【327】

 ジャムの入ったビンにスプーンを突っ込み、それを掬うと、俺の相棒へボトリと垂らした。

 「ジャムさん、ごめんね…」

 こんなことに使っちゃいけないのに…と自戒の念があるのだろう。
 花陽さんは小さな声で謝った。


 「俺にもください」


 「こたろう君も?」

 首を傾げながらも、ビンを俺に手渡した。


 「じゃあ、続きをお願いします」


 「う、うん…」


 「ただし…今度は身体の向きを変えてくださいね」


 「ん?」


 「俺の顔を跨ぐようにしてください」


 「!!」


 「じゃないと『舐めっこ』できないじゃないですか!」


 「そ、それはそうだけど…」

 花陽さんは、恥ずかしげに目を伏せた。