【322】

 「うぅ…男の人のを舐めるのって…苦手だなぁ…」

 花陽さんがポツリと呟いたのを、俺は聴き逃さなかった。

 
 苦手だなぁ…か。
 ということは、やっぱり過去に経験済み…ってことだよなぁ…。


 いつ?どこで?誰と?何して?どうなった?

 作文の基本みたいな言葉が頭に渦巻く。


 苦手っていう意味は…ただ上手じゃない…ってことなのかな?
 それとも、無理やり突っ込まれたりして、それがトラウマになってるとか…。
 

 だけど、今、それを考えていても仕方ない。
 もう止められない、今が全て…だ。


 とはいえ…実は俺も少しアソコを舐めることに戸惑っている。

 お尻の穴ほど拒否反応はないが、なんとなく怖さを感じている。

 強がってはいるが、所詮、童貞。
 メチャ、ヒビってる。


 だが、そんな俺に神が降りてきた。
 ヤりたい…という念が、通じたようだ。