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彼方「ライブやるだけじゃ駄目?」

愛「うん、愛さんはそう思ってる」

彼方「どういうこと?」

愛「この前アタシが言ったように、二人は同じことを考えて、同じことを言ってるんだよね」

愛「相手に無理させたくないって」

彼方「……うん」

愛「ゆうゆのサプライズライブ作戦は、カナちゃんがスクールアイドルも両立できてる姿を見せて、ハルちゃんを安心させようってスタンスじゃない?」

彼方「……そうだね」

愛「結局、カナちゃん無理してるじゃん」

愛「それじゃ、ハルちゃんの『お姉ちゃんに無理してほしくない』って思いは解決しないよ?」

彼方「む、無理なんか……してない、よ?」

愛「いいや、ハルちゃんの言ってた通りの状況なら、カナちゃんはどう見ても無理してるよ。本当に、いつ倒れたっておかしくない」

愛「それに、そこを解決しないままハルちゃんにスクールアイドルを続けさせたって、ハルちゃんはずっとカナちゃんに負い目を感じたまま、『無理して』スクールアイドルをやっていくことになる」

彼方「……!」

愛「それでいいの?」

彼方「それは、駄目。スクールアイドルとして、大切な仲間と夢を一緒に追う……。その楽しさだけは、絶対に忘れてほしくない」

愛「でしょでしょ? だからさ、家事やバイトを分担して、二人で支え合うとかどうかな?」

彼方「でも……遥ちゃんにアルバイトなんてやらせたくないよ……」

愛「う〜ん、じゃあ取り敢えず家事だけでも!」

彼方「……考えてみる」