遥「お姉ちゃんを好きになるのは遺伝子的に当然だと思うよ」その2
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■あらすじ
彼方への大好きを押さえられなかった遥は、少しずつアプローチするようになっていく。
そんなある日、彼方と二人きりのデートを行った遥は
目の前で目を閉じる彼方の魅力に負けて、人目もはばからずにキスをしてしまったが、
それがきっかけとなって、遥と彼方は交際を始める
約十年後のお弁当屋さん開業を二人の目標としつつ、
大学生になった彼方と高二となった遥は、知り合いのいない旅行へと出かけていた。 「お疲れ様でしたー」
彼方「ありがとうございました」
遥「色々お願いしちゃって、すみませんでした」
「いえいえ、とっても可愛らしかったですよ」
遥「……ありがとう、ございます」
遥(お姉ちゃんと二人)
遥(ウェディングドレス、タキシード)
遥(交代交代でたくさん写真を撮って貰っちゃって)
遥(多少……追加料金もかかったけど)
遥(子供に見えたからかな)
遥(それなりにサービスで処理してくれた) 「取り急ぎ、サンプルとしてこちらをどうぞ」スッ
彼方「ありがとうございます」
遥(私とお姉ちゃんの、結婚式の写真)
遥(キスをするフリをした、決定的な一枚)
「正式なものは、後日郵送と言う形と窺っておりますが、問題ありませんか?」
彼方「はい。お願いします」
「承知いたしました」
「本日は、ご利用いただきありがとうございました」
「どうぞ、これからも末永くお付き合いくださいませ」
遥「あ、ありがとうございます」
遥(営業文句? だっていうのは分かってるけど)
遥(お付き合いくださいって言われて、少し声が変になる)
遥(きっと、友達付き合いが末永くってことだと思うけど)
遥(笑顔なのが、見抜いてるからこそかもしれないとか……ちょっとだけ思っちゃう) ガチャッ
バサッ
カタンッ
遥(レンタカーに乗り込んで、一息)
遥(運転席のお姉ちゃんは、エンジンをかけて……シートベルトを締める)
彼方「バレたかな?」
遥「無いと思うけど……」
彼方「姉妹だってバレてさえなければ大丈夫だよね……?」
遥「彼方と遥って、呼び合ってたから大丈夫じゃないかな?」
遥(そう呼ぶ姉妹もいるとは思うけど)
遥(距離感からして、姉妹だって思う人はそう多くないと思う)
遥(……でも)
遥「あの人がライブを見てたとしたら、バレちゃうかも」
彼方「か、考えてなかった〜……」 彼方「ど、どうしよう」
彼方「もしも見てたら、姉妹なのに名前で呼び合ってるとか」
彼方「姉妹でウェディングドレスの撮影してるとか」
彼方「変な風に思われてたりしないかなぁ?」
遥「姉妹が名前で呼びあうなんて変なことじゃないと思うよ」
遥「中にはそういう人たちもいると思う」
遥「ウェディングドレス……結婚式の撮影は、あんまりいないと思うけどね」
彼方「だよねぇ」
遥「でも、あんまりいないってだけでいるかもしれない」
遥「それこそ、お兄ちゃんと妹だったら違和感あるかもしれないけど」
遥「姉妹なら、まだ着れそうにないから試しに……なんて」
遥「ちょっとした気分だって思って貰えるかもしれないよ?」
遥(言い訳がしやすいんだよね……姉妹って)
遥(決定的な証拠を押さえられたら終わっちゃうけど)
遥(こういう、記念にもなる何かなら誤魔化せる) 彼方「あのライブ映像って――」
遥「百数十万……えぇっと、詳細を言うなら」
遥「………」
遥「百九十万」
彼方「おぉぅ……」
彼方「一人二回……いや、四回再生してるとしたら?」
遥「ん〜……繰り上げて五十万人?」
彼方「そっかぁ」
遥(控えめに言っても多いと思う)
遥(しかも、一人につき四回再生してる計算で)
遥(もちろん、それ以上に再生してくれているかもしれないし)
遥(それよりも再生していないかもしれないけど)
遥(無理矢理に計算してそれなら……)
遥「とりあえず……いこっか」
彼方「そうだねぇ……」
彼方「今度、スイスにいこっか」
遥「も〜……何言ってるの?」
遥(知ってる人、普通にいるよね。スイス)
遥(というか、エマさんが……) 更新乙です。
まだまだ楽しませてもらえそうでありがたい。 遥「スイスに行くのも良いけど」
遥「ほかにも、いろんなところ行ってみたいな」
遥「お姉ちゃんと二人で、知り合いのいない世界に飛んでいくの」
彼方「飛行機で?」
遥「もぅ……」
遥「豪華客船でもいいんだよ?」
遥「世界一周旅行」
彼方「あれって、いくらくらいかかるんだろ〜」
遥「豪華なものなら、一人500万円くらいじゃないかな」
彼方「ん〜……」
遥「行く気はないよ?」
彼方「行きたくても、今しばらく無理かな〜」
彼方「あと……う〜ん。3年くらい待ってくれれば遥ちゃん一人分は用意できるかも」
遥「一人で行く世界旅行なんて、二人で行く団地の公園よりつまらないと思う」
彼方「そっか〜」 遥「それはそうと、旅行にはいきたいって話」
遥「イタリアンだとか、フレンチだとか中華とか……」
遥「本場で食べてみたいね」
彼方「そうだねぇ……大事な経験になるし」
彼方「日替わりのお弁当は、中華、フレンチ、イタリアン……とかでローテーションしてみるのも面白そうだよ〜」
遥「確かに……」
遥(それなら、日替わりで考える必要があるメニューも多少楽になりそう)
彼方「沖縄とか大阪とか。そういうところにもいってみたいね〜」
遥「あと北海道も」
彼方「うんうん」
遥「北海道とかから仕入れたりする?」
彼方「ん〜仕入れのコストによるかも」
彼方「極論言っちゃうと、お昼なんてコンビニで良いって人が多いと思う」
彼方「ポイント付くし、ワンコインで買えるものもあるし」
彼方「お弁当じゃなくて、おにぎりとかサンドイッチでいいやって人とか……」
遥「そうなのかなぁ?」
彼方「だと思う。かな」
彼方「大学生になって平日お昼のコンビニをよく見るようになったけど……やっぱり多く感じるからねぇ」 彼方「私たちのお弁当屋さんに限らず」
彼方「コンビニとかには無い、特色を出していきたいかな〜」
彼方「その点でお弁当の容器のとか日替わりとか良いと思うし」
彼方「電子レンジであっためなくてもあったかいお弁当とかも良いと思う」
彼方「だけど、その特色の為に単価が上がるのは……う〜ん」
彼方「やっぱり避けた方が良いかなぁ」
彼方「もう話したけど……やっぱり、お手頃価格で美味しいものっていうのを魅力にしたい」
彼方「それで採算取れなくなったらダメだけどねぇ」
遥「そうだね」
遥「値段設定どうする? ワンコイン以下だと、やっぱり食材で抑えないといけないよ?」
彼方「そこは仕入れや人件費、なにより廃棄をどう抑えるかだよね〜」
彼方「家賃とかを含めた上で利益が出るようにしつつ、必要最低限の食材費で抑えたりとか」
彼方「何にしても、そう言うやりくりを学んでからになるかな……」
遥「そっかぁ」
遥(やっぱり、難しいなぁ)
遥(少なくとも見切り発車するものじゃないや)
遥「そろそろいこっか」
遥「難しい話はまた後にしよっ」
彼方「おっけ〜」 彼方「そう言えば、朝のビュッフェで食べたお蕎麦覚えてる〜?」
遥「うん」
遥「あの、何とも言えない特殊な感じのだよね?」
彼方「へぎそばだよ〜へぎそば」
彼方「つなぎに使ってるのが、普通と違うらしくて……」
彼方「えぇっと……なんとか海苔〜」
遥「生海苔?」
彼方「違うよ〜」
彼方「つるつるしてて、コシがあって、慣れないけど美味しいお蕎麦」
彼方「ビュッフェじゃなくて、打ちたての枌蕎麦食べにいってみる?」
遥「うんっ、打ちたては食べてみたいかも」
彼方「じゃあ、お蕎麦食べて」
彼方「そのあと、何か個人の商店寄ってみよっか」
彼方「どんな定食あるのかとか、調べてみよ〜」 遥「……冷やかし?」
彼方「あははっ……違う違う」
彼方「個人のお店って、手作りの何か売ってる場合もあるし」
彼方「そういうの、見て見たいなぁって」
彼方「もちろん、ちゃんと買うよ〜」
遥「太っちゃうよ」
彼方「遥ちゃんと運動するから平気だよ〜」
遥「なら良いけど」
彼方「いいんだ……」
彼方「でも、遥ちゃんがいるからこそかな」
彼方「スクールアイドル辞めても、ストレッチとか軽いランニングとか続けられてるの」
彼方「おかげで、必要以上にお肉がつかなくて助かってるよ〜」
遥「お弁当屋さんをやるためには、たくさん試食しなきゃだもんね」 ――――――
―――
遥「い、意外と人がいる……」
彼方「そりゃそうだよ〜」
彼方「一応、お休みの日だからねぇ」
遥(祝日じゃないけど……土曜日)
遥(それでも6月と旅行の時期からちょっぴり外してみたのに)
遥(目的のお蕎麦屋さんはそれなりの人混み)
遥(ネットで調べれば出てくるようなお店だからかな……)
遥(穴場ってわけでもないし)
彼方「どうする〜? 場所変える〜?」
遥「ん〜……覗くだけ覗いてみよ」
遥「頼みたいのが頼めそうなら待ってようよ」
遥「最悪、車の中で待ってればいいだろうし」
彼方「おっけ〜」
キキッ.....
カチカチッ
ギギッ
ガチャンッ
彼方「じゃぁいこっか」 遥「二八と十、どっちがいい?」
彼方「本場ならやっぱり十かなぁ」
遥「そうだよねっ」
遥「天ざる? とろろもあるらしいよ」
遥「あったかいのと冷たいのも」
彼方「ん〜……」
彼方「そうだねぇ」
遥(お姉ちゃんは真剣な目でメニューとにらめっこ)
遥(天ぷらでも何でも)
遥(二人で半分こなのに)
彼方「あったかい方も食べてみたい」
遥「じゃぁ……小鉢であったかいの頼んでみようよ」
彼方「太っちゃうよ〜?」
遥「も〜」
遥「ならやめておく?」
彼方「頼むけどね〜」
チラッ
彼方「私達の時まで残ってれば……だけどね〜」
遥(あと8組……)
遥「車戻っておこうよ」 ....バタンッ
遥「こういうとき、自分の車だともっとのびのび出来そうだよね」
彼方「じゃぁ、買っちゃう〜?」
遥「私もお金貯めておかないとなぁ」
遥「車買うのもそうだけど、免許取らないとだし」
遥「やっぱり、先に買う車決めておく?」
彼方「キャンピングカー?」
遥「あれは夢」
遥「もっと現実的に……でも、軽自動車は駄目」
遥「何かあったときが怖いから」
彼方「キャンプ行くなら、最低でも後部座席ありで倒せるタイプが良いかな〜」
遥「そうだね」
遥「………」
遥「……日よけとか無い?」
彼方「無いよ〜」
遥「だよね……」
遥「自分で車買ったら、日よけ買おうよ」
遥「中覗かれない、ちゃんとしたやつ」
彼方「……遥ちゃんのえっち」
遥「えへへ」
遥(日よけがあれば、この暇な時間をキスしたりしてあっという間に過ごせるのに) 遥「……お姉ちゃん、スカート脱いでみて」
彼方「やだよ〜」
遥「見えないけど見えるかもしれない緊張感って、気持ちいいらしいよ」
彼方「そんな誘い文句では動きませ〜ん」
遥「むぅ」
キシッ.....
彼方「そんなので、動くと思った〜?」
遥「ううん。思ってない」
遥(でも、本来あり得ない場所で露出するお姉ちゃんと言うのも……ありだとは思う)
遥(なぁんて)
遥「そう言えば、このお蕎麦屋さん電子決済使えないみたいだよ」
遥「カードはいけるみたいだけど」
彼方「電子決済か〜」
彼方「カードタイプは持ってるけど、最近はやりのスマホの方は使ったことないなぁ」 遥「私たちのお弁当屋さんではどうする?」
彼方「時代の流れ的に、電子決済対応は最低ラインだって思ってるよ〜」
彼方「ほら、だんだんと導入してるお店も増えてきてるし」
彼方「今はそうでもないかもしれないけど」
彼方「もうしばらくしたら、スマホも電子決済も持ってて当然。みたいな風潮が出来上がるかもしれない」
彼方「そうなると、導入コストも軽くなるだろうし」
彼方「導入支援とかもあるかもしれないからね〜」
遥「なるほど〜」
彼方「もちろん、支援はないって想定で組んでおくけどねぇ」
遥「その方が良いよね」
遥「そうだ」
遥「あと、ネットでお店のやつ見て手思ったんだけど」
遥「オフィスビルの周辺で専用の車使って販売するなら、お弁当屋さんのWEBサイトって作らない方向で考えてる?」
彼方「あぁ〜確かに〜」
彼方「それも考えるべきだよね〜」 遥(もちろん、私たちの個別のサイトがなかったとしても)
遥(そういう情報サイトが取り上げてくれるとは思う)
遥(だけど宣伝とか、電話などでの予約とか)
遥(少しでも注文数を増やしたいなら、早めにそういう準備はしておいた方が良いと思う)
遥「予約注文可能にして、おせちを販売するのも良くないかな?」
彼方「ん〜……そこまで手が出せるかだよね〜」
遥「確かに」
彼方「最初の内は従業員一杯なんて出来ないし」
彼方「どれだけの需要があって、どれだけの人を雇えて……とか」
彼方「そう言う部分をある程度算出してからじゃないと」
彼方「あとは、サイトを作るにしても作成から維持管理、運用をどうするか」
彼方「委託するなら、やっぱり相応のお金は必要になるし」
彼方「自分たちでどうにかするならそのスキルもないと」
遥「IT部門で雇う。なんてわけにもいかないもんね」
彼方「大企業なら出来るかも〜」
遥「将来的には全国展開?」
彼方「しないよ〜」
遥「だよね」
遥(そうなったら本来の目的からそれていっちゃうかもしれないし)
遥(どうなるかは、今後次第かな) ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています