穂乃果「伝説のパン」
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穂乃果「5…4…3…2…1…」
キーンコーンカーンコーン
穂乃果「よしっ!いくよことりちゃん!」
ことり「ま、まって穂乃果ちゃん」 穂乃果「ん〜こっちの方にも居ないなぁ」
ことり「うん」
穂乃果「こんなんじゃ売り切れどうこうの前に昼休みが終わっちゃうよ〜」
ことり「あはは…それはちょっと辛いね。ここまで来たら私も食べたいなぁ」
穂乃果「でしょ?」
ことり「うん。あれ?」
穂乃果「どうしたの?」
ことり「あれって…もしかして…」
穂乃果「その、もしかしてだよ!購買部のおばさんだよ」
ことり「だよね?」
穂乃果「うん。やっと見つけた〜。良かった〜」
ことり「そうだね」
穂乃果「よしっ、行こう!」 山田先生「待てお前達!」
穂乃果「げっ、先生…!?」
山田先生「げってお前なぁ。教師に向かってそれはないだろう。何か私に見つかって困る事でもあるのか?」
穂乃果「あはは…ち、違うんですよぉ。あの…お昼にしようかなぁって」
山田先生「そうけ。購買にパンでも買いに行くのか?」
穂乃果「え?さ、さあ…」
山田先生「今日は一年に一回だけ伝説のパンが販売さらる日だもんなぁ」
穂乃果「えっと…そのぉ…」
山田先生「私は教師だしなぁ。こう言うのは止めなきゃいけないんだよなぁ」
穂乃果「そ、そんな…」
山田先生「今から適当に理由をつけて二人に職員室まで来てもらってもいいんだけどな…」 穂乃果「ええ…やっと見つけたのに…ここまで来て…」
山田先生「これは独り言なんだが。私もこの学校の卒業生なんだが。食べた事がないんだよなぁ伝説のパン。在学中一度も…流石に教師が参加する訳にはいかないしなぁ」
穂乃果「え?」
山田先生「高坂?こう言う時どうすればいいか分かるよな?」
穂乃果「私!先生みたいな人大好きです!」
山田先生「よしっ!行け!」
穂乃果「はいっ!行ってきます!先生の分も手に入れて来ます!」
山田先生「バカっ!?声がデカイよ!」
ことり「先生…」
穂乃果「行こう!」
ことり「うん…」 穂乃果「っと…先生が止めるから購買のおばさん行っちゃうじゃんね」
ことり「この短時間でそんなに遠くには行ってない筈だけど…」
にこ「あんた達…」ボロボロ
穂乃果「はあ…今度は何?…ってにこちゃん?」
にこ「パンを買うつもりなら…諦めた方がいいわよ…」
穂乃果「ど、どうしたの?」
ことり「大丈夫?何があったの?」
花陽「にこちゃん…争奪戦でやられちゃったの」
穂乃果「花陽ちゃん…。やられたって…誰に?…いくらなんでも手荒な真似をする人は…」ゴクリ
にこ「希よ…海未と真姫が現れたと思ったら…希が後ろから…」
穂乃果「ワシワシされたんだ…。って言うか海未ちゃん居たの?」
花陽「うん。なんか…海未ちゃんも真姫ちゃんも楽しそうだったよ」
穂乃果「そうなんだ…。…去年あれだけ誘っても参加しなかったのに…どうして…」
ことり「意外だよね」 海未「そんなに意外ですか?」
穂乃果「海未ちゃん!?」
真姫「まあ意外よね」
ことり「真姫ちゃんも」
にこ「まだ居たのね…」
穂乃果「どうしてさ海未ちゃん!去年あれだけ誘っても付き合ってくれなかったくせに!!!それどころか敵対するなんて!!!」
海未「いいじゃないですか。たまには敵同士でも」
穂乃果「でもさぁ。せめて理由を…」
海未「真姫のあんな顔をみたら…」
真姫「ちょっと…言わないでよ」
穂乃果「真姫ちゃん?」
ことり「真姫ちゃんのあんな顔って?」
にこ「どう言う事よ?」
海未「私は今日の昼休み真姫と音楽室に居たんです」
真姫「え?ちょっと…話すの?」 少し前の音楽室
海未『これ、新しい詞です』
真姫『うん』
ワイワイガヤガヤ
真姫『随分と騒がしいわね』
海未『ああ…真姫は一年生ですから知りませんよね。なんでも一年に一度だけ伝説のパンが購買に並ぶそうなんです』
真姫『ああ…なんか、にこちゃんも言ってたかも。それで外が騒がしいんだ』
海未『穂乃果も急いで教室を出て行きましたよ。限定10個らしいですからね。毎年争奪戦になるみたいで…ある種、伝統的なイベントになってるみたいなんです。廊下を走ったりする生徒もいる様なので考え物ですけどね』
真姫『イベントかぁ…』
海未『どうしました?』
真姫『ううん。ちょっと楽しそうだなって。私、子供の頃からずっと優等生で…あまりそう言うのに参加した事がなかったの』
海未『そうだったんですか。真姫、私達も参加しましょう!』
真姫『でも……海未は嫌いでしょう?こう言った騒ぎは…』
海未『優等生ではありませんからね。私も』
真姫『…よく言うわ』 海未「と言う経緯が…」
にこ「なるほど…なかなかいじらしいじゃない」
花陽「そうだね…」
真姫「べ、別に…そんなんじゃ…」
海未「と言う事なので。って…あれ?穂乃果は?」
花陽「行っちゃったよ…話してる間に…」
海未「なっ…」
ことり「ほ、穂乃果ちゃん…話は最後まで聞こうよぉ」
穂乃果「まじめに聞いてたら昼休み終わっちゃうって」
海未「待ちなさい、穂乃果〜」
穂乃果「ほら!来た〜。凛ちゃんと言い…待てと言われて待つ訳ないでしょ。この先に伝説のパンがあるんだからさ」 スッ
絵里「止まりなさい、穂乃果」
穂乃果「げっ…絵里ちゃん」
海未「絵里まで来ましたか」
穂乃果「よく分かったね。この場所が…」
絵里「ことり…ポケットの中確認してみなさい」
ことり「え?あっ!?スマホ?私のじゃない…」
絵里「私の携帯よ。さっき忍ばせといたのよ」
穂乃果「いつの間に…」
ことり「まさか…この携帯で?」
ことり「気がつかなかった。全然接触してないのに…」
絵里「そっ。使うつもりはなかったけど一応準備しておいたのよ。追跡出来る様にね。これ、凛のスマホね!お陰で自分で探す手間が省けたわ。この先にいるんでしょ?」
穂乃果「それは…」 絵里「別に隠さなくたって良いわよ。表情見れば分かるんだから。さてと…それじゃあ…」
海未「絵里、私達もいるのですよ?そう簡単に行くと思いますか?」
真姫「そうよ。いくら絵里でも一人で勝てると思ってるの?」
穂乃果「そうだ!そうだーーー!」
絵里「まあ…簡単には行かないのは分かってるわよ」
希「えりちーーーー」
絵里「希!無事だったのね」
希「当たり前やん」
絵里「ふふっ、これで私も一人じゃなくなったわ」
真姫「それはどうかしら?」
絵里「え?」 希「ワシワシMAXや〜」
穂乃果「うわっ…出た…」
絵里「え?ちょ…希?」
希「ワシワシ〜ワシワシ〜」
絵里「ちょ…ちょっとぉぉぉ。いやぁぁぁぁぁ」
希「ごめんな、えりち。ごめんなぁ」
絵里「はあ…はあ…はあ…希…どうして…」
希「全部海未ちゃんと真姫ちゃんがいけないんよ。ワシワシ〜」
ヒラ〜
ことり「あれ?希ちゃんのポケットから何か落ちたよ?」 穂乃果「何?紙きれ?」
希「あら?」
絵里「はあ…はあ…何?焼肉…半額券?まさか…これで買収されたの?」
希「ごめんな、えりち。真姫ちゃんの力の前には流石のウチも逆らえなかったんよ」
絵里「そんな…私って半額券以下なの?…せめて無料券に負けたかった…半額券って…」ガクッ
希「ごめんなぁ、えりち。一緒に食べに行こうなぁ」
穂乃果「絵里ちゃんが脱落した…と言うことは…」
海未「残るはあなた達だけですよ。穂乃果!!!」
穂乃果「くっ、台詞を取られた……さらば」
真姫「行かせる訳ないでしょう。希!」
希「ガッテン」
ガシッ
希「なっ、なんや!?」
絵里「い、行かせる訳…ないでしょう。よくも…」
海未「絵里…まだ動きますか…」
真姫「しぶといわね」 絵里「こうなったら…こうなったらぁぁぁ」
真姫「こうなったらなんなのよ?」
絵里「根性で手に入れる!!!もうくだらない策なんかに頼らない!!!私一人でも手に入れてみせる!!!!どんは困難も…超えてみせるぅ」
真姫「こ、根性論って訳?そんなものが通用する訳…」
海未「そうです。ここは通しません」ガシッ
絵里「うぉぉぉぉぉ」
海未「なっ、何ですって…」
真姫「海未が押し負けるなんて…」
穂乃果「あのクールな絵里ちゃんが…火事場の馬鹿力を発揮してる…。全てをかなぐり捨てて…」
ことり「カッコいい…」
絵里「なりふり構ってられないのよ。私は…私はぁぁぁぁ」
海未「そ、そんな…絵里にこんな力が残っているなんて…」 真姫「負けないで、海未!」
海未「はあ…はあ…無駄ですよ。もうボロボロじゃないですか」
絵里「無駄じゃない。無理じゃない。私は…私は負けない」
海未「私だって。真姫の為にも負ける訳には…」
穂乃果「力が拮抗してる。あの海未ちゃんに絵里ちゃんが力で拮抗してるよ。信念の為にもどちらも負ける訳には行かないんだね」
ことり「これ…パンを買いに行くって話だよね?」
穂乃果「うん。二人の戦いから目を離せないけど…今がチャンスだね!」
ことり「え?行くの?いいの?こんなに熱い展開なのに卑怯じゃないかな?」
穂乃果「時には汚い事もしなきゃいけないんだよ。悲しいけど…。さあ、行くよ」
ことり「そう言うものかな?」 海未「だから…はあ…はあ…行かせる訳ないと…何度も…何度も言ってるでしょ」
穂乃果「げっ、絵里ちゃんを倒したの?」
絵里「まだ…まだ…負けて…ない」
海未「くっ、しぶとい…」
絵里「穂乃果…海未…悪いけど…パンを手に入れるのは…この私よ」
海未「絵里…既に満身創痍のはず。どこからそんな力が…」
ことり「みんな…」
穂乃果「くっ、離してよ。離せぇぇぇ」
絵里「絶対に…離さない。あなたも海未も真姫も行かせない」
ことり「みんな…」
にこ「はあ…はあ…追いついたわよ。私は脱落なんかしてないから」
凛「穂乃果ちゃん!絵里ちゃん!よくもぉ。凛のケータイ返すにゃ〜」
花陽「うぅ…お腹空いたよぉ〜」
海未「くっ、にこ達まで…」
にこ「パンを手に入れるのは私よ」
凛「達にゃ…」 ことり「みんな、もうやめよう!」
絵里「ことり…」
穂乃果「ことりちゃん?」
海未「ことりが…大声を…」
真姫「初めて見たかも…」
ことり「たったパン一つでどうして争わなきゃいけないの!!!」
穂乃果「いや…それは…何て言うか…」
ことり「言い訳なんていいよ。こんなの間違ってるよ」
にこ「いや…大袈裟じゃない?別に険悪になってるって訳でも」
希「そ、そうやん?こんなの半分遊びで…青春の思い出的な?」
にこ「そうよ。ねえ?」
ことり「それでも…それでもぉ」
購買部のおばさん(以下おばさん)「お嬢ちゃん」
ことり「え?」
穂乃果「購買のおばちゃん…」
にこ「どうしてことりに…」
絵里「そんな…まさか…」
おばさん「今日のパン。残り一つだけど…買うかい?」
ことり「あの…」
穂乃果「ことりちゃん!」
ことり「あの…下さい。いくらですか?」
おばさん「350円になります」
ことり「はい。これで…」
おばさん「いつもありがとうね」 穂乃果「あの…ことりちゃん…そのパン…」
ことり「このパンは…私は食べない…」
穂乃果「え?どうして?」
ことり「穂乃果ちゃんが食べれないのに私が食べる訳にはいかないし」
穂乃果「あっ、私が食べれない事は決定なんだ…」
にこ「そりゃあそうでしょ」
真姫「でも…それじゃあ…そのパンはどうするの?」
ことり「このパンは今一番必要としてる人の手に渡るのが一番いいよ」
穂乃果「穂乃果結構必要だよ!」
にこ「私も!」
凛「凛も!」
ことり「はい、花陽ちゃん」
花陽「え?私?」
ことり「これだけじゃ足りないかもしれないけど。さっきからお腹空いてそうだったもんね」
花陽「で、でも…みんなだってお昼ご飯を食べてないし…。私だけ貰う訳には…」
絵里「あ〜あ〜残念ね。でも、確かにことりの言う通りかも。花陽が食べるのが一番かもね。実はダイエット中だし」
希「ふふっ、どこをダイエットするん?」
海未「そうですね。それに楽しかったです。こうして皆んなと騒げて」
真姫「そうね。私、こんなの初めて経験したわ。楽しかった」
海未「そうですね。たまにはこう言うのもアリですね」
穂乃果「うん。私も楽しかったよ。さて、じゃあふつうのパンを買いに行こうかな。お腹空いたもんね〜」
凛「凛も〜今日はお弁当持ってきてないにゃ〜」
にこ「あんた達…食べれない可能性を考えてなかったの?」 μ's「あはははは」
おばさん「おや?もう一個余ってたみたいだね」
穂乃果「え?」
絵里「え?」
凛「にゃ!」
海未「なっ!?」
希「ふふっ」
にこ「ちょ」
真姫「え…」
ことり「あははは…」
花陽「幸せです〜」モグモグ というかこれ今回だけじゃなくてこの板で何回か見た気がする ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています