果林「で、どうだったの」ムッスー

部長「結果から言うとバレー部の数名が意図的にばらしたことは間違いなさそうだね。出所は完全にそこで、他部ではないみたいだ」

部長「どこにでもいるような生徒のフリをして部の子たちに聞いて回ったけど、やはり確かにそうらしい」

エマ「誰が、っていうのは解りましたか?」

部長「いや、残念ながら。そこまで聞こうとしても彼女たちも口を噤んでしまってね。箝口令が出ているみたいだ。どことの馬の骨とも知れない生徒には教えてくれなかったよ」

彼方「箝口令……言いふらすなって言えるって事は三年生だねぇ」

果林「一年、二年じゃ上級生にはそんなのできないもの。バレー部は結構上下関係厳しいし、尚更そういうのはあり得るかも」

部長「すまない。バレー部員の誰かが三船さんに嫌がらせ行為を行っているかどうかもわからなかった。ただ……」

エマ「ただ?」

部長「放課後の遅い時間に、三船さんのクラスの教室に生徒が数名居るのを見かけた子が数名いてね。全て違う日にだ。学年や何をしているかはわからなかった……という話だけど」

彼方「断定はできないけど、もっともっとに匂うねぇ」

果林「だけど誰が、を突き止めないと、手が出せないわ」

エマ「……うううっ、もどかしいよっ!」

彼方「私たちの友達に放課後とか見張ってもらう? あかりんとかくぼちゃん、まりちゃんとかなら手伝ってくれるかも……」

果林「……そこまで巻き込めないわ。歯痒いわね……」