【325】

 「じゃあ、そのままの勢いでいっちゃいましょう!』


 ひんやりと冷たかったジャムは、しかし、瞬く間に人肌のぬくもりとなった。

 俺はベトベトになった手を、威嚇するかのように怒張している自分の相棒へ擦り付ける。
 

 「フランクフルトのストロベリーソース仕立てです。さぁ、召し上がれ」

 そう言って俺は大の字に寝転んだ。

 
 「もう…本当にしなきゃダメ?」


 「往生際が悪いですよ。自分からしてくれないなら、無理やり口に押し込みますよ!」


 「!!」


 「でも、そんなことはしたくないんで…わかりますよね?」

 花陽さんは、黙って小さく頷いた。
 
 
 意を決したのか、彼女は俺の開いた脚の間に、移動した。
 そして膝を付き、上半身を丸める。


 ゆっくりと花陽さんの顔が、俺の相棒へと近づいてきた…。