エマ「私はね、お姉さんでも、ましてやママ何かじゃないよ? ただの卑怯者なの」

エマ「仲間が苦しんでいるのを無視して、何も行動せず、侑ちゃんが同好会を立ち直らせてくれたら、何食わぬ顔で戻ってきた卑怯者……!」

エマ「だから、次は絶対に取りこぼさないんだ。仲間が悩んでるのは見逃さない。頼られないなら、こっちから聞き出すまでだよ!」

愛「エマっち……」

愛ちゃん(そうか、エマっちは同好会最初の5人のうちの一人……。一見平気そうだったけど、せっつーとかすみんの件に責任を感じてたんだ……!)

愛「そういう風に思ってたんだね……」

愛「でも、せっつーたちは気にしてないと思うよ?」

エマ「せつ菜ちゃんたちが気にしてなくても、私は今でも後悔してるよ……」

エマ「『皆の心をぽかぽかにしたい』なんて言いながら、私は身近な人たちの心も温めてあげられてなかった……!」

愛「で、出来てるよ! 少なくとも、アタシは……」

愛「エマっちといるとドキドキする。顔が熱くなる。でもね、すっごく安心もするんだ」

エマ「じゃあ、どうしてせつ菜ちゃんたちは……」

愛「せっつーたちは、優しいんだよ。三年生のこの時期、進路だって考えなきゃいけないエマっちやカナちゃんに、心配かけたくなかったんだ」

愛「それにね、エマっち――」