備に難のある東雲の方がアウトになりやすかったですし、藤黄の選手は誰もアタックを決めていませんよね?」
歩夢「たしかに……」
璃奈「結果的に東雲としては攻撃力が落ちて、藤黄としては守備力が落ちてるってことだね」
しずく「そうそう」 かすみ「これまでの東雲なら、仮にメインのアタッカー陣を全員外野に出しても内野からアタックを撃ってきてましたからね」
エマ「逆に前の藤黄は誰を狙っても当てるのが難しかったよね〜」
彼方「……」
侑「連携がとれていないなら、あれが有効だろうね。しずくちゃん、次のセット出れる?」
しずく「は……はい!」
――
――――
しずく(まずは……) ※※※
【音ノ木坂ミューズ 0:1 ARISERS】※セットカウント
ベンチバック中
穂乃果「ふああああぁぁぁあああ!!!」バターン
ことり「穂乃果ちゃん!?」
海未「大丈夫ですか?」
穂乃果「……」スクッ
海未「……?」 穂乃果「すっごーい!!!」
花陽「?!」ビクッ
穂乃果「すごいすごいすっごーい!」
穂乃果「やっぱり強いねARISERS! 私たち、本当にあのARISERSと戦ってるんだ!」
穂乃果「ワクワクしない!?」
凛「するにゃー!」ワーイ
海未「……はぁ」
真姫「バカね」
にこ「バカよ」フフッ
絵里「……ふふっ」
花陽「あははー……」ニガワライ 希「いいことやん? やっぱり強敵との戦いはこうやないとね♪」
穂乃果「1セット取られちゃったけど、次勝てば3回もARISERSと試合ができるんだよ!」
ことり「素敵な発想だねっ」ニコニコ
海未「決勝戦もあるというのに、穂乃果には温存の『お』の字も無いようですね」
穂乃果「えへへ〜」 真姫「その言い方、海未も負ける気は全く無いのね」
海未「? 当然です。私たちは勝ちますよ、絶対に」キリッ
絵里「その意気よ」
パチパチパチパチ
「――良い雰囲気だわ。見に来てよかった」ニコニコ
ことり「お母さん」
絵里「……理事長」 ことりママ「ことりが急にベンチに入ってくれって言い出した時は、何事かと思ったわ。……次の試合も楽しませてもらうわね」
穂乃果「はーい!」
花陽「……にこちゃん」ボソッ
にこ「なによ?」
花陽「ごめんね、勝手なことして」
にこ「……良いわよ。私のためにしてくれたんでしょ?」 花陽「うん。にこちゃんのドッジボール愛、私が1番よく分かってるつもりだから……」モジモジ
にこ「はっ。思い上がらないでよ。私には私のドッジボールとの付き合い方があるのっ」
花陽「……ご、ごめん……」シュン
にこ「うっ……」
にこ「……顔上げなさい。2セット目始まるわよ」
花陽「……うん」 にこ「……」
にこ「ああもうっ!」
にこ「……ええっと、その……」
花陽「?」
にこ「……ありがと」モジモジ
花陽「……!」
花陽「にこちゃん!」
にこ「あーうるさい! 早くいきなさいっ!」
花陽「えへへ〜」ニコニコ 日付変わってますが、一旦ここまでです。今夜で準決勝の決着がつくと思います。
>>103
現状6人元外野とダイヤモンド以外は現実で見たことがある技と戦術です。 なるほど。色んな戦術を考えて実際に試すチームがたくさんある競技なんだな ※※※
侑「隣のコートも盛り上がってるみたいだね」
璃奈「うん。どっちが決勝に来るのか、楽しみ」
侑「さて……」
外野
○虹ヶ咲
しずく
○アメジスト
遥・瑞希・かさね・クリスティーナ
【残り時間:1分30秒】 璃奈「しずくちゃんの言ってたとおりだったね」
侑「そうだね。いくら個人の能力が高くても、アメジストは守備の連携がまだとれてない」
璃奈「元外野を二人にして、しずくちゃんの声真似で撹乱。あとはかすみちゃんと愛さんの連携で東雲メンバーを狙い撃ちする……」 ――――
――
しずく「当てれば当てるだけ攻撃力を増す東雲。でも、内野に藤黄だけ残したら?」
果林「なるほどね。得意の連携は使えなくなるわ」
かすみ「戦力は、足し算じゃない……」
せつ菜「私と歩夢さんはかけ算ですね!!!」ペカー
歩夢「う、うんっ」アハハ
侑「むっ……」
――
―――― 侑「ここまで計画通りに進むなんてね」
侑「東雲メンバーを当てきったタイミングでかすみちゃんが帰還。残り1分半でこの3点差は大きいよ」
璃奈「あとはラインを内野に寄せて、外野からの攻撃さえ止められればいい」
姫乃「……」ドクンッドクンッ 姫乃(負ける……負ける負ける負ける負ける)
姫乃(夏と同じように。司令塔の私が何もできないせいで)
姫乃(……)
姫乃(――中学3年生の冬。大会を見に来ていた、当時藤黄2年の先輩にスカウトされた) 『来年うち、本気で全国制覇狙ってるんだよね』
『だけどなんだかなー。試合中レシーバーの動きにまとまりが無くってさ』
『そうだ。ねえキミ、うちにおいでよ! 藤黄は実力主義だから、キミくらい上手かったらきっとみんなをまとめれるよ!』
姫乃(そして、去年。私たちは本当に全国制覇を成し遂げた……) 『姫乃ー!』ダキッ
『ありがとう! 姫乃がいてくれたからここまでこれたんだよ!』
姫乃(正直、私は大したことはしていない。先輩たちが当てて、先輩たちが捕っていただけ。でも……)
姫乃(――嬉しかった) 『来年はもちろん2連覇だね!』
『藤黄の伝統、姫乃に託すよ』
姫乃(その言葉で、気が引き締まった)
姫乃(……同時に)
姫乃(――それは、私にとって呪いの言葉だった) ――――
――
姫乃「先輩からLINE?」スマホタプタプ
『ODAIBA残念だったねー』
姫乃「……」
姫乃『東雲にすごい上手い1年生が入って……。ほとんど彼女にやられてしまいました』
『そうなんだ。きっと、去年他のチームも姫乃のことそういう風に思ってたんだろうね』
〜
『大江戸杯、また決勝で東雲に負けちゃってたね』
『予選で戦ってた虹ヶ咲ってどんなチームだったの?』
姫乃「……勝たなきゃ」 〜
『夏は3位。ま、私たちもそうだったからね。春に勝てば良いんだよ』
『今年の東京は大変みたいだね〜』
姫乃「……勝たないと。絶対に、絶対に勝たないと……」
姫乃「……先輩方のために……!」
――
―――― 姫乃(……そして、私は遥さんに合同チームをもちかけた)
姫乃(そんなことしてまでこの体たらく。先輩に見られたら……)
「――姫乃!」
姫乃「!」クルッ
姫乃「……せん……ぱい?」
「諦めちゃダメだよ!」
姫乃「……」 侑「? 観客席から何か叫んでる人がいるね?」
璃奈「藤黄の卒業生じゃないかな」
侑「ひょっとして、去年の全国制覇メンバー!?」
璃奈「多分」
侑「おお〜!」
侑「なんて言ってるんだろう?」
璃奈「ここからじゃ聞き取れない」 「ごめんね! もしかしたら私、姫乃にプレッシャーかけてたのかもしれない!」
「でも、そんなつもり無かったの!」
「ねえ! 姫乃!」
「今の藤黄は姫乃たちのチームだよ! 自分の好きなドッジボールをやってみて!」
姫乃「!」
姫乃「私の好きなドッジボール……」 剣「姫乃」ポンッ
姫乃「剣さん?」
剣「うちの攻撃だよ。前出たら?」ニコッ
姫乃「……はい!」
ピッ
姫乃(私の好きなドッジボール。それは……) 姫乃「うわあああぁぁぁ!!!」ダッ
虹ヶ咲「「「!?」」」
ブンッ
バチッ
主審「2番アウト!」ピッ
姫乃(――常に全力! 真っ向勝負のパワードッジ!) 外野
○虹ヶ咲
しずく・歩夢
○アメジスト
遥・瑞希・かさね・クリスティーナ
【残り時間:0分40秒】
侑「綾小路さんがアタック!?」
璃奈「ラインを前進させてたとはいえ、中々良いアタックだった」
侑「残り40秒。外野からで同点か……」
璃奈「落ち着いてパスを回せば大丈夫。うちが有利なのは変わってない」
侑「そ、そうだね……」 しずく「2点差……。でも、歩夢さんが外野に来てくださって助かりました。私に外野の経験はないので……」
歩夢「えへへ……」
歩夢(時間の使い方。それならかすみちゃんに沢山教えてもらった。今の私なら出来るはず!)
しずく「私もサポートしますね!」
歩夢「うんっ。よろしくね」ニコッ
しずく(とは言ったものの……)チラッ
姫乃「……」ザッ
しずく(姫乃さんだけが一歩前に出て、他の3人は通常の位置通りのポジション)
しずく(カットもラインに入って、間を詰めてますね) 璃奈「アメジストは時間を使い切られたら終わり。ああやってパスカウントをゼロに戻せないようにしてるんだ」
侑「やっぱり内野が藤黄だけになると、これ以上当てるのは難しそうだね」
璃奈「うん」
歩夢(準決勝からは実動制※。時間稼ぎも簡単じゃないけど……)
歩夢(決勝戦のことを考えたら、絶対にこのセットで決めないとっ)
※実動制
ボールデッド時に毎回タイマーが止まる方式。通常時(ランニングタイム制)は止まらないので、意図的に外野がワンタッチをして時間を稼ぐことが出来る。 〜
主審「ファイブパス! アメジスト内野ボール!」
歩夢「うぅっ……」
しずく「そういえば、あの主審はパスカウント厳しかったですね……」
【残り時間 0分10秒】
姫乃「ラストアタックにかけるしかありません!」
剣「誰にパスするの?」
姫乃「それはもちろん……」ブンッ
遥「!」パシンッ
姫乃「――エースです!」 トーナメントの途中で時計の方式が変わる競技って珍しい気がする。セット数とかはあるけど クリスティーナ「遥さん!」
かさね「いっけええええ!!!」
遥「うおおおぉぉぉおおお!!!」ブンッ
ギュルンッ
遥(勝つんだ!)
遥(私はまだ、クリスティーナさんたちとドッジボールがしたい!)
遥(勝って、カラーコートに行く!)
彼方「――ごめんね、遥ちゃん」サッ
バシンッ
――ピッピー…… 主審「ゲームセット! セットカウント2-0!」
【虹ヶ咲Passions 6-4 アメジスト】
虹ヶ咲Passions、決勝戦進出――。
――全国大会出場決定。 >>141
1チームあたりの試合数が多いので、途中まではランニングタイム制じゃないと進行がおすんですよね。
他に地方予選とかだと途中から審判の人数増える大会もあります。 急造チームの脆さが出ちゃったか。かといって準備期間があれば上手くいったとは限らないのがチーム競技の難しいところだけど
>>145
なるほど。時間制じゃない競技は色んな部分で工夫していかないと、どんどん長時間化しちゃうしね せつ菜「……」ポロポロ
せつ菜「……あれ?」ゴシゴシ
せつ菜「嬉しいはずなのに……」
かすみ「なに泣いてるんですかぁ……。まだ決勝戦が残って……うぐっ……」
せつ菜「かすみさんだってぇ……」
果林「……行けるのね、私たち」
エマ「カラーコート……!」
しずく「決勝戦の相手は……」 ※※※
【音ノ木坂ミューズ 1:1 ARISERS】
※セットカウント
3セット目
【音ノ木坂ミューズ 4:4 ARISERS】
Vポイントゲーム ツバサ「新旧王者対決も、これで終わりだね」
穂乃果「とっても楽しかった! もう終わっちゃうのが悲しいよ……」
ツバサ「私も」フフッ
主審「ジャンプボール!」 〜
侑「フルセット、Vポイントゲームで音ノ木坂ミューズが上がってきたね」
かすみ「いよいよですね!」
歩夢「せつ菜ちゃん」
せつ菜「はい! 必ずあのお二人を超えた、私たちのジャンピングアタックを見せましょう!」
歩夢「うんっ」
エマ「楽しみ〜」 侑「璃奈ちゃん、音ノ木坂のデータは?」
璃奈「直近の大会や練習試合を見に行って、用意してきたよ」
侑「さすが!」
愛「愛さんも手伝ったんだよー!」
侑「ありがとう」ニコニコ 璃奈「まず、ことりさんと穂乃果さんが2人でセンターアタッカーをしてるみたい」カサッ
侑「うちと同じ、ローテーションアタッカー?」
璃奈「うん。穂乃果さんの負担軽減のためかな」
璃奈「キャッチ率が低いのは絵里さんと花陽ちゃん。この二人を当てて逃げ切るのが良いかも」
侑「なるほどね」 ※※※
穂乃果「おつかれさまー!」
希「どこ行ってたん?」
穂乃果「ちょっと外にね」
ことり「雪、きれいだったねっ」
海未「雪?」 穂乃果「うんっ! 入り口のとこでARISERSの人たちと話してたんだけどね、途中から雪が降ってきて」
絵里「2月半ばの雪……まあ、珍しくもないかしら……?」
希「気になる?」
絵里「べ、べつに? 今は試合に集中よ!」
希「ふーん?」ニヤニヤ 穂乃果「でねでね! ここは気分転換も兼ねて、この間の大会で使ったコールでいこうよ!」
真姫「いいんじゃない?」
花陽「あ、あの……」
穂乃果「?」
花陽「ミーティング始めてもいいかな?」
穂乃果「……忘れてた! ごめんごめん!」
にこ「はぁ……」 〜
花陽「……以上が、虹ヶ咲のデータだよ」
にこ「上出来よ。よく調べたわね」
凛「さすがかよちんだにゃー!」
真姫「いつもありがとう」
花陽「好きでやってることだから」エヘヘ
にこ「それじゃ、決勝戦のオーダーを発表するわよ!」
花陽「あ、そのことなんだけど……」
〜
にこ「……はぁ!?」 ※※※
決勝戦
【オーダー】
虹ヶ咲Passions
1 優木せつ菜 センターアタッカー@
2 上原歩夢 元外野
3 朝香果林 左アタッカー
4 エマ・ヴェルデ 大砲
5 中須かすみ 右アタッカー・カット@
6 近江彼方 レシーバー
7 桜坂しずく レシーバー
8 宮下愛 センターアタッカーA・カットA・ジャンパー
ベンチ 天王寺璃奈
音ノ木坂ミューズ
1 高坂穂乃果 センターアタッカー@・カット@
2 園田海未 元外野
3 南ことり センターアタッカーA
4 絢瀬絵里 ジャンパー・カットA
5 東條希 大砲
6 星空凛 カットB
8 西木野真姫 レシーバー
9 矢澤にこ レシーバー
ベンチ 小泉花陽
ことりママ「やっとね」
花陽「はい。わざわざ来てくださって、ありがとうございます」
ことりママ「良いのよ。あの子にはずっと我慢させちゃってたみたいだし……」 ――――
――
ことりママ「私が監督としてベンチに?」
花陽「は、はい! 無理なお願いだってことはわかってるんですけど……」
ことりママ「……なにか、事情があるのね?」
花陽「……」
花陽「きっと、にこちゃんだって試合に出たくてたまらないはずなんです」
ことりママ「矢澤さん? たしかに全国大会ではずっと控えだったわね?」
花陽「あれ、実は控えじゃないんです……」
ことりママ「?」 花陽「公式戦は、ベンチに常に指導者登録をした人が座ってなくちゃいけないんです。にこちゃんは下手だから試合に出なかったんじゃない……」
花陽「……自分以外の全員が出られるように、そもそも選手として登録してなかったんです」
ことりママ「え……?」
花陽「他のチームは学校の先生やマネージャーの子が指導者登録してるんですけど、うちはまだお願いできる人が見つからなくて……」
花陽「本人はわざと下手なふりをして、それを見抜いてる真姫ちゃんたちもにこちゃんの自虐ネタに乗ってあげてますけど……」
ことりママ「……そうだったの」 ことりママ「でも、私はドッジボールのルールも何も知らないわよ?」
花陽「それでもいいんです! 私はただ、最後の春ににこちゃんを試合に出してあげたいんです!」
ことりママ「……」
ことりママ「それは、今のレギュラーが誰か一人控えになるということよ?」
花陽「わかってます」
花陽「……それを含めた作戦を、私は既に立てています」
ことりママ「……へぇ?」ニコッ
――
―――― ことりママ「矢澤さーん!」
にこ「! はい!?」クルッ
ことりママ「あなたの本気を見せてちょうだい!」
にこ「……!」
にこ「はい!」 ※※※
璃奈「……」
璃奈「データと違う」
侑「穴だと思ってた花陽ちゃんはベンチ。絵里さんもカットに出ててラインには入らないんだ……」
璃奈「にこさんは完全にノーマーク。どんなプレイヤーなのか、全く情報がない」
侑「裏をかかれたね」
璃奈「もしかして……」
侑「?」 ※※※
にこ(データっていうのはね。とるとられるだけじゃないわ)
にこ(情報戦を制するためにはね、"とらせる"ことも必要なのよ!)
にこ(ピンク髪の子たちが偵察に来てるのは知ってた。だからあえて花陽と絵里をアタックが来やすい内野中央に配置して、うちの守備の穴を晒しておいた)
にこ(その裏で二人にはカットの練習をさせて、本番ではラインから外すプランだったのよ) にこ(私が試合に出ることになったのは計算外だけど、これで十分意表はつけた)
にこ(最後までみんなを試合に出してあげたかった。自分が出るのを我慢できるよう、精神的に強くなりたかった)
にこ(でも、私なんかより花陽はもっともっと強い子だったのね……)
にこ(あの子のためにも、私は……私たちは、絶対に勝つ!) ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています