ピロリン♪


突然、私の携帯に連絡が入った。連絡元は……

背中に寄っかかる彼方とその内容を確認する。


彼方「うおっ……うおおおおおおおおおっ!!!」


そんな……まさか。


彼方「果林ちゃん! 空港だよ! 迎えに行ってあげて!」

果林「で、でも送別会の時間……間に合うかしら」

彼方「えっ……えええええええええっ!!?」

彼方「な、何言ってんのさ! 迎えに行く以外ないでしょ?! ヘタレ!? ヘタレなの?!」


まるで眠気がすべて吹っ飛んだかのような口ぶりで彼方は私にまくし立てた。


彼方「いま果林ちゃんが迎えに行ってあげて、」

彼方「私たち3年生3人、卒業後のステージに立つんだよ!」


果林「……そう、よね!」

果林「私、行ってくる!」ダッ

彼方「うん、またあとで〜!」


彼方「……いやぁ〜〜〜」

彼方「きっと素敵な卒業ライブになるねぇ……」



彼方「……あの子にも届きますように」

彼方「……すやあ」