愛「もうひとつは、そもそも初めからしずくのことを快く思ってなかった人物、という可能性」

愛「しずくに対して大なり小なり悪感情があって、二人のデートを目撃したそいつは、しずくを貶めることができるチャンスだと考えて、実行に移した」

愛「……という線も、考えられるんじゃないかな」

歩夢「でも、しずくちゃんは、誰かの恨みを買うような……嫌われるような子じゃないよ……?」

愛「んなこたぁ愛さんも分かってる。しずくは敵を作らない性格だから、嫌われるような言動もほとんどない」

愛「でも」

愛「恨みを買うことは、あってもおかしくないんじゃい? たとえば━━━しずくの演技の才能やその面目躍如に、嫉妬してとか」

かすみ「……!じゃあ、演劇部の誰かってことですか!」

愛「って落ち着け〜い、かすみん。これは愛さんの推理だから。憶測の域を出てすらないよ」

侑「……そっか。演劇部の誰か、か……」

璃奈「……?侑さん?」